「年収の壁」問題解決へ政府が10月から補助金制度を導入!企業に1人最大50万円の支援

[取材/文責]マネーイズム編集部

政府は9月27日、配偶者に扶養されるパートタイム労働者の「年収の壁」問題に対する具体的な対策を発表しました。

「年収の壁」を超えても働ける!政府がパートタイム労働者支援策を明らかに

【ビスカス公式Youtubeチャンネル】4つの年収の壁とは? より

この問題は、一定の年収に達すると年金などの社会保険料負担が発生するため、多くの労働者が勤務時間の削減を余儀なくされているものです。政府はこの問題を解決するため、パートタイム労働者が指定された「年収の壁」を超えても、働けるようにする当面の対応策を明らかにしました。

この対策の主な内容は、従業員が101人以上の企業で「106万円の壁」に直面した場合、保険料を肩代わりした企業に対して、従業員1人当たり最大50万円の補助金を支給するというもので、対象となる従業員の人数に上限は設けられていません。補助金の支給は10月から開始するとみられています。

政府は、この補助金制度を「支援強化パッケージ」と位置づけ、現行のキャリアアップ助成金を活用して財源を確保する方針です。この補助金制度の財源は企業のみが負担する雇用保険料で、2025年度までの暫定的な措置としており、その後の抜本的な対策については、2025年の年金制度改正を機に再度検討される予定となっています。

さらに、企業はこの補助金を活用して、従業員に「社会保険適用促進手当」として最大2年間支給することが可能となります。この手当は、社会保険の適用を促進し、従業員の収入や保険料の負担を軽減するためのものとなるようです。

この「年収の壁」問題について、パートタイム労働者は「第3号被保険者」として、一定の収入まで社会保険料が免除されています。しかし、10月からの最低賃金の引き上げを受け、年収の壁を意識して労働時間を抑える動きが拡大する恐れが指摘されており、多くの企業から対策の実施が求められていました。

このような背景を受け、政府が具体的な対策を発表したことは、労働者や企業にとって大きな安堵の材料となるでしょう。従業員と企業の双方にとって、公平で持続可能な雇用環境の構築に向けた一歩として、この対策の実施が期待されています。

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