政府が今夏も東京エリアへ節電を呼び掛け!電力の「予備率」が厳しい数値
政府は6月9日、電力需給に関する検討会合を持ち回り開催し、東京エリアへ「無理のない範囲での節電の協力の呼び掛け」を行うことを決定しました。
東京エリアの節電が必要な理由とは?
2023年の夏は10年に一度の猛暑と言われるほど、全国的に厳しい暑さが予想されています。猛暑により電力需要が上がることを見越して、政府は6月9日に電力需給に関する検討会合を持ち回り開催し、「2023年度夏季の電力需給対策」を決定しました。
電力需給に関する検討会合とは、2011年の東日本大震災後に生じた電力供給不足の際に設置された会合で、政府として電力需給の対応を総合的に推進するために開かれます。
電力需要に対して供給する余力がどの程度あるかは、電力の「予備率」という数値で示されますが、安定して電力を供給するために最低限必要な「予備率」は3%と言われています。2023年の夏季、全国的には西日本を中心に「予備率」は10%程度を確保していますが、東京エリアでは予備率が7月3.1%、8月4.8%と、気象状況の変化や電源のトラブルに対応するには非常に厳しい数字となっています。
さらに発電所の設備トラブルや補修の延長などが相次ぎ、3月時点公表の予備率と比較して、全国的にも数値は低下しています。
この厳しい状況を受け、政府は「無理のない範囲での節電」を呼び掛けることを決定しました。東京エリアの節電呼び掛けは、2022年度の夏季と冬季に続く措置です。去年も7~9月に政府は節電要請を行いましたが、夏季では7年ぶりの呼びかけでした。
節電要請は東京エリアの予備率が5%を下回る7月と8月に限定して行われ、熱中症予防に留意しながら無理のない範囲での節電協力を呼び掛けています。
東京エリアとは、東京電力管内の東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、栃木県、群馬県、茨城県、山梨県、静岡県(富士川以東)が該当します。
具体的に政府は下記のような節電方法を呼び掛けました。
- エアコンの冷房設定温度の引き上げとフィルター清掃
- 使用していない部屋の消灯
- 冷蔵庫に食品を詰め込みすぎないこと
エアコンの設定温度を上げることで5%の節電効果があり、照明器具を消したり、部屋の明るさを下げることで2~3%の節電効果があります。
夏の電力需要は13~17時ごろに高まり、17~20時ごろは太陽光発電の出力が減少するため、13~20時ごろに節電に取り組むことが需給対策としては最も効果があるとされています。
熱中症にならないように水分補給を行いながら、無理せず節電することが重要です。
▼参照サイト
2023年度夏季の電力需給対策を決定しました【経済産業省】
東電管内、7月から節電要請 「無理のない範囲で」―政府決定【時事通信】
電気代の節約や災害の停電時にポータブル電源ソーラーパネル,Jackery Solar Generator
法政大学を卒業後、地方銀行で3年間勤務。その後、ITベンチャー企業に転職し立ち上げ期の経理や人事労務を経験。補助金代理申請の担当も行っていました。読者の視点に近い、わかりやすい文章を書くことを意識しています。卒業後は大手建設会社で営業として勤務しており、その後大手コンサルティング会社に転職。不動産や税金、建築の専門知識を保有。経験や知識を活かして、中学生でも分かりやすい記事を心がけています。
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