今、コミックやアニメなどで大人気なのが『鬼滅の刃』です。鬼滅の刃は幅広い層に人気があり、コミックにとどまらず、グッズや衣装など多くの業界に経済効果を及ぼしています。
そこで気になるのが、鬼滅の刃に関連する株の価格は上昇しているのかということです。ここでは、鬼滅の刃に関連する株価の動きなどをご紹介します。
鬼滅の刃とは?関連ビジネスを展開する企業は多い
『鬼滅の刃』とは『週刊少年ジャンプ』の中で2016年から2020年にかけて連載されていた漫画です。コミックシリーズ累計発行部数は単行本21巻の発売時点で8000万部を突破、2019年にはテレビアニメ化もされた大ヒット作品となっています。
最近の手法として、人気のある漫画作品はメディアミックスの戦略を採っています。メディアミックスとは、複数のメディアなどを組み合わせることにより相乗効果を高める手法のことです。鬼滅の刃もこの手法をとっており、漫画だけでなくアニメ、ゲーム、イベント、グッズなど幅広くビジネスを展開しています。
そのため、関連する企業が多く、鬼滅の刃の人気が高まれば高まるほど、これら関連企業に与える影響が強くなります。
鬼滅の刃の関連銘柄における株価の動き
鬼滅の刃には関連する企業が多くあり、人気の高まりにつれて、大きな影響を与えています。鬼滅の刃の関連企業における業績が好調であれば、それは関連企業の株価にも影響を与えます。では、実際に鬼滅の刃の関連銘柄の株価の動きはどうなっているのか見ていきましょう。
鬼滅の刃の主な関連銘柄
まず、鬼滅の刃の主な関連銘柄について見ていきましょう。主な関連銘柄には次のようなものがあります。
①エディア
エディアは、モバイルゲームや電子コミック・書籍を展開している企業です。子会社の一二三書房社では、鬼滅の刃の缶バッジやスラップなどのグッズを取り扱っています。
②ソニー
ソニーはグループ会社全体で鬼滅の刃に関わっています。ソニーマーケティングでは、鬼滅の刃とコラボレーションしたウォークマンやヘッドホンを販売。アニプレックスはアニメ『鬼滅の刃』を制作し、ソニーPCLは、TVシリーズから劇場版まで全作品の編集を手がけています。また、アニメの主題歌を歌うLiSAが所属するアニメソング専用レーベルを展開するなど、鬼滅の刃をきっかけにアニメをエンタメの柱にしようと考えています。
③バンダイナムコホールディングス
キャラクタービジネスの先駆けであるバンダイナムコホールディングスも、もちろん鬼滅の刃の商品も手広く手がけています。「プレミアムバンダイ」では、鬼滅の刃のキャラクター商品を製造・販売し、「バンダイ キャンディ事業部」では、カードウエハースをはじめとする多くの鬼滅の刃の菓子を製造・販売しています。
「鬼滅の刃」関連銘柄の最近の株価の動き
つぎに、上記で紹介した鬼滅の刃関連銘柄の最近の株価の動きについて見ていきましょう。
①エディア
2019年12月、エディアは子会社の一二三書房社がコミックマーケットで鬼滅の刃のグッズを先行販売することを発表しました。すると、エディアの株価は急上昇し、12月初旬の時点では664円だった株価が、12月19日には一時968円となりました。
最近では、500円前後に株価は落ち着きましたが、鬼滅の刃関連の新たな商品の発売などが発表されると、再び上昇する可能性もあります。
②ソニー
ソニー株式会社は事業領域が多岐に渡るため、現在、鬼滅の刃が与える影響は必ずしも大きいとは言えません。しかし、5月19日に開かれた20年度の経営方針説明会で、鬼滅の刃を筆頭にアニメを第4の柱に育てる方針を宣言しました。今後、アニメ関連事業はソニーの事業に影響力を及ぼすようになるでしょう。
なお、現在の株価については、順調に上昇傾向にあります。2019年1月初旬の時点では5,182円だった株価が、2020年7月末では8,076円まで上昇しています。今後、ソニーの業績に占めるアニメの割合が大きくなっていけば、鬼滅の刃の影響も大きくなっていくことが予想されます。
③バンダイナムコホールディングス
バンダイナムコホールディングスも、ソニーと同じように事業がさまざまな分野に渡り、時価総額も高いため、現在、鬼滅の刃が与える影響は必ずしも大きいとは言えません。
しかし、2019年6月には集英社とバンダイナムコホールディングスが共同出資で、中国で新会社を設立することに合意したと発表。その後、上海に「SHUEISHA BANDAI NAMCO (SHANGHAI) CO.,LTD.」が設立されました。今後、鬼滅の刃を中心とした集英社のキャラクタービジネスがワールドワイドに展開していくことが予想されます。
現在の株価については、順調に上昇傾向にあります。
2019年1月初旬の時点では4,845円だった株価が、2020年7月末では5,821円となっています。
「鬼滅の刃」関連銘柄で利益を挙げた場合の税金
今後、日本だけでなく、世界で鬼滅の刃の人気がますます高まることが予想されます。それにつれて、関連会社の業績が良くなれば、関連銘柄の株価も上昇するでしょう。
関連銘柄の株価が上昇すれば、その株式を所有する人にとってうれしいことですが、気になるのが、株を売却して利益が出た場合の税金のことです。
個人が株を売却した利益には税金がかかりますが、その税額はサラリーマンの給与や個人事業主の事業にかかる税金とは異なる方法で計算します。それは、株の売買による所得が「譲渡所得」になるからです。
譲渡所得とは、さまざまな資産を譲渡(売却)したことに対する所得のことですが、譲渡した資産の種類によって、所得金額や税金の計算方法が異なります。株を売却による譲渡所得の金額は、次の計算式で求めます。
譲渡所得金額に税率を乗じて納める税金の金額を求めますが、株式の売却による譲渡所得の税率は、他の所得とは異なります。譲渡所得の税率は20.315%(所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%)です。譲渡所得金額にこの税率を乗じて、納める税額を計算します。
では、税額の計算を具体例で見ていきましょう。
所有している株を200万円で売却した。売却した株の購入金額は150万円、委託手数料は10万円だった。他の費用はかからなかったものとする。
株の売却による税額=譲渡所得金額40万円×20.315%=81,260円
株を売却した場合の税金は、証券会社などで源泉徴収ありの特定口座を開いている場合は、あらかじめ入金額から税金が差し引かれています。そのため、確定申告で改めて税金を納付する必要はありません。
特定口座を利用していない場合や、利用していても「源泉徴収なし」になっている場合は、入金額から税金は差し引かれていません。その場合は、確定申告を行い、税金を納める必要があります。税率が20.315%と大きいため、納税資金の用意など資金繰りに気を付けましょう。
まとめ
鬼滅の刃は、週刊少年ジャンプでの連載は終わりましたが、コミックはこれからも販売されます。また、劇場版の公開が10月に予定されていたり、アニメの新シリーズの公開がうわさされたりと、今後も鬼滅の刃人気は拡大されていくことが予想されます。
鬼滅の刃関連の銘柄は多くあります。いつ、株価が上昇してもおかしくない状況ですので、これからも鬼滅の刃のメディアミックスの展開や、関連銘柄の株価を注視する必要があるでしょう。
また、株を売却して利益が出た場合の税金にも気を付けるようにしましょう。
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