通常のインフルエンザを接種した場合、その費用の一部もしくは全額を会社が負担した場合、会社は福利厚生費などとして処理することが可能です。 しかし個人の場合、インフルエンザ予防接種など疾病の予防のために要した費用は、原則として医療費控除の対象外です。
「新型インフルエンザ・パンデミック」の脅威が伝えられています。厚生労働省の試算では、もし日本国内で流行り出したら全人口の約25%がり患し、病院で受診を受ける患者数は2500万人、死亡者は64万人に達するとしています。 有効なワクチンが発見されておらず、厳重な注意が必要です。
厚労省によると、個人・事業者が実施できる具体的な感染予防策として (1)ヒトとの距離の保持 (2)職場の消毒 (3)通常のインフルエンザワクチンの接種 などを挙げています。
(1)の具体例として、オフィスの廊下を一方通行にするなどの方策が挙げられていますが、現実問題は努力目標、といった感じでしょうか。
(2)については、オフィスの洗面所にうがい薬を常備するなど、実践されている企業も多いと思います。
(3)については、最近は小学生だけでなく、大人の方がインフルエンザの予防接種を受けるケースが増えています。
では、会社が全社的にインフルエンザの予防接種を行った時の税務上の取り扱いはどうなるでしょうか?
通常のインフルエンザを接種した場合、その費用の一部もしくは全額を会社が負担した場合、会社は福利厚生費などとして処理することが可能です。
国税当局では、「会社には従業員の健康管理に配慮する責任がある」とし、「接種を希望する社員一律に費用負担するようなルールがあるのであれば、全額を負担したとしても予防接種として常識的な金額の範囲内であれば、福利厚生費とすることができる」としています。
一方で、個人の場合、インフルエンザ予防接種など疾病の予防のために要した費用は、原則として医療費控除の対象外です。
ただし、B型肝炎ワクチンの接種費用などにおいて患者と同居する親族に限り医療費控除の対象とすることが認められています。
インフルエンザ予防接種費用の取り扱い
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