e-Taxでの確定申告が推奨される中、紙の確定申告書を税務署に提出する人は年々少なくなっています。しかし、まだ紙の確定申告書を提出している人も多く、e-Taxで確定申告している場合であっても、確定申告書を印刷するケースは多くあります。
そこで、この記事では確定申告書を印刷する方法や注意点について解説します。
確定申告書の印刷が必要なケース
はじめに、どのような時に確定申告書の印刷が必要なのかを見ていきましょう。
確定申告書を手書きで作成する場合
確定申告書の印刷が必要なケースの代表的なものは、確定申告書を手書きで作成する場合です。手書きで作成した確定申告書は、税務署の窓口または郵送で提出します。確定申告書を毎年、手書きで提出している場合は、税務署から用紙が送られてきます。
初めて確定申告をする場合や、過去にe-Taxで確定申告書を提出した場合は、税務署から確定申告書の用紙は送付されてきません。税務署から確定申告書の用紙が送られてこない場合、または送られてきた確定申告書の用紙を無くしてしまった場合は、税務署の窓口もしくは国税庁のホームページから確定申告書の用紙を入手します。
このうち、国税庁のホームページから確定申告書の用紙を入手する場合には、パソコンなどから印刷する必要があります。
パソコンやスマホで作成する場合
確定申告書は、国税庁の確定申告書作成コーナーや会計ソフトなどを使って、パソコンやスマホからでも作成できます。パソコンやスマホで作成した確定申告書は、税務署の窓口または郵送で提出するか、電子データとして提出(e-Tax)します。
このうち、税務署の窓口または郵送で提出する場合は、確定申告書の印刷が必要です。また、電子データとして提出(e-Tax)した場合は、原則、確定申告書の印刷は不要ですが、確定申告書の控えなどを紙ベースで保存しておく場合には、印刷が必要となります。
確定申告書の印刷方法
確定申告では、多くの場面で確定申告書の印刷が必要です。そこで、ここでは確定申告書の印刷方法について見ていきましょう。
もっとも簡単な方法が、自宅や事務所のプリンターで印刷する方法です。自宅や事務所のプリンターを使って、国税庁のホームページや会計ソフトなどから確定申告書を印刷します。スマホで確定申告書を作成した場合も、スマホにプリンターの専用アプリを入れることで、自宅や事務所で確定申告書を印刷することができます。
ここで問題となるのが、家や事務所にプリンターがない場合です。しかし、国税庁の確定申告書作成コーナーで作成した確定申告書は、コンビニで印刷することが可能です。
確定申告書作成コーナーで作成した確定申告書をコンビニで印刷するためには、「ネットプリント」または「ネットワークプリントサービス」のあるコンビニを利用する必要があります。2021年2月現在、ネットプリントはセブンイレブンで、ネットワークプリントサービスは、ファミリーマート、ポプラグループ、ローソンで利用可能です。
コンビニで確定申告書の印刷をする場合の大まかな手順は次の通りです。
- 国税庁の確定申告書作成コーナーで確定申告書を作成し、PDFデータを保存する
ネットプリントを利用する場合も、ネットワークプリントサービスを利用する場合も、まずは、国税庁の確定申告書作成コーナーで確定申告書を作成し、PDFデータを保存します。PDFデータの保存は、国税庁の確定申告書作成コーナーの確定申告書作成画面にある「申告書等印刷」画面で「帳票表示・印刷」ボタンをクリック、ブラウザーの指示に従い、保存します。 - ネットプリント、ネットワークプリントサービスのホームページで作業をする
PDFデータの保存ができたら、ネットプリント、ネットワークプリントサービスのホームページに行きます。ネットプリント、ネットワークプリントサービスで保存したPDFデータ(ファイル)を登録します。 - コンビニで印刷する
ネットプリント、ネットワークプリントサービスでPDFデータ(ファイル)を登録したら、コンビニで、PDFデータ(ファイル)から確定申告書を印刷することができるようになります。
ネットプリント、ネットワークプリントサービスで、印刷までの詳細な流れは異なります。詳しくは、文末の各社のホームページをご参照ください。
確定申告書を印刷する場合の注意点
作成した確定申告書は、プリンターがある場合は家や事務所で、プリンターがない場合はコンビニで印刷することができます。しかし、確定申告書を印刷する場合には、注意しないといけないことも多くあります。確定申告書を印刷する場合の注意点を解説していきます。
確定申告書の控えも印刷が必要
確定申告書を印刷した際、必ず控えを印刷しておきましょう。印刷した確定申告書は税務署に提出しますが、その際には確定申告書の控えも提出します。提出した控えは、受付日の入った受付印が押されて、返却されます。
確定申告書を郵送で提出する場合は、切手の貼った返信用の封筒と確定申告書の控えも一緒に送付する必要があります。後日、受付印が押された確定申告書の控えが返送されます。受付印が押された控えは、同じ内容の確定申告書を提出した証拠になります。
確定申告書の控えは、住宅ローンなどの融資を受ける際や、国や自治体の補助金などを受ける際などに提示を求められることがあります。その場合、確定申告書の控えには受付印が押されている必要があるため、確定申告書の印刷時には必ず控えも一緒に印刷し、税務署に提出するようにしましょう。
確定申告書の用紙に対する注意点
ここでは、確定申告書の用紙に対する疑問の答えを見ていきましょう。
・用紙のサイズは、何を選ぶのか
確定申告書を印刷する場合は、A4の用紙を選ぶ必要があります。それ以外の用紙の場合では、提出ができないので注意が必要です。
また、確定申告書の用紙には、左上、左下、右上に黒の正方形マークが印字されています。プリンターで確定申告書を印刷する場合も、自動で左上、左下、右上に黒の正方形のマークが印字されますが、用紙がずれているなどの理由で、印刷後の用紙に左上、左下、右上のどこかのマークがなかったり、欠けていたりしている場合は、税務署で受付してもらえない可能性があるので、印刷をしなおしましょう。
・両面印刷をしてもいいのか
確定申告書は、第一表、第二表に分かれていますが、これらはそれぞれ片面印刷をして提出する必要があります。両面印刷では提出できません。
・印刷は白黒なのかカラーなのか
確定申告書の印刷は、白黒でもカラーでもどちらでも問題ありません。ただし、用紙は普通紙やコピー用紙を使い、インクジェット用紙などは使わないようにしましょう。
・控えは提出用のコピーでもいいのか
控えは提出用のコピーでも問題ありません。ただし、確定申告書の上部に控印を押すなど、控えと分かるようにしておく必要があります。
まとめ
昔に比べ、確定申告書はパソコンやスマホなどで作成や印刷がしやすくなってきました。スマホで作成した確定申告書も、家や自宅のプリンターで印刷可能です。家や自宅にプリンターがない場合は、コンビニのプリントサービスを使って、確定申告書を印刷します。
確定申告書の印刷には、A4の用紙を選ぶ必要がある、両面印刷は不可、控えも印刷が必要などの注意点もあります。これらの点に注意しながら、確定申告書を印刷しましょう。