訪日外国人に向けた免税制度の見直し国内での転売問題に一石を投じる
日本政府が、ますます多様化する観光業界において、訪日外国人向け免税制度を見直す計画を進めていることが報じられています。その主たる目的は、国内での免税品の転売を抑制し、公平な税制を確立することです。
訪日外国人にとっても分かりやすい新免税システムが導入予定
従来の免税制度では、免税店で購入した商品はその場で消費税が免税となり、日本国内での転売や消費は禁じられていました。しかし、政府関係者によれば、2022年度だけで1億円以上の免税品を購入した人は374人に上り、その多くが商品を国内で転売している可能性があるとの懸念が浮上しています。
新制度の特徴的なポイントとして、”免税品の課税と返金のプロセスを見直す”ことにあります。
訪日外国人が免税店で商品を購入する際、従来の制度では消費税は購入時に免税となりますが、新たに導入される制度では、その場での免税措置は行われず、一時的に商品に対して税金が課されます。この税金は出国時に返金されることになります。
新たな返金の仕組みが導入されることで、日本人と訪日外国人の双方にとって、適切な免税が課せられることが期待されます。
このシステムは他国で既に実績のあるものであり、訪日外国人にとっても親しみやすく分かりやすい仕組みとなっています。
また、従来の免税カウンターにおける混雑解消も期待され、百貨店や観光エリアでの免税ショッピングがより円滑に進むことで、国内で約5万店を超える免税事業者の業務負荷の軽減が見込まれ、少子化による人材不足の改善につながることが見込まれます。
こうした免税販売手続きは2021年10月に完全電子化され、日本政府はそのデータを元に2022年度に出国した人の免税品の購入額を調査しました。
その調査によれば、1億円以上の免税品を購入した人数は374人で、その合計購入額は1704億円に上ります。1人当たりの平均購入額は約4.5億円であり、税関は航空会社と連携して1億円以上の購入者のうち57人に対して検査を実施しました。そのうち免税品の持ち出しが確認できたのは1人だけで、それ以外は買った免税品が確認できなかったとのことで、政府関係者は「高額購入者の多くは国内で転売している可能性がある」との見解を示しており、この問題の深刻さを浮き彫りにしています。
今回、見直される免税制度が導入されることで、購入された免税品の課税・返金プロセスの変更により、訪日外国人にとってもシンプルで透明性の高いシステムが構築されます。これにより、転売行為の防止が期待され、国内での公正な市場環境が確立されるでしょう。
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