ようやく、中小企業にも、景気が回復してきたな、と感じることが増えてきた今日この頃。しかし、景気が回復するときによく起こるのが「倒産」です。景気がよくなっているのになぜ?と思われる方も多いのではないでしょうか。今日は景気回復時に起こる倒産のメカニズムについてお話いたします。企業にとっては「死」に等しい倒産。2回シリーズの予定です。
景気が回復して売上が増加していくときは、新しい従業員を雇ったり、設備投資を行ったりして運転資金が増加します。この時、資金が潤沢であれば問題はないのですが、売上以上に運転資金がかかってしまい、資金ショートにより倒産するケースがあります。
いわゆる「黒字倒産」と言われる倒産も同様に資金の手詰まりにより倒産するケースです。売上債権の回収が支払債務や借入債務の返済、運転資金の支払などに追いつかず、財務諸表上は黒字であるにもかかわらず倒産に至るのです。
最近、このような兆候が表れだしたような感じを受けますので、要注意です。景気がよくなったらば、得意先が倒産した、では会社の経営に大きな影響を与えかねません。自社も倒産の危機にさらされる可能性だってあります。 こういった事態を避けるには、得意先へ出入りしている営業社員が、普段の訪問の際に「おかしいな」と感じることが重要なのです。
では、倒産の兆候はどのように表れてくるのでしょうか。具体的な兆候としては「資金繰りが困っている」ということなので、支払いに関して、以下のようなことが表れてくるはずです。 (1)支払い条件の変更の申し出 (2)支払い延期の要請 (3)支払手形のジャンプ (4)手形決済銀行や小切手の決済銀行の変更 これ以外でも、支払条件を良くするために安売りを始める、というようなこともあります。
景気回復時に起こる倒産-1
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