所得税も住民税も税額計算の方法はほぼ同じですが、控除額や税率が違うため、最終的な税額は異なります。
また、年税額で納付書が届く住民税は、予定納税などで所得税の前払い分を調整した後の所得税確定申告額に比べて高く感じる、というイメージ上の問題もあるかもしれません。
所得税の確定申告では税額が少なかったのに、住民税の納税通知書の金額がびっくりするほど多くて、間違っているのでは?という印象を持つ方が多い今日この頃。 中には「所得税が還付されたのにその分住民税で全部支払ってしまった」ということもよくある話です。
今日は所得税と住民税のお話です。
所得税も住民税も、収入金額から各種控除を差し引いて所得金額を算定し、税率をかけ算して税額を算定します。つまり、税額算定の基本的なやり方は同じなのです。 では、収入金額も税額算定の方法も同じなのに、どこで税額の違いがでるのでしょうか?
税額に差がでるのは、大きく控除の金額の計算方法が違うから、そして税率が違うからです。
税額控除については、項目によっては住民税の方が所得控除の額が少ないので、その分だけ住民税の課税所得が多くなってしまいます。
例えば基礎控除、配偶者控除など人的控除で所得税は38万円なのに対して住民税は33万円です。生命保険控除も所得税が最高10万円なのに住民税は7万円です。
扶養控除、障害者控除など控除対象項目が増えるほどに課税所得の差が大きくなります。
税率については、所得税は5%から40%までの6段階の累進課税であるのに対して住民税は平成19年の税源移譲により一律10%の税率になりました。 したがって所得が少ない人ほど住民税の税率が割高になります。
単純な税率比較であれば課税所得が427万円以下の人は住民税のほうが高いということになります。
また、イメージ上の問題というのも大きいのではないかと感じます。 所得税の確定申告書を提出する際の最大関心事は、幾らの税金を納めなければならないかあるいは幾ら戻るのかにあります。
本当は源泉税額や予定納税額や差し引かれる前の金額がその人の年間税額なのですが、ついつい確定申告で確定した納税額や還付額が年税額のように感じてしまいがちです。
住民税の場合、確定申告した後に「年税額○○円」というのが明記された形で納付書が届きます(分割納付もできますが)。
ですから、印象として「所得税より多い」と感じる方が多いのかもしれませんね。
所得税より高い住民税?!
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