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最近話題のLINE Payを利用した納税について

神奈川県が2019年からLINE Payを利用した納税に対応すると発表して話題になったのもつかの間、大阪市は2018年の12月14日からLINE Payを利用した納税に対応すると発表したことが大きな話題となっています。LINE Payを利用して納税することによるメリット・デメリットについて解説します。

LINE Payで税金が払えるようになったって本当?

LINE Payのシステムをおさらいしましょう

LINE Payとは、様々な方法でチャージした金額を使い、様々な決済方法を利用して支払いをすることができるサービスです。日常の買い物はもちろん、LINEを利用している友人同士で送金を行うこともできますので、割り勘のときなどに便利に利用している人も多いのではないでしょうか。

最初に、LINE Payへのチャージ方法と、利用できる決済方法をおさらいしてみましょう。

<チャージ方法>
・銀行口座(上限1日10万円)

登録した銀行口座からLINE Payに直接チャージする方法です。

・セブン銀行ATM(上限1日50万円)

セブン銀行のATMに表示されるコードを読み込むことで、現金を入金する方法です。

・ファミリーマート(Famiポート)(上限1日29.9万円)

ファミリーマートに設置されているFamiポートからチャージする方法です。

・QRコード・バーコードチャージ(上限1日4.9万円)

対応店舗のレジにて、スマートフォンに表示されるQRコード・バーコードを提示し、現金を渡してチャージする方法です。

・LINE Payカードでのレジチャージ(上限1日4.9万円)

対応店舗のレジにて、LINE Payカードと現金を渡してチャージする方法です。

<決済方法>
・LINE Payカード

LINE Payカードというカードを発行してもらう方法です。JCBのクレジットカード加盟店で利用できます。VISAデビットカードのJCB版といったイメージです。

・コード決済

スマートフォンに表示されたコード画面を、加盟店のレジにて読み取ってもらい支払をする方法です。

・オンライン決済

インターネットショッピングなどで、支払方法をLINE Payと指定して決済する方法です。

・請求書支払い

公共料金や通信販売などの請求書上に印刷されたバーコードを、スマートフォンで読み込むことで支払をする方法です。今回LINE Payを導入した神奈川県、大阪市では、この請求書支払いに対応しています。

LINE Payで支払えるようになった税金は?

LINE Payにチャージした金額は、LINE Payカードを利用することでクレジットカード(JCB)と同じように利用することができます。国税の多くはクレジットカードで納税することが可能ですので、法人税や所得税を含む多くの国税でLINE Payを利用した納税を行うことができます。

 

また、今回話題になっている神奈川県や大阪市などの地方自治体は、LINE Payの「請求書支払い」に対応しています。したがって、納税額が少額であればLINE Payに既にチャージしてある金額で納税できますから、大変便利です。

 

具体的には以下のような税金をLINE Payで支払うことができるようになります。これらの地方自治体でLINE Payによる納税が定着すれば、他の地方自治体もLINE Payでの納税に対応することが期待されます。

<神奈川県>2019年1月から

自動車税
個人事業税
不動産取得税

<大阪市>2018年12月14日から

個人市・府民税(普通徴収)
個人市・府民税(特別徴収)
固定資産税・都市計画税(土地・家屋)
固定資産税(償却資産)
軽自動車税
法人市民税
事業所税
市たばこ税
入湯税

LINE Payでの納税のメリット・デメリット

LINE Payでの納税のメリット

LINE Payカードを利用した場合には、利用額の2%が残高にキャッシュバックされます。したがって、税金をLINE Payカードで納税する場合、税金が2%減税されるのと同様の効果を得ることができます。

 

しかし、国税をクレジットカードで支払う場合には10,000円ごとに82円の手数料が必要です。この事実を捉えて、「国税をクレジットカードで支払う場合には0.82%の手数料が必要だ」と解説しているウェブサイトがあるようですが、事実は少し異なります。

 

なぜなら、例えば10,001円を納税する場合には164円の手数料が必要ですので、約1.64%の手数料が必要となるからです。したがって、納税金額にもよりますが、キャッシュバックを目的としてLINE Payカードで納税するのは効率的とは言えないでしょう。

 

また、今回話題となっている地方税をLINE Payの請求書支払いで納税する場合の方法には、バーコードを読み込むだけで自宅に居ながらにして納税が完了するメリットがあります。

 

現在でもインターネットバンキングなどを利用して地方税を納税することができるサービスがありますが、LINE Payの請求書支払いは十分なチャージ残高さえあればバーコードを読み込むだけで納税が完了しますからので、これまでより簡単に納税することが可能です。

 

日常的にLINE Payを利用している人にとっては便利な納税方法となるでしょう。

LINE Payでの納税のデメリット

日常的にLINE Payを利用していない人にとって、わざわざLINE Payのアカウントを作成して納税する必要性は高くないあまりないでしょう。

 

また、日常的にLINE Payを利用している人であっても、多額の納税をする場合には便利な納税方法だとは言えません。なぜなら、1日にチャージできる金額には上限があるため、何日にもわたってチャージの作業を行わなければならないからです。

 

そのような手間をかけるより、従来のように銀行やコンビニにて現金で納税したり、ATMなどを利用した納税方法の方が簡便です。

 

あくまでLINE Payでの納税は、日常的にLINE Payを利用している人が少額の納税を行う場合に利用するのが良さそうです。

自分にとって一番便利な納税方法を選択しよう

税金の納税方法を再確認

以前は納付書とともに現金を金融機関に持ち込む「窓口納付」という方法が一般的な納税方法でした。現在では他にも様々な納税方法が準備されているのですが、ついついこれまでと同様に金融機関に足を運んでいる人も多いのではないでしょうか。

 

ここでは、現在利用できる窓口納付以外の国税の納税方法をご紹介しますので、どの方法が自分に合っているのか、この機会に検討してみるといいでしょう。ただし、窓口納付以外の方法で納税した場合には、領収証書が発行されません。必要に応じて納税を終えた際の画面を印刷しておくといいでしょう。

 

また、2020年から「e-Taxにより電子申告しない場合」かつ「帳簿を電子保存しない場合」には、青色申告特別控除が10万円に減額されてしまいます。e-Taxは便利な申告方法でもありますから、この機会にe-Taxとダイレクト納付の利用を試してみることを強くお勧めします。

・ダイレクト納付

e-Taxにより税金の申告をする際、同時に預貯金口座から税金を振り替える手続きを行う方法です。

・インターネットバンキング等

ダイレクト納付と似ている方法ですが、e-Taxにより税金の申告を行うときとは異なるタイミングで税金を支払う手続きを行う方法です。「インターネットバンキング等」という名称ですが、ATM等で納税することも可能です。

・クレジットカード納付

クレジットカードで納税する方法です。クレジットカードのポイントが貯まるメリットがありますが、既にお知らせしたように決済手数料がかかってしまうデメリットもあります。

・コンビニ納付

税務署から発行されたQRコードやバーコードをコンビニのレジに提示し、現金にて納税する方法です。近隣に金融機関や税務署がない人に便利な方法ですが、30万円を超える納税を行う場合には利用できません。

・振替納税

預貯金口座からの振替により納税する方法です。個人の所得税と、個人事業者の消費税に利用できる方法です。毎年継続的に納税をする必要がある人向けの納税方法ですので、一般的には個人事業者向けの納税方法と言えるでしょう。

 

税目ごとに手続きが必要なことに注意しなければいけませんが、一度手続きを行うと次回以降の納付も自動的に預貯金口座から振り替えられますので、個人事業を継続的に営んでいる人には便利な納税方法です。

 

ただし、期限後申告となってしまった場合には利用できませんので、くれぐれも期限内の申告を心がけましょう。

まとめ

今回のLINE Pay導入をはじめとして、税金の申告・納税方法はどんどん便利になっています。国税はe-Taxとダイレクト納付を組み合わせればパソコンの前から移動することなく申告・納税が完了しますし、地方税も多くの自治体がインターネットバンキングに対応しています。

 

昔ながらの窓口納付を続けている人は、この機会に一度他の納付方法を試してみると良いでしょう。

千葉勇人
早稲田大学商学部に在学しながら会計事務所に勤務、その後経営学修士を取得し、記帳代行業・海事代理士業を営む。
自分自身が個人事業主・同族企業の会社役員として法人税・所得税・消費税・相続税を「自分ごと」として日々取り扱っている経験をいかし、皆様にとって有意義な情報をご提供します。
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