起業にも事業継続にも必要な資金調達・融資
税理士にサポートを依頼するメリットと選び方

起業にも事業継続にも必要な資金調達・融資  税理士にサポートを依頼するメリットと選び方
最終更新日:
2022/04/14
 
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新たに起業する際にも、事業を維持・発展させるためにも、お金が必要です。「資金繰りがピンチ」などというときには、資金調達のスピードも欠かせません。そういう事業の“お金まわり”についても、マネーのプロである税理士にサポートを頼むことができます。そのメリットや、より良い税理士の選び方を中心に解説します。

まず知っておきたい資金調達の方法

資金調達とひとくちに言っても、いくつかの方法があります。
初めに、主な資金調達の方法とその特徴を簡単に押さえておきましょう。

民間金融機関から融資を受ける

銀行などの民間金融機関は当然のことながら営利を目的としており、融資に際しては「貸し倒れ」などが発生しないよう厳格な審査が行われるため、ハードルが高めです。起業資金を調達したり、創業間もない企業が融資を受けたりするのは、信用力の面から難しいと考えても良いでしょう。

審査で重視されるのは、企業の決算書から見えてくる財務状況や事業計画の中身、土地などの担保です。業績が悪化していて返済能力に疑問符が付くような場合には、やはり融資は難しくなります。半面、事業が安定して信用力がつけば、低金利でまとまった資金を調達することが可能になるでしょう。見方を変えれば、銀行から融資してもらえるような信用力を意識した経営が大事になるわけです。

日本政策金融公庫から融資を受ける

日本政策金融公庫(日本公庫)は、100%政府系の金融機関です。「新たな事業の創出、事業再生などをサポートし経済成長・発展に貢献する」「民間金融機関と連携し地域活性化に貢献する」といった公の目的のもとに運営されているため、創業間もない企業や中小零細企業でも比較的融資が受けやすくなっています。

中でも起業時の助けになるのが「新創業融資制度」で、無担保・無保証のうえ融資限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)となっています。とはいえ、もちろん無条件で融資を受けられるわけではありません。例えば、適切な数値目標と、それを実現するための具体的な方策などを記入した「事業計画書」を作成したうえで、会社の将来性について融資担当者が納得のいく説明をすることが必須の条件になっているのです。

国や自治体などの助成金、補助金の給付を受ける

公的な助成金や補助金は、融資と違って原則として「返す必要のないお金」です。要件を満たす場合には積極的に活用すべきでしょう。ただし、基本的に「使ったお金の後払い」になりますので、通常の運転資金などとしての活用は期待できません。

「補助金」は、国や地方自治体の政策目的のために予算を組んで交付するものなので、申請したら必ず受けられるというものではありません。使用用途も限定されています。
これに対して「助成金」は、審査がなく要件を満たせば受けられます。ただし、申請書類や添付書類などに問題があれば、不支給になることもあります。

出資を募る

資金を借りるのではなく、「投資家や投資ファンドなどから出資を受ける」という資金調達の方法もあります。借金をせずに大きな資金を集めることができますが、投資家が将来性に魅力を感じる事業である、ということが条件になります。

資金調達を税理士に依頼する6つのメリット

資金調達は“早く確実に”成功させなくてはなりません。そのためには、やはり押さえるべきポイントがあります。
税理士と聞くと税務の専門家のイメージですが、近年は特に起業や経営支援の一環として、資金調達のアドバイスに力を入れていることも少なくありません。活用を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

【メリット1】資金調達方法を選択してもらえる

説明したように、資金調達には色々な方法があります。同じ金融機関でも、都市銀行・地方銀行・信用金庫・信用組合などがあり、融資対象も異なるのです。資金調達に詳しい税理士ならば、会社のステージ(創業間もないのか、ある程度実績があるのか)・規模・業種・業績・資金調達の目的などを基に、最適の調達先をチョイスしてくれるはずです。

【メリット2】書類作成の不備が防げる

融資を受けるにせよ、補助金や助成金を申請するにせよ、記入する書類や添付書類に不備があると、仮に要件を満たしたとしても二度手間になってしまいます。第三者にきちんとチェックしてもらうことにより、スムーズな資金調達が可能になるでしょう。書類作成の時間短縮=融資実行までのスピードアップが実現できる、というメリットもあります。

【メリット3】金融機関などが納得する書類作成をサポートしてくれる

融資の際には、申込書の他に「事業計画書」「経営改善計画書」などの提出が求められます。具体的な数字を記入する必要があるわけですが、主観的な予測を並べただけでOKが出るほど甘い世界ではなく、金融機関の納得できる根拠を持った計画書にしなくてはなりません。事業の展望などについて、どのように記述するのかも大事になります。

資金調達に詳しい税理士は、金融機関が計画書などの書類のどこに注目するのか・どう書けば納得が得られやすいのかについても、ノウハウがあります。そうしたノウハウを生かしたサポートは、大きなアドバンテージになるでしょう。

【メリット4】金融機関の担当者との面談も安心

融資の際には、担当者との面談が行われます。書類審査に通ったつもりで臨むと、予期せぬ質問攻めに遭って失敗するかもしれません。税理士に依頼すれば、決算書の中身などに即して、予想される質問や、どう回答したらいいのかについてのアドバイスがもらえます。

また、場合によっては交渉に同席して、説明のサポートをしてもらうこともできます。融資を確実に成功させるだけでなく、金利面などで不利な条件を飲まされるようなリスクを軽減することが可能になるでしょう。

【メリット5】無駄な申し込みをしなくて済む

融資は、「数打てば当たる」というものではありません。逆に一度断られてしまうと、その金融機関では一定期間、再度の申し込みができなくなってしまいます。そのため、確実に審査を通過させることが重要なのです。

経験を持つ税理士ならば、「難しい」と思える融資はあえて避けて、確実にOKがもらえる申し込みを優先するよう、アドバイスしてくれるはずです。返済の実績を重ねることで、より有利な融資制度の利用も可能になります。

【メリット6】金融機関との交渉で有利に

資金調達に事績のある税理士は、金融機関の融資担当者からも信頼されていることが多いです。「この先生がサポートしているなら」という形で、融資に向けた交渉が有利に行える可能性があるでしょう。

資金調達で頼りになる税理士の選び方

税理士への依頼はデメリットもある

資金調達の際に税理士に依頼するメリットを説明してきましたが、デメリットもあります。
1つは、自分一人で申し込むのと違い、税理士に対する報酬というコストが発生することです。
そしてもう一つ注意しなくてはならないのが、すべての税理士が「資金調達のプロ」というわけではない、という点です。中には、税務しかやらなかったり、あるいは例えば相続税の専門家で会社の財務には詳しくなかったり、といったこともあるのです。融資に詳しくない税理士に依頼すると、意に反して失敗する可能性があります。

税理士紹介会社などを活用する

資金調達で力になってくれる税理士を探すには、ネット検索や信頼できる同業者などに紹介してもらう、といった方法があります。実績のある税理士紹介会社に依頼するというのも、方法の一つです。スピーディーかつ効率的に、頼りになる税理士を見つけることができるでしょう。

まとめ

事業に不可欠な資金調達を確実に成功させるためには、専門家である税理士に依頼するのがいいでしょう。ポイントになる書類の作成や金融機関との交渉などにおいて、的確なアドバイスがもらえるはずです。

この記事の執筆者
税理士紹介センタービスカス編集部
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