千葉市の税金が免除!法人の社長にも使える 特例制度について解説 | MONEYIZM
 

千葉市の税金が免除!法人の社長にも使える
特例制度について解説

千葉市には税金が免除される特例制度が存在します。状況によっては法人の社長でも利用できます。しかし、自ら「税金を免除したい」という意思表示をしない限り、特例制度は利用できないため、自分で免除の対象か確認する必要があります。そこで、千葉市の税金が免除される特例制度について解説します。

千葉市の税金免除のアウトライン

千葉市の税金が免除される制度のアウトラインについて説明します。

税金が免除される主なケース

税金が免除される主なケースは次の通りになります。

(1)災害を受けた場合(2019年度の税金の免除は2019年1月1日以降の災害にかかるもの)

災害により「本人の心身に害を受けた場合」や「住宅や家財に被害を受けた場合」には税金が免除されます。

(2)生活困窮等の場合

「生活保護を受給している」や「前年よりも所得が激減した」などの生活困窮等の場合にも税金が免除されます。

(3)公益上の理由

町内会で使用するなどの公益上の理由に該当する場合も税金が免除されます。

免除される税金の種類

免除される税目は次の通りになります。

 

  • 個人市民税の所得割額と均等割額
  • 保有している資産に課税する固定資産税・償却資産税・都市計画税
  • 軽自動車税
  • 法人市民税の均等割額

減免の手続き方法

減免申請書と必要書類を申請期限までに申請することが税金の免除を受ける条件になります。申請期限は税目ごとの納期限であり、2019年度の場合は次の通りになります。

 

  • 個人市民税…1期:7月1日、2期:9月2日、3期:10月31日、4期:1月31日
  • 固定資産税・償却資産税・都市計画税…1期:5月7日、2期:7月末日、3期:12月25日、4期:3月2日
  • 軽自動車税…5月31日
  • 法人市民税…法人ごとの納期限(通常は決算日から2ヵ月後)

もしも税金免除の対象者と思ったら?

災害を受けた場合はもちろん、収入が減った場合などは所得の激減による生活困窮に該当する可能性があります。そのため、「もしかしたら税金が免除されるかもしれない」と思ったら、対象者になるかどうかについて確認してみましょう。

個人市民税の税金免除の制度

個人市民税は個人事業主だけでなく、役員報酬(=給与所得)の支給を受ける法人経営者にも関係があります。それでは、この税金の免除制度について見ていきましょう。

税金免除の対象者

税金が免除される対象者は次の2つに大別できます。

(1)災害を受けた場合

災害により税金が免除される対象者は次の通りになります。

 

  • 本人が死亡した場合
  • 本人が障害者になった場合
  • 所有する住宅や家財の損害金額が被災前の価格の10分の3以上になった場合
(2)生活困窮等の場合

生活困窮等の範囲は次の通りになります。

 

  • 生活保護を受けることとなった場合
  • 生活困窮のために児童扶養手当などの公私の扶助を受ける場合
  • 所得が前年と比べて半分以下になった場合
  • 勤労学生(勤労学生控除の対象者:前年の合計所得金額が65万円以下および自己の勤労に基づかない所得金額が10万円以下の学生と生徒)

税金が免除される金額

税金の免除額は次の通りになります。

(1)災害を受けた場合

①本人の心身に害を受けた場合

対象者 免除額 備考
本人が死亡した場合 (均等割額+所得割額)×100% 均等割額:一律3,500円
所得割額:所得金額×10%
本人が障害者になった場合 (均等割額+所得割額)×90%

②住宅や家財に被害を受けた場合

対象者

前年の合計所得金額 免除額
損害金額が被災前の価格の半分以上 500万円以下 所得割額×100%
750万円以下 所得割額×50%
1,000万円以下 所得割額×25%
損害金額が被災前の価格の10分の3以上 500万円以下 所得割額×50%
750万円以下 所得割額×25%
1,000万円以下 所得割額×12.5%
(2)生活困窮等の場合
  • ①生活保護を受けることとなった場合:(均等割額+所得割額)×100%
  • ②生活困窮のため公私の扶助を受ける場合:収入等の状況に応じ、必要と認められる額
  • ③所得が前年と比べて半分以下になった場合
本人の前年の合計所得金額 免除額
150万円以下 所得割額×100%
200万円以下 所得割額×50%
300万円以下 所得割額×30%

④勤労学生:(均等割額+所得割額)×100%

税金免除の必要書類

税金の免除に減免申請書とともに提出する必要書類は次の通りになります。

(1)災害を受けた場合
  • り災証明書(写しでも可)
  • 本人が障害者になった場合は障害者手帳(写しでも可)
  • 住宅や家財に被害を受けた場合は「修理・買替費用の領収書等」および「保険金、損害賠償金等の補てん金額が分かる書類」
(2) 生活困窮等の場合
  • 生活保護を受けることとなった場合:生活保護受給証明書
  • 生活困窮のため公私の扶助を受ける場合:扶助の内容が確認できる書類、収入と資産が確認できる書類など
  • 所得が前年と比べて半分以下になった場合:源泉徴収票、給与明細、収支内訳書など
  • 勤労学生:学生証又は在学証明書など

その他の免除される税金

個人市民税のほかに免除される税金について説明します。

固定資産税・償却資産税

固定資産税(償却資産税)の免除されるケースと免除額は次の通りになります。

(1)土地

免除額は被害面積の割合に応じて計算します。

被害面積の割合 免除額
10分の8以上 被害資産にかかる固定資産税×100%
10分の6以上 被害資産にかかる固定資産税×80%
10分の4以上 被害資産にかかる固定資産税×60%
10分の2以上 被害資産にかかる固定資産税×40%
(2)家屋・償却資産

災害の種類と被害程度によって免除額を計算します。

①火災以外の場合

被害程度 免除額
全壊又は復旧不能のとき 被害資産にかかる固定資産税×100%
家屋の価値が被災前の家屋の価格に対して10分の6以上減少 被害資産にかかる固定資産税×80%
家屋の価値が被災前の家屋の価格に対して10分の4以上減少 被害資産にかかる固定資産税×60%
家屋の価値が被災前の家屋の価格に対して10分の2以上減少 被害資産にかかる固定資産税×40%
床上浸水の場合 被害資産にかかる固定資産税×総床面積に占める被害床面積の割合×40%

②火災の場合

被害程度 免除額
全焼の場合 被害資産にかかる固定資産税×100%
半焼の場合 被害資産にかかる固定資産税×50%

 

なお、土地の被害面積の割合や家屋・償却資産の被害程度は実地調査をして確認することになっています。

軽自動車税

次のケースに該当すると、原則「軽自動車税×100%」が免除されます。

 

  • 天災その他の災害により損傷した軽自動車等
  • 生活保護受給者が所有し、自ら使用する軽自動車等
  • 身体障害者等のために使用する軽自動車等

法人市民税

収益事業をしていない次の法人は「法人市民税の均等割額×100%」が免除されます。

 

  • 公益社団法人及び公益財団法人並びに法人税法第2条第9号の2に規定する非営利型法人
  • 防災街区整備事業組合
  • 管理組合法人及び団地管理組合法人
  • マンション建替組合及びマンション敷地売却組合
  • 地方自治法第260条の2第7項に規定する認可地縁団体
  • 特定非営利活動促進法第2条第2項に規定する特定非営利活動法人

事業所税

事業所税が免除される主なケースと免除額は次の通りになります。

免除されるケース 免除額
事業所用家屋が災害により事業所税の納付が著しく困難である場合 事業所税×市長が適当と認める割合
千葉市内に有するタクシー台数が250台以下のタクシー業者 事業所税×100%
ビルの室内清掃、設備管理等の事業を行う者の事務所又は事業所 事業所税の従業者割×100%

まとめ

法人の社長に視点をあてると、税金の免除が利用できる確率があるのは個人市民税でしょう。現実的には前年の所得の2分の1以下にダウンしたときが特例制度の利用チャンスです。そのため、役員報酬の年収は暦年単位で管理することが、免除対象であることに気づきやすくなるポイントになります。

阿部正仁
TAX(税金)ライター。会計事務所で約10年間の勤務により調査能力を身に付けた結果、企業分析の能力では高い定評を得、法人から直接調査を依頼される実績も持つ。コーチングスキルを活かした取材力で、HP・メディアでは語られない発言を引き出すのが得意。
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