確定申告は、「税を取られる」だけじゃない きちんと申告して「還付金」をゲット! | MONEYIZM
 

確定申告は、「税を取られる」だけじゃない
きちんと申告して「還付金」をゲット!

個人事業主、フリーランスは、毎年3月半ばまでに、所得税の確定申告を終えなくてはなりません。同時に納税の必要があるわけですが、報酬などの支払先で税金の源泉徴収が行われていた場合には、申告を行うことで「払い過ぎた税」が戻ってきます。この「還付」の仕組みを理解して、きっちり「返して」もらいましょう。

確定申告を怠ると……

個人事業主は、自ら1年間の所得(利益)を計算し、支払うべき所得税の額を算出して、税務署に届ける必要があります。これが「確定申告」です。

 

「税金を支払いたくない」「面倒くさいから」と申告を行わないでいると、どうなるか? 税務署に見つかれば、未払い分の納税が必要なだけでなく、「無申告加算税」などの支払いといったペナルティを覚悟しなくてはなりません。

 

実は、無申告の「損害」は、それにとどまらない場合もあります。税金には、払い過ぎがあれば戻ってくる「還付」という制度があります。個人事業主は、確定申告をしなければ、この還付を受けることができません。所得や税額がわからなければ、「払い過ぎているかどうか」の判断もできないので、これは当然でしょう。つまり、還付金を受け取るためには、確定申告が必要になるというわけです。

サラリーマンの「年末調整」とどう違う?

ただし、どんな場合でも還付が受けられるわけではありません。最も多いのが、「支払先で所得税を源泉徴収された結果、払い過ぎていた」というパターンです。「源泉徴収」というのは、報酬などの支払いの際に、あらかじめ所得税を差し引くこと。この差し引かれた所得税を「源泉所得税」といい、それは支払先からそのまま税務署に納付されます。ですから、もし「源泉所得税>本来支払うべき所得税」だった場合には、納税者は確定申告を行うことで、税務署からその分を返してもらう――という流れになるのです。

 

ところで、「源泉徴収」というと、サラリーマン(給与所得者)が思い浮かぶと思います。サラリーマンの場合は、毎月の給与の支払いやボーナスの支給時に源泉徴収が行われ、やはり払い過ぎがあれば、「年末調整」というかたちで還付されます。源泉徴収では、例えば生命保険料控除や扶養控除など、個人の事情によって異なる控除(課税対象となる所得額から、一定の金額を差し引くこと)が考慮されていないため、その分を加味して年末に計算し直すわけです。こうした作業は会社がやってくれるので、サラリーマンには、基本的に個人が確定申告をする必要はありません(※)。

 

では、個人事業主の場合はどうでしょう? 「年末調整」との大きな違いは、「会社まかせでなく、自分で申告する必要があること」です。

 

内容面では、どうか? 各種の控除を申告するのは同じですが、「仕入」や「経費」が“自分もち”である=その分を所得からマイナスすることができる――ところが、違ってきます。会社勤めであれば、例えば仕事に使う事務用品や交通費などは会社が支給、負担してくれますが、個人の場合にはそうはいきません。事業のための支出は、「必要経費」として、所得から差し引くことが認められるのです。

 

その結果、所得が圧縮されれば、支払うべき税金は減ります。個人事業主は、源泉徴収額と、経費などをマイナスした所得との差額を、還付金として受け取ることができるわけです。

 

※ サラリーマンでも、年収が2000万円を超える人や、給与を2ヵ所以上から受け取っている場合などには、給与所得者でも確定申告が必要になる。また、医療費控除など、確定申告が必要な控除もある。

いつごろ、いくら返ってくる?

もともと払い過ぎた税金ですから、一刻も早く取り戻したいのが人情ですが、実際には申告後どのくらいの期間で返ってくるのでしょうか?

 

「いつまでに還付する」という明確な決まりは、実はありません。一応の目安と言われているのが、「申告書を提出してからおよそ1~2ヵ月後」です。ただし、これは申告書を税務署に持参、ないし郵送した場合。電子申告(e-Tax)による確定申告を行った場合には、それよりも多少早く、「約3週間後」には、本人名義の銀行口座などに振り込まれるようです。還付金をいち早く受け取りたいという事情がある人は、確定申告期間(基本的に2月16日~3月15日、2020年は3月15日が日曜日のため「2月17日~3月16日」)のできるだけ早い時期に、電子申告で行うことをお勧めします。

 

確定申告書には、「還付される税額」も計算して記入することになっています。その数字についても、簡単に触れておきましょう。

 

さきほど説明した還付金の仕組みを式に表すと、「①源泉徴収額-②(実際に支払うべき)所得税額=還付金」ということになります。

 

個人事業主の「①源泉徴収額」は、正確には「支払金額×10.21%」です。「10.21%」というのは、ずいぶん中途半端な数字ですが、このうち「0.21%」は、東日本大震災を機に導入された「復興特別所得税」です。大まかに言えば、「報酬の1割が所得税として源泉徴収されている」ということになるでしょう。

 

「②所得税額」は、「課税される所得×税率-控除額」(下の「速算表」参照)で計算します。これもさきほど説明したように、「経費」が多いほど、「課税所得」は圧縮され、②が下がり、受け取る還付金は増えることになります。所得税は、所得が高いほど税率もアップしていく「累進課税」ですから、なおさら「経費と認められるものは忘れずに計上すること」が重要なのです。

 

 

個人事業主の確定申告における還付金について、ご理解いただけたでしょうか? ちなみに、個人事業主の確定申告でもサラリーマンの年末調整でも、お話ししてきたのとは逆に「源泉徴収額<本来支払うべき所得税」ということも、多くはないのですが、あり得ます。その場合には、当然、不足分を納税しなければなりません。

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個人事業主でも、税金を払いすぎている場合は税金が戻ってきます【源泉徴収税】|3分でわかる!税金チャンネル

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まとめ

個人事業主は、きちんと確定申告することで、「払い過ぎた」所得税を取り戻すことができます。ポイントの1つは、認められる必要経費をきちんと計上すること。迷ったら、税理士などのプロのサポートを検討してはいかがでしょう。

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