世間の耳目を集めた、「紀州のドン・ファン」事件。亡くなった会社経営者の遺産約13億円を、「全財産を寄付する」という故人の遺言に基づき、和歌山県田辺市が受け取る方針だと報じられました。遺産を自治体に寄付することが可能なの? 何億円もの遺産分割を、手書きの遺言書でして大丈夫? 相続人はびた一文もらえないの? 遺言書を知るうえで格好の「教科書」でもある今回の事例を通して、あらためてその効力を検証します。(事例の事実関係については、2019年9月15日時点までの報道をベースにしています)
夫がもらう給料をやりくりして、コツコツ自分名義の預金通帳に貯めているという方は、けっこういらっしゃるのではないでしょうか。「長年の成果」が1000万円を超えた、などという話を耳にすることもあります。でも、旦那さんが亡くなって相続になったとき、その「蓄え」が大きな問題を引き起こすかもしれません。今回は、税務署が特に目を光らせる「名義預金」のお話。
相続は放棄できる。そのことは、多くの方がご存知だと思います。では、「相続放棄には、3ヵ月という期限がある」というのは、どうでしょう? おそらく「え、そうなんだ」という反応が返ってくるのでは。かといって、事を急ぐと、とんでもない事態を招くこともあるようです。簡単に考えてはいけない相続放棄を、徹底解説しましょう。
相続税の申告は、被相続人が亡くなってから10ヵ月以内にしなくてはならない――。例えばあなたは、そんな決まりをご存知でしょうか? 人口の高齢化が進むにつれて増える相続。争いになったり、余計な税金を納める羽目になったりしないために、まずはその大まかな流れを理解しておくことが大切です。わかりやすく解説しましょう。
故人の高額な遺産をめぐる争いが、時々ニュースになります。それを横目に見ながら、「うちには、揉めるような財産はないから大丈夫」と思ってはいませんか? そういうあなたは、立派な「“争続”予備軍」かもしれません。財産は少額でも、相続は揉めることがある。論より証拠、まず「争いの現場」をのぞいてみましょう。
自分の望み通りの遺産分割を行い、同時に相続人たちにそれをめぐって無用の争いを起こさせないために、遺言書の作成が推奨されます。ただ、きちんと遺言書を残していても、死後に相続に関してさまざまな問題の起こることが、実際にはあるのです。そうした事態への対応も含めて、遺言書に示された遺志を実現する役目を果たすのが、「遺言執行者」。その権限や任務、誰がなれるのか? などについて解説します。
本屋に行けば、平積みになった「エンディングノート」を目にするようになりました。自らの一生を振り返り、死に際しての希望などを家族に伝えるツールとして人気です。遺言書と違い、気軽に書けるのもいいところなのですが……ちょっと待ってください。エンディングノートを記しておけば、遺言書は必要ないのでしょうか? 実は、両者には決定的な違いがありました。
父親が亡くなって相続になったら、遺産は配偶者である妻が1/2、子どもたちが1/2ずつで分ける――。遺産分割に関するこの「公式」は、ほとんどの人が知っているでしょう。では、亡くなった人に配偶者も子どももいなかったら? 相続人になれる親族の範囲って? 今回は、民法に定められた相続の権利を持つ人=「法定相続人」について整理してみました。
親の相続で遺産分割の話が始まったとたん、長年離れて暮らしていた兄弟たちの間で揉め事になり、事態が動かなくなってしまった――。こんなときには、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てて解決する方法があります。とはいえ、そこは未知の世界。何が行われるのか、どんな姿勢で臨むのがいいのか? 実際に調停委員を経験した専門家への取材を基に現場を「再現」してみました。
法人や個人事業の経営者が、事業の経営や毎年の利益に対する税金のこと以外で、気になることといえば、事業の引き継ぎや相続のことでしょう。相続税はいくらかかるのか、また、相続よりも生前に贈与などをしておいたほうがいいのかなど、疑問点も多いかと思います。今回は、ぜひ知っておきたい相続や贈与の基礎知識を解説します。