損保大手4社がカルテル疑惑!東急グループ向け火災保険料入札で価格調整か

[取材/文責]マネーイズム編集部

6月19日に、金融庁は、東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、あいおいニッセイ同和損害保険、三井住友海上火災保険の4社に対し、カルテルの疑いがあるとして報告徴求命令を出したことを明らかにしました。4社は、私鉄大手東急グループ向けの火災保険の保険料を事前に調整した疑いがあるとみられています。

消費者に悪影響を及ぼすカルテルとは?

そもそもカルテルとは、複数の事業者(事業者団体を含む)が、価格、数量、生産能力、販売区域、取引条件等について合意し、競争を制限する行為のことを指します。カルテルは独占禁止法で禁止されており、違反した場合には課徴金の納付や刑事罰が科せられます。

カルテルには、次のようなものがあります。

  • 価格カルテル:複数の事業者(事業者団体を含む)が、商品やサービスの価格について合意する行為です。
  • 数量カルテル:複数の事業者(事業者団体を含む)が、商品やサービスの生産量、販売量等について合意する行為です。
  • 入札談合:複数の事業者(事業者団体を含む)が、入札において価格や落札者等について合意する行為です。
  • 市場分割:複数の事業者(事業者団体を含む)が、市場を分割し、それぞれの事業者が特定の市場で独占的に活動する行為です。

 

カルテルは消費者にとって様々な悪影響を及ぼします。例えば、カルテルにより商品やサービスの価格が高騰したり、品質が低下したり、消費者の選択の自由が制限されたりする可能性があります。また、経済全体の成長を阻害することもあるため問題視されています。

ここでいう独占禁止法とは、カルテル等の競争制限行為を禁止することで、消費者利益を保護し、経済の健全な発展を促進することを目的としています。違反した場合には、課徴金の納付や刑事罰が科せられますが、課徴金の額は、違反行為の規模や影響の大きさに応じて、数百億円に上ることもあります。

今回発覚した疑惑は「価格カルテル」に該当するとみられています。
金融庁によると、4社は、2018年から2022年の間に、私鉄大手の東急グループ向けの火災保険の保険料について事前に調整していた疑いがあるとされています。
この疑惑は、東急グループが2022年12月に、4社に対して火災保険の入札を実施した際に発覚したようです。東急グループは入札の際に4社から提示された保険料が異常に高いことに気づき、調査を開始。その結果、4社が事前に保険料を調整していたことが判明したというわけです。

4社はカルテルの疑惑を否定していますが、金融庁は4社に対して報告徴求命令を出しています。金融庁は、4社から報告書を受け取った後、カルテルの有無を判断する予定です。もしカルテルを行っていたことが判明した場合、公正取引委員会から課徴金の支払い命令や刑事罰を受ける可能性があります。また、4社の社会的信用にも大きな影響を与えると考えられます。

カルテルは、消費者にとって大きな悪影響を及ぼす行為です。カルテルに違反した場合には、重い罰則が科せられる可能性があります。カルテルを避けるためには、事業者は独占禁止法の規定を理解し、違反行為に該当する行為を慎重に検討する必要があります。

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