税理士業界のうち「女性税理士」の占める割合は?
女性税理士の割合は15%未満
実際、今どのくらいの女性税理士が活躍しているのでしょう? 日本税理士連合会の調査によると、2016年時点での女性税理士は10859人。男女比率にすると14.4%ですから、まだまだ多いとは言えないかもしれません。しかし年々、人数・比率とも増加しており、この傾向は今後も続くものとみられます。
女性が「税理士」としてのキャリアを選ぶメリットとは
日本税理士連合会が2014年に行った調査によると、全国にいる女性税理士の数は1万859人、税理士の女性比率は14.4%となっていて、けっして多い数字ではありません。
しかし、2016年の税理士試験合格者における女性の比率は約27%となっており、今後もその割合は伸びていくことが期待されます。
女性税理士を選択するにあたり、女性は「税理士という職業のどこに魅力を感じてこの道に入ってくるのか?」ということを知ることも、参考になるはずです。
税理士専門の求人サイトなどには、次のような「女性が税理士になるメリット」が挙げられています。
女性が税理士になるメリット
- 税理士試験は、“一発勝負”ではなく、1科目ごとに合格すればいい「科目合格制」なので、ライフスタイルに合わせて勉強、受験することができる。
- 税理士はデスクワークを中心とする専門職で、知識やスキルがものをいう実力主義の世界であるため、仕事のうえで男女間の有利・不利はほとんどない。仕事内容や待遇で差別されることもない。
- 女性ならではのきめ細やかさは、税務のほかコンサルティング業務などにも生かすことができる。
- 資格さえ持っていれば、出産や育児で一時的に職場を離れても、復職しやすい。
- 「女性に頼みたい」というニーズに応えて、仕事を増やすことができる。
- 国家資格なので、日本中どこでも働ける。例えば、夫の転勤先で開業することも可能である。
- 定年のない仕事なので、長く働くことができる。
税理士を目指すきっかけは人それぞれですが、ひとことで言えば、税理士は「やる気と能力があれば、ライフスタイルに合わせて働けて、女性らしさも生かせる職業」だということになります。
女性税理士に依頼するメリットとは?
あるベテランの女性税理士さんが、「私は、出産、育児、さらには夫の親の介護を経験しました。それが今の仕事に生きています」という話をされていました。女性税理士には、女性ならではの強みがあるとも言えますが、実際に依頼する際にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
顧問契約をする場合のメリット
相談がしやすい
税金のプロである税理士にも、さまざまなタイプの方がいます。
いかにも大ベテランの先生といったタイプの税理士に、「これは経費になるのでしょうか?」といった相談は気が引けてしまいがちです。
人当たりがソフトな女性税理士には、気軽に何でも聞きやすいというメリットがあります。また税理士側としても、依頼者がそういった相談をしてくれることで、要望に対して細やかな対応ができるという利点があります。
特に女性の経営者にとって、本音を語りやすい
「女性の気持ちがわかる」ということが信頼感につながることもあります。
自らも女性として専門職を選び、独立・開業した税理士からは、税金・お金のことだけでなく、色々なアドバイスを受けられるかもしれません。
「男社会で頑張る」という気概に満ちていて、能力も高い
女性税理士が増えたといっても、上記の図の通り、女性税理士はまだまだ珍しい存在です。そうした環境で仕事をしていこうという女性たちですから、その気概には期待できます。能力面も決して男性に引けを取りません。
ちなみに税理士試験の合格率では、例年女性が男性を上回っていますので、今後は女性税理士が更に増えることが予想されます。
会社の経理担当者と良好なコミュニケーションを築きやすい
少し大きな規模の会社になると、税理士と最も接触する機会が多いのは「社内の経理担当者」というケースもあるでしょう。経理担当が税理士と良好なコミュニケーションを築くことは、会社にとって大きなプラスになります。女性の経理担当者でも接しやすいのではないでしょうか。
相続を依頼する場合のメリット
女性の相続人にとって、やはり同性は話しやすい
相続には、財産状況のほか親族の人間関係をはじめ、プライベートな事情がさまざまに絡みます。特に女性の相続人は、そういったことを男性の税理士にあけすけに話しにくい場合もあるでしょう。
きめ細やかな対応をしてもらえる
デリケートな問題が生じやすい相続だからこそ、きめ細やかな対応がより重要になります。上記の「相談しやすさ」からくる柔軟な対応もメリットの一つと言えます。
話し合いをソフトにまとめる
1つ間違えば親族間で骨肉の争いになってしまうのが相続です。女性税理士が、場を和ませながら遺産分割の話し合いを進めることで、そうした事態を防ぐことができるかもしれません。
決算・確定申告を依頼する場合のメリット
決算や確定申告を女性税理士に依頼する場合も、メリットが多いです。
人当たりがソフトな女性税理士には、気軽に何でも聞きやすいというメリットがあります。これは、決算や確定申告を依頼する際にも同じことが言えます。決算や確定申告でわからないことがある場合も、女性税理士は気軽に何でも相談できる雰囲気のある人が多いです。
単発依頼でも柔軟に対応してくれるケースが多い
また、特に個人事業主の場合は、確定申告のみを税理士に依頼したいというケースもあります。女性税理士は、顧問契約ではなく決算・確定申告のみの依頼でも、柔軟に対応してもらえることが多いです。
女性税理士に依頼するデメリットはある?
メリットが多い女性税理士ですが、逆にデメリットはあるのでしょうか?
以下は想定できるデメリットです。
想定されるデメリット
なんとなく頼りなさを感じる
「きめ細やかさ」「話しやすさ」の裏返しとして、こうした印象を抱くことがあるかもしれません。ただ、そういった「頼りなさそうな税理士」であっても、実際に依頼してみたらしっかり対応してくれたというケースも多々あります。
「女性を下に見る」ような人に対しては、逆効果にも
上記の通りメリットとして「相続の話し合いを和ませる」と言いましたが、相続人の中に男尊女卑タイプの人がいた場合には、まともに話を聞いてもらえないこともあり得ます。
税理士と契約後にトラブルを起こさないためにも、契約前に「この税理士に依頼する」という旨を親族に伝えておく必要はあるでしょう。
継続してみてもらえない可能性もある
税理士が、出産や育児、介護、病気で仕事を一時的に離れる、というケースもあります。
税理士はそのような一時的なブランクから復帰しやすい職業ではありますが、顧問契約をしている方は、そのような場合どうするかも考えなくてはいけません。
ただ、男性税理士であっても、それは同じです。万一、税理士側の事情で顧問契約が継続できなくなった場合はどうするか、契約時に確認しておく必要はあります。
女性の税理士が少ないため依頼できる人が限られる
女性の税理士は、今後増えていくことが予想されます。しかし、現状では男性税理士よりも女性税理士の方が少ないです。
女性税理士に依頼したいと考えていても、会社や事務所の近くに女性税理士がいない、複数の女性税理士を比較検討し、より自社に合った女性税理士に依頼することができないといったデメリットがあります。
実際に会って、自分のニーズと一致するかを確かめよう
以上、女性税理士とひとくくりにして述べてきましたが、もちろん個人差はあります。男性でも、女性同様きめ細やかな仕事をする税理士さんもいるでしょう。
最終的には、実際に会ってみて、自分のニーズに叶うのかどうかを見極める必要があります。
女性税理士への依頼を検討中の方へ
年々、女性税理士の数は増えています。実際に女性税理士を希望する場合は、実績のある税理士紹介会社を通じて探すこともできます。
参考文献・URL
よくある質問
女性税理士を選ぶメリットは何ですか?
女性税理士のメリットには、相談のしやすさ、特に女性経営者にとって本音を語りやすいこと、きめ細やかな対応が期待できることなどがあります。また、税務や経理の担当者と良好なコミュニケーションを築きやすい点も挙げられます。
女性税理士を選ぶデメリットはありますか?
デメリットとしては、頼りなさを感じる場合があることや、相続人に男尊女卑の傾向がある場合に話が進みにくいことがあります。また、出産や育児で仕事を一時的に離れる可能性も考慮する必要があります。
女性税理士の割合はどのくらいですか?
2016年の調査では、女性税理士の割合は14.4%でした。年々増加しており、今後もこの傾向は続くと予想されています。
女性税理士に依頼する際のポイントは何ですか?
女性税理士に依頼する際は、自分のニーズと合うかどうかを確かめるために、実際に会ってみることが重要です。また、紹介サービスを利用して信頼できる税理士を見つけるのも良い方法です。
女性税理士が選ばれる理由は何ですか?
女性税理士が選ばれる理由には、柔軟な働き方ができること、デスクワーク中心で男女差が少ないこと、女性ならではのきめ細やかな対応が求められることなどがあります。また、国家資格であるため、全国どこでも働ける点も魅力です。