格安税理士に任せて大丈夫?
料金重視で選択するメリット・デメリット

格安税理士に任せて大丈夫?  料金重視で選択するメリット・デメリット
 
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格安税理士とは?

格安の定義はいくらから?

以前は、税理士費用は税理士報酬規定で一律に決まっていたのですが、今は撤廃されそれぞれの事務所が自由に設定できるようになりました。そんな現在、そもそも「格安税理士」とは、いくらぐらいの報酬で頼める税理士のことをいうのでしょうか?

例えば、売上高1,000万円未満の法人・個人事業主が、税理士と顧問契約をして3~4ヵ月に1回訪問してもらうとします。その場合、決算申告料(確定申告料)を除く月額報酬の相場は、一般的に1万円が「底値」となっています。それを下回る月額数千円の価格設定をしている場合、相場より安い=格安ということができるでしょう。
以下に税理士に支払う料金の相場の目安を示しています。これを下回る価格を提示しているのが、この記事で述べる格安税理士だと考えてください。

税理士に依頼する場合の料金の相場は?

ここに載せたのは、税理士と顧問契約を結んだ場合の料金相場です。当然、法人と個人事業主では、税理士顧問料の相場は異なります。また、売上高や訪問回数(税理士事務所の税理士やスタッフが顧問先を訪問する回数)などによっても金額は違ってくるため、その点は注意が必要です。

■法人の場合の金額相場

年商・年間売上高 税理士の訪問回数 金額の目安
年商1,000万円未満 決算のみ 100,000円~/年
年商1,000万円以上3,000万円未満 決算のみ 150,000円~/年
年商3,000万円以上5,000万円未満 3-4ヶ月に1回 15,000円~/月 + 決算申告料
年商5,000万円以上1億円未満 3-4ヶ月に1回 20,000円~/月 + 決算申告料
年商1億円以上3億円未満 要相談 30,000~50,000円/月 + 決算申告料
年商3億円以上5億円未満 要相談 35,000円~/月 + 決算申告料
年商5億円以上10億円未満 要相談 45,000円~/月 + 決算申告料
年商10億円以上 要相談 50,000円~/月 + 決算申告料

■個人の場合の金額相場

年商・年間売上高 税理士の訪問回数 金額の目安
年商500万円未満 確定申告のみ 70,000~80,000円/年
年商500万円以上1,000万円未満 確定申告のみ 100,000円~/年
年商1,000万円以上3,000万円未満 確定申告のみ 150,000円~/年
年商3,000万円以上5,000万円未満 3-4ヶ月に1回 15,000円~/月 + 確定申告料
年商5,000万円以上1億円未満 3-4ヶ月に1回 20,000円~/月 + 確定申告料
年商1億円以上 要相談 30,000円~/月 + 確定申告料

※詳細な金額は税理士顧問料・報酬・料金・価格の適正価格 で確認できます。

なぜ格安で依頼できるのか?

どんなモノやサービスでも、相場よりも安い場合には必ず理由があります。格安税理士については、次のようなことが考えられるでしょう。

“安かろう、悪かろう”の税理士事務所

税理士やスタッフのレベルが低い(例えば勉強不足で税務の知識が不十分など)、対応が悪い、といった理由で顧客に敬遠されるため、低料金でないと仕事がもらえない…というパターンです。

“ドンブリ勘定”の税理士事務所

税理士事務所でありながら、集客第一で採算を十分考えずに料金設定がされているケースもあります。当然、レベルの高いサービスを提供していたのでは儲けになりませんから、安さが魅力で契約した顧客が結局しわ寄せを食うことになります。

仕事の割に従業員の数が少ない、給料が安い

普通の事業でもいえることですが、人件費の無駄を抑えることは経営の基本です。とはいえ、仕事量が過大だったり、給料が標準レベルに届かなかったりすれば、従業員のモチベーションは上がらず、離職にもつながります。そういう事務所に依頼しても、やはり満足のいくサービスが受けられない可能性があります。

サービスが限定されている

同じ顧問契約でも、提供されるサービスは事務所によって違いがあり、例えば「決算に関わる業務のみ」のように限定されていることがあります。このような場合には、他の業務も依頼しようとすると、別途オプション料金を請求されることになります。必要なサービスだけを選ぶことができるという利点がある半面、あれこれ頼んだらむしろ割高になってしまった…ということも十分にあり得るため、契約時にしっかり確認する必要があるでしょう。

創業時の「特別割引」

後でも述べますが、創業支援を行う事務所では、創業時(初年度)の料金を安く設定している場合があります。通常料金や、それで受けられるサービス内容については、やはり契約時に確認しておきましょう。

IT化によるコストダウン

もちろん様々な経営努力により、税理士報酬を大幅に引き下げている事務所もあります。特に近年は、ITを活用した申告業務の簡略化などを積極的に進め、コストダウンを図る傾向が強まりました。ただ、目に見えるコストダウンのためには、顧客の側もそうしたIT化に対応する必要があります。

法人ではなく個人の税理士は料金が安い?

税理士法人と個人の税理士で料金に違いはあるのかについて解説する。

結論から言えば、税理士法人か個人税理士かといった事業形態による料金の違いはありません。税理士報酬はクライアントとの契約形態(スポット契約か顧問契約か)と、クライアントの事業規模(年間売上高など)によって決めるのが一般的です。税理士としては、一時的なスポット契約より継続して取引ができる顧問契約の方が報酬を低く設定しやすいでしょう。また、事業規模が大きければ税理士が負うべき責任も大きくなりますので、報酬も比例して大きくなる傾向にあります。

格安税理士を選択するメリット・デメリット

メリット① : 税理士報酬が安い

格安税理士のメリットの代表格は税理士報酬の絶対額が安いことでしょう。たとえば、年商2,000万円の法人の場合、税理士報酬の相場である月額1万5,000円から2万円より、はるかに低い料金で税理士に依頼することができます。また、税理士報酬が相場より低いのは、創業支援サービスの一環の可能性があります(料金の内訳は事務所により異なりますので、契約前に確認しておくのがおすすめです)。

メリット② : 必要最低限のサービスだけを選択できる

格安税理士の中には、顧問契約を結ぶことを前提としないケースがあります。そのため、さまざまなサービスメニューの中から決算書の作成のみ依頼できるなど、必要最小限のサービスだけを選択することができます。「顧問契約」の場合は、税理士と“月額○○円+決算申告料金”をベースに契約を結びます。基本的に、法人であれば月次決算を出してもらい、年に数回は会社に来てもらって経理や税務、あるいは経営などについて相談し、アドバイスを受けることができます。期末には、年度の決算と、それに基づく法人税の申告を依頼します。先述のように、通常この決算申告は別料金となっており、売上2,000万円の会社が2ヵ月に1度訪問を受ける場合には、顧問料が月2万円~、決算申告料金がその4~6ヵ月分です。一方、「決算申告のみ依頼」する場合は、同規模の会社で料金は年額15万円~というのが相場です。具体的には、「記帳(税務申告に必要な帳簿の作成)」「決算書作成」「申告書作成」「申告」などを税理士に代行してもらうことができ、このうち必要な業務だけチョイスすることも可能なのです。

デメリット① : 訪問サービスが受けられない可能性が高い

税理士にとってのコストは業務に投入する時間であり、訪問する移動時間もコストにカウントされます。そのため、格安税理士は訪問サービスの回数を減らすことで、業務に投入する時間を減らしコスト削減を図ります。その結果、格安税理士に依頼すると訪問サービスが受けられない可能性が高くなります。

デメリット② : 積極的な節税のアドバイスが受けられない

訪問サービスを受けることによって積極的な節税のアドバイスが受けられる機会がより多くなります。そのため、訪問サービスが受けられないと節税のアドバイスも受けづらくなります。

デメリット③ : 経理の知識が求められる

格安税理士は業務に投入する時間を短縮するために、会計ソフトにデータを入力する時間を削減する傾向にあります。そのため、自計化(自社で会計ソフトにデータを入力すること)が前提になるケースがあり、自社のスタッフに経理の知識が求められます。

デメリット④ : 付随するサービスがオプション料金として加算される

格安税理士の中には、サービスメニューごとに細かく料金設定をしている所が存在します。そのため、記帳代行や経営分析などのサービスがオプション料金で加算され、結果的に割高になる可能性があります。

デメリット⑤ : 経営相談がしづらい

格安税理士は訪問サービスに投入する時間はできるだけ削減したいと考えている可能性があります。そのため、最低額の訪問サービスを実施するとしても、所長税理士や経験豊富なスタッフではなく、年収の低い比較的経験が浅いスタッフが訪問する傾向にあります。そのため、経営相談をしたい相手に相談しづらいといえます。

デメリット⑥ : あまりに安すぎると無資格者(にせ税理士)である可能性も?

格安税理士に依頼する最大のリスクは、実は「頼んだ相手が税理士の資格を持っていなかった」という状況です。まさかと思うかもしれませんが、“にせ税理士”が脱税を指南して逮捕される、といった事件が実際に起こっているのです。
税理士には、
税務代理(税務申告や、税務署などの税務調査への対応)
税務書類の作成(申告書類の作成)
税務相談(税金に関する相談への対応)
という「独占業務」があります。これらの業務は、税理士、税理士法人以外は許されておらず、納税者に代わって申告を行ったりすれば、税理士法違反に問われます。一方で、依頼したほうも、申告書のミスで「申告漏れ」になる・全く節税ができない・税理士の署名のない信頼度の低い申告書になってしまう…といった被害をこうむる可能性が高くなります。
税理士は、日本税理士会連合会の発行する「税理士証票」(税理士にとっての身分証明書)と「税理士バッジ」を保有していますので、バッジを付けていない場合などには念のため確認するようにしましょう。

格安税理士がおすすめの法人・個人事業主とは?

前述の通り、格安税理士のメリット・デメリットを挙げましたが、それでも税理士報酬を削減したいと考えている法人・個人事業主は多いでしょう。そこで、格安税理士がおすすめのケースについて紹介します。

創業間もない法人・個人事業主

創業間もない法人・個人事業主は売上が少ないのが一般的であり、事業が軌道に乗るまでは料金重視で税理士を選ぶことが現実的といえます。また、「売り上げが伸びたら税理士報酬をきちんと支払う」など低料金が軌道に乗るまでの間の期間限定なら、多くの税理士は料金重視を理解してくれるでしょう。

取引量が極端に少ない法人・個人事業主

取引量が極端に少ない法人・個人事業主なら格安税理士がおすすめです。取引量が少なければ、会計処理も簡単であり、税理士の品質によって納める税金に差が出ることは少ないでしょう。

知識の豊富な経理スタッフがいる法人・個人事業主

知識の豊富な経理スタッフがいる法人・個人事業主なら、決算のみを依頼するなどの工夫で、月額料金を節約でき、税理士報酬の削減につながります。知識の豊富な経理スタッフとは、たとえば「税理士事務所でクライアントの申告書まで作成した経験がある」など、税金の知識が豊富な人のことを指します。

格安税理士がおすすめできない法人・個人事業主

では、逆に、格安税理士との契約がおすすめできない法人・個人事業主について説明します。

税務調査で損をしたくない法人・個人事業主

税務調査対策は訪問サービスを受けることで可能となる傾向にあります。そのため、訪問サービスを受けられなければ、事前対策のアドバイスも受けられず、税務調査で損しやすくなります。たとえば、不良在庫にかかる仕入金額を経費に計上することを検討するとします。税務調査では本当に破棄したどうかが争点になりますが、事前対策により「きちんと廃棄処分をすべき」というアドバイスが受けられます。

積極的な節税のアドバイスを受けたい法人・個人事業主

格安税理士以外の税理士なら訪問サービスを実施する所は多いでしょう。そのため、積極的な節税のアドバイスを受けやすくなります。たとえば、法人の利益が予測より多額になる可能性が高くなった場合、決算賞与などの節税対策のアドバイスが受けられます。

事業拡大を見据える法人・個人事業主

事業拡大を見据える法人・個人事業主は格安税理士以外の税理士がおすすめです。取引量が多くなり、税務が複雑になる可能性が高くなります。そのため、格安税理士以外の税理士のほうが親身に対応してくれます。格安税理士は業務に投入する時間を短縮する傾向にあるのに対し、格安税理士以外の税理士は品質重視の傾向にあるためです。

経理スタッフの人件費を削減したい法人・個人事業主

知識の豊富な経理スタッフを雇用するのにはある程度の人件費(給料など)が必要になります。しかし、経理スタッフに支払う人件費を削減したい場合は、サービスが充実している格安税理士以外の税理士に依頼すべきでしょう。それでも、一般的には経理スタッフに支払う人件費よりも税理士報酬のほうが低くなる傾向にあります。

創業支援サービスにより格安税理士を上手に活用する

前述の通り、創業支援サービスの一環として税理士報酬を安く設定している税理士は多い傾向にあります。また、創業間もない法人・個人事業主にとっても、税理士報酬は削減したいでしょう。そこで、創業支援サービスにより格安税理士を上手に活用するポイントについて紹介します。

創業支援サービスは税理士にもメリットあり

税理士業も営利目的です。そのため、税理士報酬は利益の最大化を図る視点から料金設定をしています。具体的には、創業支援サービスによる低価格の料金設定は法人・個人事業主が創業後に事業が軌道に乗り、税理士報酬の支払い能力が増すまでの間の投資と考えています。

経営相談にも積極的に乗ってくれる可能性がある

格安税理士でも創業支援サービスの場合、経営相談に積極的に乗ってくれる可能性があります。前述の通り、低価格の料金設定は税理士報酬の支払い能力が増すまでの投資であるため、法人・個人事業主にはできるだけ早く軌道に乗ってほしいと考えているためです。そのため、節税対策はもちろん、労務関係などについても積極的に相談することをおすすめします。たとえ税理士自身がアドバイスできなくても、社会保険労務士など他の専門家を紹介するなどコーディネートしてくれる可能性があります。

料金重視で税理士をお探しの方へ

税理士に依頼するとき、料金重視にすべきかどうかは法人・個人事業主の状況によって決まってきます。創業間もない場合は創業支援サービスにより格安税理士を上手に活用することができます。一方、充実したサービスの提供を受けたい場合は、ある程度の税理士報酬を負担する必要があります。どちらの選択にしろ、自分の現状や将来像に見合った税理士を選ぶことが重要です。

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よくある質問

格安税理士を選ぶ際のポイントは何ですか?

格安税理士を選ぶ際には、サービスの内容や提供される範囲を確認することが重要です。また、訪問回数や対応の質、税理士の資格を持っているかどうかもチェックしてください。特に、料金が安すぎる場合は注意が必要です。

格安税理士に依頼するメリットは何ですか?

メリットとしては、税理士報酬が低いため、コスト削減が可能です。また、必要最低限のサービスだけを選択できるため、無駄な支出を抑えられる点も利点です。

格安税理士に依頼するデメリットは何ですか?

デメリットとしては、訪問サービスが受けられない可能性が高いことや、積極的な節税アドバイスが受けにくいことが挙げられます。また、自社での経理作業が増える可能性があるため、経理知識が求められます。

どのような法人・個人事業主に格安税理士が適していますか?

創業間もない法人や、取引量が少ない法人、知識の豊富な経理スタッフがいる法人には格安税理士が適しています。これらのケースでは、低料金で十分なサービスを受けることができます。

格安税理士のリスクを回避する方法はありますか?

税理士の資格を確認し、契約前にサービス内容を詳細に確認することがリスク回避のポイントです。また、実績や評判を調べることも大切です。信頼できる税理士を選ぶことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

この記事の執筆者
税理士紹介センタービスカス編集部
税理士紹介センタービスカスは、 株式会社ビスカスが運営する、日本初の「税理士紹介サービス」サイトです。 税理士をお探しの個人事業主や法人のお客様に対して、ご要望の税理士を無料でご紹介しています。
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