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遺言書について
公正証書遺言書の勧め
自筆証書遺言は検認時に、本当に被相続人が書いた物か、作成した時に被相続人は正常な判断能力があったのか、など、様々な問題や争いが起こりやすい原因となっています。その為、下記の例に該当しそうな方は公正証書遺言を作成された方が、残された方たちの争いを未然に防げる可能性が高くなります。
- ①複数の相続人が欲しがると思われる、賃貸不動産などがある
- ②事業承継者に株や業務用地などを相続させたい
- ③住居などを相続人に貸している
- ④過去の遺産分割協議で争いが起こっている
- ⑤相続人に未成年や判断能力の危うい人がいる
- ⑥銀行口座や預金額、株などの保有が多い
- ⑦子どもが居ないので配偶者にだけ相続させたい
無効な遺言書にならないためには
法的に無効だと判断されてしまうと、せっかく作成された遺言書がまったく意味のない物になる可能性があります。 正式な遺言書には決められている事がありますので、それに則った遺言書を作成しましょう。
基本的なルール
- ・被相続人ひとりのみ署名の遺言書のみ有効で、複数名の署名がある場合は無効
- ・遺言書を作成した時に、被相続人の遺言能力がある
- ・日付と署名がしっかりと書かれている、日付の無いものは無効 ・最新の遺言書のみ有効
注意点
1.財産をもれなく記載する
相続者を特定していない財産などが、後々見つかったときには遺産分割協議の必要が発生し争いの元になるかもしれませんので、細かい所までもれのないよう記載しましょう。
2.預貯金などは金額で分割はしない
遺言書作成の時点と、預貯金などは金額が違っている可能性も高く、金額を指定していまうと、預貯金が余る場合でも足りない場合でも、揉め事になりやすくなります。Aさんには50%、BさんとCさんには25%ずつなど、金額が変動しても問題が起こりにくい記載をしましょう。
3.遺留分はしっかり残す
遺言書に遺産を譲ると書かれていなくても、相続人の権利がある人は法定相続人の半分を受け取れる遺留分(兄弟姉妹は権利なし)というものがあります。Aさんに100%相続させて他の相続人には何も譲らないなどと遺言書に書いてあった場合に、Aさん以外が不服として遺留分の減殺請求を行う可能性が高くなります。余計な揉め事を未然に防ぐためにも、相続人全員が遺留分以下にならないように分割して書きましょう。
4.譲りたかった人が先に死亡していた場合も考慮する
遺言書を書いた後に相続人として上げた人が先に亡くなってしまった場合は、亡くなってしまった人の相続分は無効となり、遺産分割協議対象となってしまいます。新たに書き直すのが一番ですが、亡くなっていた場合の事もあらかじめ記載しておく事も可能です。
配偶者間贈与の特例
配偶者間贈与の特例を併用する事で、居住用不動産かその購入資金の2,000万円まで配偶者控除として基礎控除と併せて(合計2,110万円まで)受けることができます。配偶者間贈与の特例の対象者と認められるには、譲りうける人が婚姻して20年以上経過している配偶者であること。居住用不動産に翌年3月15日までに居住し、引き続き居住すること。同じ配偶者からの贈与で過去配偶者控除を受けていないこと。贈与税の申告をすること。などがあります。
用語解説
自筆証書遺言
公証人が口述筆記で作成した遺言書。 公正証書遺言は公証人役場の金庫に保管されているので、偽造や隠匿など自筆証書遺言で起こりやすいトラブルを防ぐことができる。また公正証書遺言には証人が2人必要となっている。 一般の方に証人になってもらうより、職務上の守秘義務を持ち外部に秘密を漏らさない、弁護士や司法書士に頼む方が安全で確実。
公正証書遺言
公証人が口述筆記で作成した遺言書。 公正証書遺言は公証人役場の金庫に保管されているので、偽造や隠匿など自筆証書遺言で起こりやすいトラブルを防ぐことができる。また公正証書遺言には証人が2人必要となっている。 一般の方に証人になってもらうより、職務上の守秘義務を持ち外部に秘密を漏らさない、弁護士や司法書士に頼む方が安全で確実。