趣味と実益を兼ねる
資産形成を

[取材]MONEYIZM編集部

独立し、事業に成功した経営者の半生と、築き上げた資産を覗き見する連載「隣の社長のポートフォリオ」。今回は保険事業・飲食事業など業界をまたにかけたご活躍をされている株式会社ファイネストの堀元昭社長。経営者として、あるいは父として――。四半世紀を超える経営者人生のなかで感じてきたことをお話いただきました。

すべての事業に
通ずる「想い」

――事業内容を教えてください。

現在展開している事業は大きく分けて3つです。

1つ目は、1997年に創業した株式会社ファイネストの保険事業です。
常にお客様に最適な保険をご提案することで、最上級の「満足」と「安心」をご提供できる保険代理店であることを信条とし、努力を重ねて参りました。

2つ目は、飲食店のフランチャイズ経営。
これは創業10周年の節目となる2007年に新しく始めました。
宅配寿司「銀のさら」と宅配御膳「釜寅」のフランチャイズチェーンに加盟し、事業開始より10年後の創立20周年時点で、宅配寿司「銀のさら」は11店舗、宅配御膳「釜寅」は10店舗の合計21店舗まで事業規模を拡大することができました。
現在では宅配寿司「銀のさら」は14店舗にまで増え、さらなる飛躍を感じさせる事業に成長しています。

3つ目は、2012年6月に新たに創業した株式会社e-コンシェルのOEMおよび卸事業と、Eコマース事業です。インティメイトアパレルやヘルスケア用品などの製品をOEMで製造し、供給する事業を展開しています。

――保険事業から飲食業だと、大きく異なる事業展開のように感じますが、きっかけは何だったんでしょうか。

大きな事業展開に見えるかもしれませんが、私の中ではそうでもありませんでした。
保険代理店のように、常にお客様に「満足」と「安心」を提供できるような事業で、そのお客様への気持ちをもっと直接的に伝えることができて、かつお客様の「満足」をフィードバックしてもらえる事業はなんだろうかと考えたときに、行き着いたのが飲食業だったんです。

――根底にある思いには通じる部分があるんですね。

はい。
ただやりたいという気持ちだけが強くとも、経験不足であることは否めませんから、フランチャイズ契約による事業展開が最適だと考えて、現在のかたちに至っています。

――ちなみに、年商をお伺いしてもいいでしょうか。

グループ全体で、およそ24億円です。
ただ、自分でやってきたんだというよりも、お客様はもちろん、家族や社員にも支えがあったからこそ、27年ものあいだ、経営者としての道を歩んでくることができたんだと感じています。

年商24億の社長が
大切にしていることは?

――素晴らしい成功を収められてきたかと思いますが、独立して1番よかったと感じることは何でしょうか。

難しいですね。苦しいことも多かったので、単純によかったと言い切るのは難しいかもしれません。

あえて言えば、2つでしょうか。
まず、独立して27年やってきて、たとえば自分の好きな車や時計を買えるとか、経済的に実現しづらいようなことも実現できるようになったっていうのは、1つよかったところだと思います。
また、自分の趣味だけではなく、教育面などでも息子や他の家族を支えることができている点はよかったことですね。

――教育にはお金をかけていらっしゃる経営者の方も多いですよね。

私の場合は、必ずしもお金をかけて教育するという意味ではないんですよ。
人は自分が「面白い!」と思えたことであれば全力で進んでいきますが、興味がないことはいくらやらされても“やらされている領域”から出るのは難しいと、私は考えています。なので、息子に対しても親の判断で「あれをやれ」「これをやれ」と何かを強制するようなことは言ってきませんでした。
ただ、彼が自ら進んでいきたくなるような、興味を持てるものが見つかったときに、親として全力で後押しをしてあげたいとは常々思っています。
そのための余裕が十分にあるというのも、独立して今日までやってきてよかったことの1つだと言えるでしょうね。

――親として子をサポートできるだけの準備ということですね。

そうですね。
ただ、こういう風に思える今の自分がいるのも、すべてお客様あってのことです。
苦しいこともたくさんあった会社経営のなかで、自分の信じた道を一生懸命に進んでいったときに、お客様や世間が自分を評価してくれたときにも、苦労が報われた気持ちになりました。これは創業からずっと変わらず感じていることで、同時にこれからも大切にし続けていかなければいけないことです。
色々な人に支えてもらえたからこそ、今日までやってこれたんだという気持ちが本当に強いですね。.

半分以上を占めている不動産は、人に貸して賃料収入を得る収益不動産です。
日本だと土地が限られていることもあり、不動産は安定的に収益を得ることができますね。

自動車は通常、減価償却されて価値はなくなっていきますが、フェラーリやランボルギーニなど一部の限られた限定車については、価値が落ちません。車は若い時から憧れがあった趣味でもありますが、価値が下がらないため資産ポートフォリオのなかに含めています。

1997年、株式会社ファイネストを創業。保険事業を展開するほか、「銀のさら」などのフランチャイズチェーンに加盟し、飲食事業も開始。2012年には、株式会社e-コンシェルを創業し、OEM事業・Eコマース事業などを展開。
共著に『図解 生き残る生命保険代理店マニュアル』(草輝出版)がある。

※肩書き等は掲載日時点でのものになります。

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