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相続税無申告はバレる!バレる理由や無申告のリスク、事前対策を解説

相続税無申告はバレる!バレる理由や無申告のリスク、事前対策を解説

公開日:2020年8月21日  
最終更新日:2021年7月20日

相続で被相続人(亡くなった人)の財産をもらえるのは嬉しいけれど、できるだけ相続税は払いたくない――。誰しもそう考えるものです。
ただし、だからといって申告の必要があるのにしなかったら、どうなるのでしょうか? そもそも発生した相続税を「隠す」のは、ほとんど不可能。まずは、その事実から知って欲しいと思います。

課税対象の10%以上に税務調査が入る!?

相続税には、「3000万円+600万円×法定相続人の数」という基礎控除額があり、被相続人の残した遺産がこれを超える場合には、相続税の課税対象になります。
2015年に、この基礎控除額が以前より大幅に引き下げられたため、例えば3大都市圏に持ち家があると、残した現預金が多額でなくても相続税がかかるようなケースが増加しました。国税庁の公表資料によれば、2016年に発生した相続のうち、相続税の課税対象となったのは、全体の約8.1%のおよそ106,000件でした。

さて、本題はここからで、その16年の相続を中心に国税局、税務署が実施した2018事務年度(18年7月~19年6月)の実地調査が、12,463件に上っているのです。「実地調査」というのは税務調査のことで、当局が収集した資料情報などから申告額が過少であったり、そもそも申告の義務を果たしていなかったりという疑いのある案件について行われます。さきほどの106,000件をベースに単純計算すると、相続税課税対象の実に12%の案件で税務調査が実施されたことになります。

さらに、調査に入ったうちの85.7%に当たる10,684件に「申告漏れ」などの非違が指摘されました。申告漏れ課税価額は、トータルで3,538億円となっています。

なぜ相続税無申告はバレるのか?

これらの相続税無申告は、運悪く見つかってしまったものなのでしょうか?実はそうではありません。その理由を列記してみましょう。

死亡情報は速やかに把握される

市町村役場に死亡届が提出されると、役場は、受理した日の翌月までに税務署にその情報を伝えなくてはなりません。相続発生の事実は、すぐに税務署の知るところとなります。

情報が共有されている

税務当局は、全国の国税局、税務署をネットワークで結び、申告納税の実績を地域や税目を超えて一元管理する「国税総合管理システム」(KSKシステム)を備えています。被相続人の過去の収入や所有する不動産情報などは“筒抜け”で、相続が発生しそうなケースについては、生前から“マーク”されているとさえ考えるべきです。

知られざる強力な調査権限を持っている

税務署には、相続人などの了解なしにさまざまなことを調査する権限が与えられているのをご存知でしょうか?
例えば、税務署には、被相続人や相続人の預金の残高や取引履歴を過去にさかのぼって調査することができます。金融機関には預金者の取引履歴を10年間保管する義務がありますから、その間の情報は確実に掴まれると考えてください。申告すべき生前贈与(贈与税の申告漏れ)なども、容易に発見されてしまいます。

相続後に大きなお金の移動があると、隠していてもバレる

不動産を相続し、名義変更を行った

不動産を相続した場合には、法務局で名義変更(登記)する必要があります(そうしないと、不動産は「自分のもの」にはなりません)。その情報は、法務局から税務署に、やはり速やかに伝達されるのです。

死亡保険金を受け取った

生命保険などの保険金の受け取りがあると、受け取った本人だけでなく、税務署に対しても保険会社から税務署に「支払調書」が送られますから、これも“丸裸”に。税務署は、非課税枠を超えていないかなど支払金額の確認とともに、財産状況の調査を開始します。

相続した株を売った

株式などの有価証券売買取引については、生前から税務署に取引報告書が提出されるほか、配当金に対しては支払調書が提出されます。有価証券に関して大きなお金の動きがあれば、やっぱり税務署の「関心」をひくことになるわけです。

もし無申告や過少申告がバレたらどうなる?

相続税の申告期限は、被相続人が亡くなってから10ヵ月以内、とされています。それを過ぎても税務署からなんの音沙汰もないから大丈夫かというと、そういう安心はもってのほかです。
相続税にも時効があって、5年(申告納税が不要だと勘違いしていた人)ないし7年(それ以外のケース)となっています。裏を返せば、課税から逃げ切るためには、それだけの期間、説明したような権限を持つ税務署の目を欺く必要があるわけです。
無申告などがバレた場合、払うべき税を納めるだけでは許してもらえません。非違の種類や悪質度などにより「加算税」がプラスされるほか、利息の意味を持つ「延滞税」も課税されることになります。

無申告などのペナルティ

延滞税

原則として、本税に対して納期限の翌日から2ヵ月を経過するまで年7.3%、それ以降は年14.6%

無申告加算税

納付すべき税額に対して50万円までの部分15%、それを超える部分20%。ただし、税務調査前に自主的に期限後申告した場合には5%

過少申告加算税

期限内申告に誤りがあった場合。納付すべき税額に対して50万円までの部分10%、それを超える部分15%

重加算税

事実を仮装隠蔽するなどして申告しなかった場合。納付すべき税額に対し40%。意図的に少なく申告した場合は35%

「隠す」より「節税」を考えよう

相続税の課税から逃げ切る可能性の低さ、露見したときのペナルティの重さがおわかりいただけたのではないでしょうか。

確かに、特に評価額の高い不動産などが多い相続などでは、相続人にとって税金は大きな問題です。ただ、相続税にも有効な節税策がたくさんあります。できれば、生前のなるべく早い時期から相続に詳しい税理士などのアドバイスを受けながら準備を始めるのがベスト。

万が一、無申告のまま申告期限が過ぎてしまったような場合にはどうしたらいいのでしょうか?説明したように、正しい申告を早く行う、また税務署に指摘される前に自ら申し出るほうが、“傷”は浅くて済みます。やはり、「その道のプロ」である税理士に速やかに相談するようにしましょう。

相続で税理士への依頼を検討中の方へ

相続税の無申告は、必ずバレると考えてください。もし申告期限を経過しているような場合には、すぐに専門家に相談することをお勧めします。実績ある税理士紹介会社を使えば、スピーディーに適任の先生が探せるはずです。

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この記事の執筆者
相続財産センター編集部
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