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あなたは大丈夫?休眠口座に手数料をかける銀行が拡大!

休眠口座に手数料をかける銀行が拡大しています。このニュースを聞くと「自分にも忘れている休眠口座があるかもしれない」「休眠口座があるとどうなるのか?」と考える人も多いでしょう。

 

そこで、ここでは休眠口座とはどのようなものか、休眠口座のお金はどうなるのかなど、休眠口座について詳しく解説します。
 

※記事の内容は2021年7月28日時点の情報を元に作成したものであり、現在の内容と異なる場合があります。

休眠口座保有でお金がかかる その理由とは

一定期間に利用がない口座のこと休眠口座といいます。今、休眠口座に手数料を導入する銀行が増えています。例えば、休眠口座一口座に対して、三井住友銀行では年間1320円、横浜銀行では年間1320円の手数料がかかります。三菱UFJ銀行でも、2021年7月に手数料を導入する予定です。

 

では、なぜ、各銀行が休眠口座に手数料を導入しているのでしょうか。それは、銀行を取り巻く経営環境が厳しくなっているからです。長引く金利低下は、収入面で銀行の経営を圧迫しています。そのため、それまでは賄えていた口座や通帳の管理コストなど維持費の重みが、経営を圧迫するようになってきたのです。そこで、銀行ではインターネット口座への移行を呼びかけるなど、口座管理のコストを下げるさまざまな施策を行っていますが、その一環として、休眠口座に手数料を導入しました。

 

実は、休眠口座に手数料を導入するなど、顧客の不利益となる契約変更は民法で禁じられていましたが、2020年4月の民法改正により、合理的な理由があれば顧客の不利益となる契約変更が可能となりました。休眠口座は、マネーロンダリングなどの不正が行われることが多いため、それらを「合理的な理由」として、休眠口座に手数料を導入しています。

休眠口座を持ち続けるとお金はどうなる?休眠預金とは

休眠口座とともに注意したいのが、休眠口座に預けている預金のことです。ここでは、休眠口座を持ち続けると、休眠口座のお金がどうなるのかを見ていきます。

10年間動きがない預金は休眠預金になる

一定期間、動きがない口座のことを休眠口座といいます。政府広報オンラインによると、10年間取引がない預金は毎年1,200億円程度発生しているということです(その後、500億円程度は払い戻しがある)。そこで、休眠口座に預けられている預金を有効に利用するため、2019年に休眠預金等活用法が制定されました。

 

休眠預金等活用法では、10年間動きがない口座を「休眠口座」、10年間動きがない休眠口座に預けられている預金、つまり10年間取引のない預金のことを「休眠預金」と定義付けられています。また、休眠預金を民間公益活動のために使うことができるようになりました。

休眠預金になるための条件とは

保有している預金が休眠預金になると、民間公益活動のために利用されます。しかし、10年間動きがないからといって、すべての預金がすぐに休眠預金になるわけではありません。休眠預金になるためには、次のようないくつかの条件があります。

・休眠預金の対象になる預金

休眠預金の対象になる預金は、一般的によく使われている預金です。銀行の普通預金、郵便局の通常貯金、会社などで使われる当座預金、定額貯金、定期預金、財蓄預貯金などが休眠預金の対象になります。
一方、外貨預金や従業員の資産づくりを支援する財形貯蓄などは、休眠預金の対象外です。

・休眠口座の残高が1万円未満の場合

休眠口座の残高が1万円未満の場合は、原則、休眠預金となります。

・休眠口座の残高が1万円以上で一定の場合

このケースは「休眠預金になるまでの流れ」を見たほうが分かりやすいため、休眠預金になるまでの流れを見ていきましょう。

 

休眠口座(ここでは9年以上動きがない口座のことを指す)の残高が1万円以上の場合、まずは、金融機関から登録されている住所に通知が郵送されます。通知が届いた場合は、休眠預金になりません。転居先が不明になっているなどして通知が届かない場合、そのまま何も預金に動きがなければ、休眠預金になります。

 

通知が届かない場合でも、その後、入出金などの動きがあれば、休眠預金になりません。ここでいう入出金などの動きとは、現金の動きだけでなく、預金者等による残高照会が含まれる(金融機関が行政庁の認可を受けていることが必要)場合もあります。

 

ただし、通知が届かない場合でその後、入出金などの動きがあるケースは、比較的少ないことが考えられるため、通知が届かない場合、多くは休眠預金になると考えて良いでしょう。

 

休眠預金となった場合は、金融機関から預金保険機構にお金が移管されます。預金保険機構は、公募によりNPO法人など資金を活用する団体を選定し、その団体に資金を分配する流れになります。

休眠口座・休眠預金の注意点

ここまでは、休眠口座や休眠預金の概要や条件、休眠預金になるまでの流れについて見てきました。
ここからは、休眠口座・休眠預金の注意点について見ていきましょう。

手数料を払い続けると、休眠預金となる

上述した通り、一定期間動きがない口座に、手数料を挿入する銀行が増えています。実は、このことは保有している預金が休眠預金となることに、大きく影響しています。銀行が休眠口座に手数料を課すということは、預金残高が減少していくことです。9年以上動きがない口座の残高が1万円以上である場合は、銀行からその銀行に登録している住所地に通知が届きます。

 

そのまま、出金などの移動がない場合は、毎年、銀行から手数料が差し引かれ、預金残高が減少していきます。銀行から手数料が差し引かれ、預金残高が1万円未満となれば、通知自体が送付されなくなり、そのまま休眠預金になります。

 

通知が送付されなくなると、預金残高があることを忘れてしまう可能性が高くなります。そのため、預金残高が1万円未満になる前に、口座を解約した方が良いでしょう。

休眠口座であっても、現金を引き出せる

休眠口座になったら、預金から現金が引き出せないと思う人も多いでしょう。実は、休眠口座であっても、現金を引き出すことは可能です。ただし、休眠口座となっているため、キャッシュカードなどを使って、ATMで引き出しすることはできません。銀行窓口などで手続きをすることで引き出しをすることができます。ただし、手続きが複雑になることもあります。

 

※どのような手続きが必要なのかは、金融機関によって異なります。休眠口座の預金残高を引き出す場合は、事前に各金融機関にお問い合わせください。

 

また、休眠預金は、即日の払い出しはできません。一般的には、預金を払い出すのに数日程度かかります。休眠口座であっても、現金を引き出し可能ですが、手続きが複雑なことや預金を払い出すのに時間がかかることなどを考えると、休眠口座になる前に、現金を引き出しておいた方が良いでしょう。

 

休眠口座になる前に、現金を引き出すためには、普段から保有している口座をしっかりと管理しておく必要があります。そのうえで、もし口座を使わなくなった場合は、すみやかに現金を引き出し、口座を解約しておくことが重要となるでしょう。

まとめ

10年間動きがない口座や預金は休眠口座、休眠預金として民間公益活動のために使われます。休眠口座に手数料を課す金融機関が増えているなど、休眠口座や休眠預金に対する環境は厳しくなっています。そこで、できれば休眠口座や休眠預金になる前に、預金残高をすべて引き出しておきたいところです。

 

休眠口座や休眠預金になることを防ぐためには、普段から、保有している口座をしっかりと管理しておく必要があります。口座を使わなくなった場合は、すみやかに現金を引き出し、口座を解約しておきましょう。
 

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長谷川よう
会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。
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