税務調査が差し迫ると、企業経営者の方々は不安や疑問に直面します。しかし、焦る必要はありません。税務調査を慌てず対処するためには、税理士の力を借りることがおすすめです。税務調査に不安を感じる方へ――税理士によるサポートを受ければ、調査官への対応も安心して行えます。この記事では、税務調査の基本的な流れや注意点、そして税理士に依頼するメリットについて、分かりやすく解説していきます。
目 次
そもそも税務調査とは?
税務調査は任意である
税務調査と聞くと、ドラマや映画の「マルサ」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。あれは、国税局査察部が行う強制調査です。多額の脱税が疑われる会社などに対して、その証拠固めのために行われるもので、その場で調査を拒むことはできません。
これに対して、多くの事業者が経験するのが、税務署の行う一般調査です。これは任意調査ですから、理論上は拒否することも可能なのです。ただ、税務署は税法に基づいた調査権限を持っていて、正当な理由のない調査拒否には罰則規定もあることを、頭に入れておいてください。
任意捜査
任意捜査とは、税務署の調査官が納税者の同意を得て行う一般的な税務調査です。事前に連絡があり、納税者は法的には拒否することも可能ですが、正当な理由なく拒否すると推計課税や重加算税のリスクがあります。調査では帳簿書類の確認や質問が行われ、申告漏れなどが発見された場合は修正申告や追加納税が必要となります。日常的な税務調査のほとんどがこの任意捜査に該当し、適切な記録管理と誠実な対応が重要です。
強制捜査
強制捜査とは、国税局査察部(通称「マルサ」)が悪質な脱税の疑いがある場合に、裁判所の令状に基づいて強制的に行う調査です。納税者の同意は不要で、通常は予告なく早朝に査察官が訪問し、関連書類やデータ、現金などの差し押さえが行われます。刑事事件としての調査であり、脱税が認められた場合は追徴課税だけでなく、刑事告発され懲役刑や罰金刑などの刑事罰が科される可能性があります。
税務調査は何のために行われる?
法人税や所得税などは、納税者が納税額を計算して申告する「申告納税制度」が適用されています。その申告が事実に基づき正しく行われたものかどうかを確認するのが、税務調査の目的です。もしこの仕組みがなければ、脱税が多発し、真面目な納税者がバカを見る状況が生まれるかもしれません。そうなれば、「税の公平性」は失われ、申告納税制度自体が維持できなくなってしまいます。
そのようなことにならないよう、税務署は必要に応じて調査を行い、脱税や税務上の誤りが発見された場合には追徴課税を行います。逆に言えば、正しい申告をしている限り、税務調査を恐れる必要はありません。
税務調査の流れや対応の基本
税務調査の流れは?
一般調査では、強制調査のように調査官が突然やってくるということは、基本的にありません。税理士に税務申告を依頼している場合には、税務署からまずその税理士に連絡が入るのが普通です。その流れを簡単に示しておきましょう。
調査の日程調整を行う
↓
税務調査
(通常2~3日、過去3期分くらいの帳簿などを調べる)
↓
税務署から「申告に誤りがある」などの指摘
↓
納得できる場合は修正申告→納税
納得できない場合は税務署と協議→税務署の更正→納税
更正とは、税務署が強制的に不足額を決定することです。これに納得がいかない場合には、その決定に異議を申し立てて、国税不服審判所(※)の裁決を仰ぎ、さらには訴訟を提起して争えます。
もちろん、税務調査の結果、当初の申告に問題はなかったという「申告是認」になることもあります。税務署との協議で、指摘された事項の一部だけを認めて修正申告することで決着する、といったこともありえるのです。
一方、足りなかった税金を支払う際には、自ら修正申告する場合でも更正でも、過少申告加算税や、悪質な税逃れの場合にかけられる重加算税などのペナルティが別途課せられることになります。本来の納付期限から遅れたぶんの延滞税も覚悟しなくてはなりません。
税務調査の通知が来たらすべきこと
税務調査の通知が来たら、調査に必要な書類や資料を準備します。
通常、税務調査では過去3年~5年分の申告が正しいかどうかを確認するため、過去3年~5年分の書類や資料を準備しなければなりません。準備する書類は、会社の業種や形態などによって異なりますが、一般的には次のような書類や資料が必要とされます。
過去の書類を倉庫などで保管しているという企業もありますが、税務調査で書類や資料の提示を求められたらすぐに出せるように、手元に用意しておきましょう。
税務調査に入られやすいケースとは?
税務調査を受ける事業者には、いくつかの特徴があります。調査に入られやすいケースを見てみましょう。
確定申告をしていない
個人事業主には、確定申告をしていない、すなわち“無申告”の人がいます。「そもそも申告していなければ、税務調査に入りようがないだろう」と思うかもしれませんが、それは早計です。意図的な無申告は「より悪質な事案」とみなされていますので、税務署側もITなども駆使して実態の把握に力を入れています。たまたま取引先の会社に税務調査が入り、その書類からあぶり出されるようなこともあります。
「去年も一昨年もお咎めなしだった」からといって、安心はできません。税務署は、無申告の事実をつかみながら、数年後にやってくることもあります。税務調査になった場合、無申告加算税のほかに延滞税が課せられます。税率は年14.6%(納期限の翌日から2月を経過した日以後)か延滞税特例基準割合+7.3%のいずれか低い割合(令和6年12月までは8.7%)で、無申告期間が長いほどペナルティの金額が膨らみます。
なお、報酬の受取に際して、取引先で源泉徴収(所得税の天引き)されている場合、税務署から払い過ぎた分の還付を受けることができます。確定申告しなければ、「払い過ぎ」のままです(住民税は別です)。
売上が急速に伸びた
売上が伸びた=事業規模が拡大したということは、それだけ取引先の数が増え、仕入額も経費も大きくなっているでしょう。領収書や請求書の枚数も増えます。新たに人を雇っているかもしれません。そのぶん、申告を間違える可能性は高まるし、「所得隠し」などを行う余地も大きくなる――。少なくとも、税務署はそのように考えます。
売上増は喜ばしいことですが、税務署の視線は厳しくなるということを自覚しておきましょう。
売上や経費の数字に不審な点がある
当然のことながら、税務署が申告内容に不審を感じれば、税務調査の可能性が高まります。無申告同様、「売上の一部を隠しても見つからないだろう」と考えるのは間違いです。同じ規模の同業と比べて売上が過少だったりすれば、「調べる必要がある」ということになるでしょう。取引先が税務署に支払調書を提出していれば、そこから売上高が捕捉されます。
申告の数字で特に問題になるのが、必要経費です。経費にできないものを計上して所得を圧縮してはいないか、税務署は目を光らせています。

- 記事監修者からのワンポイントアドバイス
- 個人事業主及び中小企業のオーナー経営者は、事業費用と私的費用の区別が不明確で、私的費用を過大に経費処理して追徴課税を受けてしまうことが多いです。事業費用の判断基準を明確にしておくべきです。
- 若槻公認会計士・税理士事務所
代表 若槻明
税務調査に税理士は必要?絶対に立ち会いを依頼するべき理由
税務調査の通知を受け取ったとき、「税理士に立ち会いを依頼すべきか」と迷う方は少なくありません。結論から言えば、税務調査には税理士の立ち会いが非常に有効です。税理士は納税者と税務署の間に立ち、専門的な視点から適切なサポートを提供します。
税務調査で税理士をつけるべき理由
調査官をいたずらに敵視する態度を取るのは、得策ではない。だからといって、過度に恐れたり、言いなりになったりする必要はありません――。経験のある税理士は、そう言います。
例えば、先ほど「異議申し立て」の説明をしましたが、それができるのは、税務署側に更正をさせた場合。自分から修正申告したら、税務調査はそれで終了です。税務署も、いろいろとエネルギーを使う更正は、できればしたくない。あの手この手で修正申告を促し、場合によっては、納税者が作成すべき修正申告書を作ってきて、押印を迫るようなことまであるそうです。繰り返しますが、そこで「この場は、とりあえず判を押しておこう」という行動を取ると、そこから先はもう争えなくなってしまうのです。
でも、そんな知識を持つ人が、どれほどいるでしょうか? 税のプロである税務署と裸で渡り合うのは、素人には荷が重い。相手のペースにはめられて、払わなくてもいい税金を取られることになるかもしれません。
税理士が行う具体的なサポート内容とともに税務調査で税理士をつけるべき理由を説明します。
税務調査前の書類チェックと準備サポート
税務調査が入るのは、前述の「税務調査に入られやすいケースとは?」で挙げた理由であることが多いとしても、何せ初めてのことですから、無申告以外はどのケースに引っかかったのか分かりづらかったり、対策をどうすればよいか悩んだりする経営者がほとんどでしょう。
税理士は調査前に帳簿や証憑書類を隈なくチェックし、税務調査に至った要因を絞り込みます。その後、指摘されやすい項目を出し、税法等法に則った対策を行います。また、調査当日の流れや注意点についてもアドバイスをしてくれます。
税務署とのやり取りの代行
税務調査はただでさえ緊張するものですが、税の専門家でない経営者だと税務調査官の質問の意図がつかめず時間がかかったり、不用意な回答であらぬ疑惑を生じさせたりする恐れがあります。
税理士は、税務調査官とのやり取りを代行できますので、経営者は要らぬストレスから解放されます。質問に的確に対応できるため、調査官の指摘を糺すこともできます。また、調査官にとってもスムーズに調査が進むのは有難いことでしょう。
追加納税や罰金を最小限に抑える
税理士は節税方法についてもアドバイスしてくれるので、もし追加納税や罰金の支払いが必要になっても、その額を抑えることができる可能性があります。
調査後のフォローアップと改善提案
残念ながら調査後に税務署から修正申告の指導が入ってしまった場合でも、税理士にその書類作成や申告を依頼できます。調査に対応した税理士ならもちろんスムーズに対応できますし、もし税務調査官の指導に不服があれば、納得がいくまで経営者に代わり税務署と折衝をしてくれます。
また、問題なしとされた場合でも、次年度以降調査を受けずに済むための改善ポイントのアドバイスを受けられます。
専門的な見解による反論と交渉力の発揮
税務調査では、税務署側の見解と納税者側の解釈が異なるケースがしばしば発生します。こうした場合、税理士は法令や通達、判例などを根拠に専門的な観点から反論し、納税者の正当な主張を代弁します。専門家としての交渉力は、不当な指摘や過剰な課税を防ぐ重要な盾となります。
税務署との良好な関係構築
税理士は日頃から税務署と接点を持ち、良好な関係を構築しています。この関係性が調査の雰囲気を和らげ、建設的な対話を促進することがあります。調査官との信頼関係がある税理士の存在は、税務調査の円滑な進行に大きく貢献します。
税務調査は税理士と乗り切ろう
もし税務調査になったら、やはり専門家の助けを借りるべきでしょう。顧問税理士がいるにもかかわらず、直接税務署員がやってきたりした場合には、「税理士さんが来るまで待ってください」という毅然とした態度で接するようにしましょう。
そもそも、うちには顧問税理士がいない。そんな場合には、税務調査にスポットで対応してくれる会計事務所があるので、そこに依頼するという方法があります。あえて言えば、顧問税理士はいるけれど、税務調査の経験があまりないというようなケースでも、調査だけそうした事務所に対応してもらうことが可能です。
税理士不在で税務調査を迎えるリスクとは?
税理士のいない状態で税務調査を受けた場合にどうなるか、考えてみましょう。
税務署の調査官は、「税の専門家」です。そして、時間とコストをかけて調査に入った以上、できるだけ多くの金額を追徴しようと考えています。一方、一般の人に税の知識は乏しいでしょう。武装した相手に素手で立ち向かうようなもので、勝負は見えています。税務調査は法的な手続きに則って行われますが、知識がなければ“目の前の調査が合法か違法なのか”さえ判断できないため、そもそも勝負にならない…というのが、より正確でしょう。
さきほど説明した仕事とプライベートの区別が難しい経費のように、税には「グレーゾーン」があります。これらを軒並み「黒」にされた結果、個人事業主であったとしても、払わずに済んだ税金を何十万円も取られることが実際にあるのです。
スポットで税務調査を税理士に依頼することも可能?
今まで税理士との顧問契約がなかった法人や個人事業主にとって、税務調査への対応はハードルが高いです。できれば、税務調査を税理士に依頼したいと考える法人や個人事業主も多いですが「税理士にスポットで税務調査の対応を依頼できるの?」「税務調査の対応を依頼した税理士と、その後顧問契約を結ばないといけないのか?」といったことが気になるのではないでしょうか。
結論からいうと、税務調査の対応をスポットで税理士に依頼することは可能です。
税理士には、スポットでの対応をする事案は多くあります。例えば、確定申告のみや相続税の申告のみを税理士に依頼できます。同じように、税務調査の対応のみを税理士に依頼するのも可能です。
ただし、税務調査だけ対応する税理士は追徴を下げた分に対して、成功報酬を取るケースが多いので留意しましょう。

- 記事監修者からのワンポイントアドバイス
- スポットで税理士に依頼するのは、調査対象に固有な事情に精通しているか、特別な専門知識や経験を有しており、税務署側に有利に対応できることが明らかな場合と考えるべきです。顧問税理士からの紹介で依頼する場合が主になります。
- 若槻公認会計士・税理士事務所
代表 若槻明
それでも、税務調査の経験が豊富な税理士にスポット対応を依頼すれば、これまでの経験と知識から、高水準の対応が期待できます。
ところで、一般的に税務調査をきっかけに顧問契約を結ぶことはよくあります。その場合、遡って税理士報酬が発生することは当然ありませんが、あとから多く摂られる可能性もあります。
税務調査のリスクを軽減するためにできる対策
ここでは、税務調査のリスクを軽減するためにできる対策について見ていきましょう。
税理士と顧問契約を結んでおく
税理士と顧問契約を結んでおくと、顧問税理士が調査に立ち会います。そのため、原則、税務署から顧問税理士のもとに、顧問先が税務調査の対象となった連絡が行きます。
税務調査となるとどうしても緊張しますが、税務調査の日程の調整などは顧問税理士を通して行えるので、精神的余裕が持てます。
もちろん、顧問税理士は自社のことをよく理解しているので、税務調査で適切な対応をしてもらえるメリットもあります。
書面添付制度を活用する
書面添付制度とは、申告書に顧問税理士が作成した「税理士法第33条の2に規定する添付書面」を付けて提出することで、税務署は税務調査前に、書面に記載された内容に対して税理士から意見陳述を受ける必要があるというものです。
この書面には、申告書を作成した根拠(資料や帳簿)や税理士の所見、今期大きな増減がある科目についての原因、顧問税理士が受けた税務相談の内容などについて記載されています。
意見陳述を聞いた結果、税務署が問題なしと判断した場合には、税務調査が省略される可能性があります。
必ず、税務調査が省略されるということではありませんが、税務調査前に税務署と税理士が話し合いをするので、会社の経営者は精神的な負担が軽減されます。
会計ソフトを活用した明瞭な記帳
税務調査対策の基本となるのが、会計ソフトを活用した明瞭な記帳です。
明瞭でない記帳と明瞭な記帳を比較すると、もちろん明瞭な記帳の方が信用度は高いです。明瞭な記帳をすることで、会社の経理に対して信頼感が増します。
会計ソフトによっては、正しい記帳や記帳の信用度を高めるために、修正箇所が分かるものや前に遡及して修正ができないものなどもあります。
税務調査でいらぬ詮索をされないためにも、会計ソフトを活用した明瞭な記帳をしましょう。
税務調査に立ち会いにかかる税理士費用は?
では、顧問契約をしている場合、税務調査の立ち合いにかかる税理士費用の目安はどれぐらいなのでしょうか。
税務調査にかかる費用は、税理士事務所ごとに異なります。基本、税務調査立ち会いにかかる税理士費用は、1日当たりの金額で計算する税理士事務所が多いです。目安としては、1日3万円から7万円程度です。現地で行われる税務調査は通常、2日間行われますが、場合によっては長くかかることもあります。
金額は依頼した法人や個人事業主の規模や帳簿の数・正確性(帳簿が不正確だと指摘される点が多く手間がかかる)などにより、税理士事務所ごとで異なります。
その他にも、事前の打ち合わせや税務調査後の税務署への対応、修正申告の作成などにより、税務調査にかかる費用は大きく異なります。例えば、次の2つのケースがあったとします。
- 記帳が正確で税務調査での指摘もなく修正申告がないケース
- 記帳が不正確で税務調査での指摘も多い場合は、税務調査後に何度も税務署に足を運んで指摘点の説明をし、その後に修正申告書の作成を行うケース
上記の2つのケースでは、明らかに2番のケースのほうが、税理士にかかる労力も大きくなるため、税務調査にかかる費用は高くなります。

- 記事監修者からのワンポイントアドバイス
- 税務調査は、応対の手間と追徴課税の負担が気になります。税務調査対応で重要な点は、調査側のねらいを理解し、担当者の立場を理解して対応できることです。経験と勘の効く税理士が有効で、税理士の経歴や実績をホームページ等で調べてみるのがお勧めです。
- 若槻公認会計士・税理士事務所
代表 若槻明
税務調査に強い税理士とは?
「税務署の言いなり」の税理士に要注意
まず気を付けなければならないのは、すべての税理士が税務調査の対応に長けているわけではない、という事実です。顧問税理士の切り替えを考える理由として、「税務調査のときに税務署の言いなりで、ぜんぜん力になってくれなかった」という不満がよく挙げられることでも、それは明らかです。
税務調査に強い税理士の特徴
税務署と向き合って、納税者の利益が損なわれないように戦うためには、税法などの知識はもちろん、それなりの経験が要ります。調査官の理解が薄い業界環境や商習慣などに精通している、といった“深さ”を併せ持っていれば理想的でしょう。要するに、税務署のやり方を熟知していて、彼らとの妥協点を見つける方法も知っている。そんな、本当の意味で「税務調査に強い税理士」に依頼したいものです。
例えば、次のような税理士に頼めば安心です。
税務調査対応の経験がある
まず重要なのは、税務調査対応の経験があるという点です。

- 記事監修者からのワンポイントアドバイス
- 税務調査は、税務署担当者の意図を先読みして対応できる税理士に依頼することがベストです。肩書より実績を依頼の判断基準として重視すべきです。
- 若槻公認会計士・税理士事務所
代表 若槻明
調査前に準備をしっかり行う
税務調査に入られれば、誰しも緊張するものです。「この領収書は何ですか?」と想定外の質問をされれば、動揺して調査官のペースにはめられてしまうかもしれません。税務調査に強い税理士は、事前に想定される質問などについてシミュレーションを行ってくれますから、安心して調査に臨むことができます。
税務署のやり方を熟知している
さきほども述べたように、税務署は調査で少しでも多くの成果(追徴課税)を得ようとします。そのために、できるだけ調査の幅を広げようとしたりするのですが、税務調査に強い税理士ならば、調査の「入り口」で訪問目的をしっかり聞いてくれます。そうすることで、目的以外の調査はできなくなるでしょう。このような税理士には、調査官も「しっかりしているから、申告に大きなミスなどはなさそうだ」という印象を持つはずです。このように、税務署から一目置かれる税理士を選ぶのがベストです。
当日、毅然とした態度で対応してくれる
今では少なくなりましたが、中には居丈高だったり横柄な態度を取ったりする調査官もいます。そのようなときに萎縮したり、反対に感情的になったりすれば、プラスになることはないでしょう。税務調査は犯罪の取り調べではありません。納税者に対して不当な対応をする調査官に対しては、毅然とものを言う税理士を選ぶようにしたいものです。
もちろん、新たに税理士を雇うことで、コストが発生します。その点は、さきほど述べたペナルティのリスクも含め、支払う税額をどれだけ下げられる可能性があるか、何よりも安心して税務調査に臨めるか、といったファクターとの比較検討ということになるでしょう。ただし、そうした話も、税務調査に知識と経験を持つ税理士を見つけることが大前提になります。
税務調査に強い税理士の探し方
最後に、このような特徴を持つ税務調査に強い税理士を見つける方法を解説します。
元国税局職員や税務署OBかどうかを確認する
税務調査の内部事情に詳しい元国税局職員や税務署OBの税理士は、調査官の思考パターンや調査手法を熟知しています。彼らは「敵を知る」という意味で大きなアドバンテージを持っています。ただし、単に元職員というだけでなく、実際の税務調査対応の実績も合わせて確認することが重要です。
税務調査対応の実績を直接質問する
税理士に相談する際は、これまでに対応した税務調査の件数や、特に自分の業種に関する調査経験について、遠慮せずに質問しましょう。「税務調査への対応実績はどれくらいありますか」「私の業種の税務調査に対応したことはありますか」といった質問は、税理士選びにおいて正当な確認事項です。
知人や同業者からの紹介を活用する
実際に税務調査を経験した知人や同業者からの紹介は非常に価値があります。特に「この税理士のおかげで追徴課税を大幅に減額できた」といった具体的な成果があれば、その実力は信頼できるでしょう。業界団体や経営者の交流会などで情報収集することも効果的です。
初回面談での対応をチェックする
税理士との初回面談では、あなたの事業や帳簿についての質問の鋭さや、想定される調査ポイントを的確に指摘できるかをチェックしましょう。また、税務調査への備え方について具体的なアドバイスをくれるかどうかも重要な判断材料です。質問に対する回答の明確さや、専門用語をわかりやすく説明する能力も確認しておきましょう。
税理士紹介サービスを利用する
税理士紹介センターのような専門サービスでは、税務調査対応に特化した税理士の情報を豊富に持っています。あなたの業種や状況に合わせて、税務調査に強い税理士を紹介してもらえれば、自分で探す手間や失敗するリスクを大幅に減らせます。紹介サービスでは税理士の得意分野や実績を把握しているため、的確なマッチングが期待できます。
税理士紹介センタービスカスでは、税務調査対応に精通した税理士を無料でご紹介しています。20万件以上の相談実績をもとに、お客様の状況に最適な税理士をマッチングいたします。税務調査の通知を受け取ったら、早めにご相談ください。
まとめ
税務調査には税務署による一般的な任意捜査と、国税局査察部(マルサ)による強制捜査があります。多くの事業者が経験するのは任意捜査であり、適正な申告をしていれば恐れる必要はありません。税務調査に対応する際は、専門知識を持つ税理士の立ち会いが効果的です。税理士は税務署とのやり取りを代行し、追加納税や罰金の最小化、調査後のフォローアップなど多岐にわたるサポートを提供します。
税務調査のリスクを軽減するためには、税理士との顧問契約、書面添付制度の活用、明瞭な記帳などが有効です。「税務調査に強い税理士」を選ぶことが重要で、税理士紹介センターでは、お客様の状況に最適な税理士を無料でご紹介しています。
税務調査に関するよくある質問(FAQ)
税務調査とは何ですか?
税務調査とは、納税者の申告内容が適正かどうかを税務署が確認するための調査です。任意調査と強制調査があり、一般的な事業者が経験するのは税務署による任意調査です。
税務調査の通知が来たらどうすればいいですか?
顧問税理士がいる場合は速やかに連絡し、いない場合は税務調査に強い税理士を探しましょう。同時に過去3〜5年分の帳簿や証憑書類を整理し準備します。
税務調査は拒否できますか?
任意調査は理論上拒否可能ですが、正当な理由なく拒否すると推計課税や重加算税のリスクがあります。強制調査は裁判所の令状に基づくため拒否できません。
税務調査に税理士は必要ですか?
法律上は必須ではありませんが、専門知識のない状態で対応するとリスクが高いです。税理士は納税者の権利を守り、不必要な追徴課税を防ぐことができます。
税務調査でよく指摘される項目は何ですか?
事業費用と私的費用の区別が不明確な経費計上、売上の計上漏れ、在庫の過少評価、減価償却の計算ミス、役員給与の取り扱い、交際費と会議費の区分などがよく指摘されます。
追徴課税になった場合はどうすればいいですか?
納得できれば修正申告を行い、追加税金とペナルティを納付します。納得できない場合は税務署と協議し、それでも解決しなければ国税不服審判所への審査請求も可能です。
スポットで税務調査の対応だけを依頼できますか?
はい、可能です。顧問契約がなくても税務調査のみの対応を依頼できます。ただし成功報酬制の場合が多いので、事前に費用を確認しましょう。
税務調査に立ち会う税理士の費用はいくらですか?
一般的に1日3万円〜7万円程度が目安です。企業規模、帳簿の状態、調査の複雑さによって変動し、事前準備や事後対応も別途費用が発生する場合があります。
税務調査で指摘を受けやすい業種はありますか?
現金取引が多い飲食業・小売業・美容業や、経費計上や資産評価が複雑な不動産業・建設業などが注目されやすいですが、どの業種も正確な記帳と適切な経費処理が重要です。
税務調査に備えて日頃から何をすべきですか?
正確な記帳と帳簿管理を行い、証憑書類は7年間保管しましょう。事業費用と私的費用を明確に区別し、定期的に税理士に相談して書面添付制度の活用も検討すべきです。
税務調査に強い税理士の特徴は何ですか?
税務調査対応の実績と経験が豊富で、元国税局職員や税務署OBであることも強みです。交渉力と説明力に優れ、業界特有の会計慣行に詳しい税理士が理想的です。