2月の大きなイベントといえば、バレンタインデーです。会社の上司や同僚、あるいは得意先の人にチョコを渡す人も多いでしょう。
では、チョコの購入代金は経費になるのでしょうか。また、もらったチョコには税金がかかるのでしょうか。
バレンタインデーやホワイトデーの品物と税金の関係について解説します。
バレンタインデーのチョコが経費になるケースとならないケース
実は、バレンタインデーのチョコ購入のための支出には、経費になるケースと経費にならないケースがあります。経費になるかどうかの判断を誤ると、納める税金の金額にも影響を与えます。
ここでは、バレンタインデーのチョコが経費になるケースとならないケースとは、それぞれどのような場合か見ていきましょう。
バレンタインデーのチョコが経費になるケース
バレンタインデーでチョコを購入するのは、個人だけではありません。会社がお金を出してバレンタインデーのチョコを購入する場合があります。バレンタインデーのチョコが経費になるのは、基本的に会社がお金を出した場合です。
では、会社がお金を出してバレンタインデーのチョコを買う場面として、どのようなケースがあるのか見ていきましょう。
①得意先にバレンタインデーのチョコを渡す場合
得意先や取引先など、会社の外部の関係者にバレンタインデーのチョコを渡す場合は、交際費になります。仕訳は、経費科目の「(接待)交際費」で処理します。
例)得意先に渡すバレンタインデーのチョコ1万円分を現金で購入した。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
---|---|---|---|---|
接待交際費 | 1万円 | 現金 | 1万円 | バレンタインデーチョコ購入 |
②会社名や店名入りのバレンタインデーチョコを客などに配る場合
特定の得意先ではなく、お店に来た客など、多くの人に配るためにバレンタインデーのチョコを購入する場合があります。これは、会社名や店名をバレンタインデーのチョコに入れることで、多くの人に会社名や店名を知ってもらうことを目的としています。
この場合は経費になります。仕訳は、経費科目の「広告宣伝費」や「雑費」で処理します。
例)お店で配る用のバレンタインデーのチョコ1万円分を現金で購入した。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
---|---|---|---|---|
広告宣伝費 | 1万円 | 現金 | 1万円 | バレンタインデーチョコ購入 |
③従業員全員に配ることを目的とし、バレンタインデーのチョコを購入した場合
得意先や客などの社外向けではなく、社内の従業員向けに会社がバレンタインデーのチョコを購入する場合があります。
この場合は、経費になります。仕訳は、経費科目の「福利厚生費」や「雑費」で処理します。
ただし、従業員全員が対象でなければなりません。一定の人のみを対象とした場合は、対象となった人の給与扱いになるので、注意が必要です。
例)従業員全員に配ることを目的にバレンタインデーのチョコ1万円分を現金で購入した。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
---|---|---|---|---|
福利厚生費 | 1万円 | 現金 | 1万円 | バレンタインデーチョコ購入 |
バレンタインデーのチョコが経費にならないケース
バレンタインデーのチョコが経費にならないケースには、どのようなものがあるでしょうか。
個人事業の場合は、事業に関係のないケースです。例えば、事業に関係のない友達に渡すためにバレンタインデーのチョコを購入した場合は経費になりません。
法人の場合は、実質的にはお金を支払っていない場合などです。例えば、バレンタインデーのイベントのために、先に会社がチョコを購入し、後に従業員から費用を徴収する場合などです。この場合、あくまで立替払いになるので、会社の経費にはなりません。
ホワイトデーのお返しが経費になるケースとならないケース
ここまでは、バレンタインデーのチョコが経費になるかどうかを見てきました。バレンタインデーのチョコをもらうと、3月のホワイトデーでお返しをします。では、このホワイトデーのお返しの処理はどうなるのでしょうか。
ホワイトデーのお返しが、経費になるケースとならないケースを見ていきましょう。
ホワイトデーのお返しが経費になるケース
ホワイトデーのお返しが経費になるのは、バレンタインデーのチョコと同じように、基本的には、会社がお金を出した場合です。
では、会社がお金を出してホワイトデーのお返しを買う場面には、どのようなケースがあるのか見ていきましょう。
①得意先にホワイトデーのお返しを渡す場合
得意先や取引先からバレンタインデーにチョコをもらった場合は、それら会社の外部の関係者にホワイトデーのお返しを渡します。この場合は、交際費になります。
仕訳は、経費科目の「(接待)交際費」で処理します。
例)得意先に渡すためのホワイトデーのお返しの品を1万円分を現金で購入した。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
---|---|---|---|---|
接待交際費 | 1万円 | 現金 | 1万円 | ホワイトデーのお返し 購入 |
②従業員のためにホワイトデーのイベントをする場合
従業員のためにホワイトデーのイベントをしたり、お返しを渡すための費用は経費になります。仕訳は、経費科目の「福利厚生費」や「雑費」で処理します。
ただし、従業員全員が対象でなければなりません。一定の人のみを対象とした場合は、対象となった人の給料扱いになるので、注意が必要です。
例)従業員全員に配ることを目的にホワイトデーのイベント代1万円分を現金で支払った。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
---|---|---|---|---|
福利厚生費 | 1万円 | 現金 | 1万円 | ホワイトデーのイベント代 |
ホワイトデーのお返しが経費にならないケース
ホワイトデーのお返しが経費にならないケースは、バレンタインデーのチョコの場合と同じです。
事業に関係のないケースや、立替払いなど実質、会社がお金を支払っていない場合などは、経費になりません。
バレンタインデーに関するその他の税金
ここまでは、バレンタインデーのチョコなどが経費になるかどうかを見てきました。経費になることで、所得税や法人税などの納付額が低くなります。
では、それ以外の税金にはどのような影響を与えるのでしょうか。ここでは、バレンタインデーのチョコに関するその他の税金を見ていきます。
バレンタインデーのチョコやホワイトデーのお返しをもらった場合の税金
バレンタインデーのチョコやホワイトデーのお返しを個人がもらった場合は、どうなるのでしょうか。
会社が従業員全員を目的として、バレンタインデーのチョコやホワイトデーのお返しを渡した場合は、もらった従業員が所得税を課税されることはありません。
ただし、一定の人のみを対象とした場合は、対象となった人の給料扱いになり、もらった人が所得税を課税されます。
バレンタインデーのチョコやホワイトデーのお返しと消費税
会社が支払ったバレンタインデーのチョコやホワイトデーのお返しは、個人事業主の所得税や法人の法人税の経費になります。では、消費税はどうでしょうか。
そもそも消費税は、モノやサービスの消費に対して課される税金です。モノの購入やサービスの提供を受ける場合は、代金支払い時に消費税も支払っています。もちろんバレンタインデーのチョコやホワイトデーのお返しも同じです。そのため、消費税も経費になります。
ただし、会社の経費にならないものは、消費税の経費にならないため注意が必要です。
まとめ
バレンタインデーのチョコやホワイトデーのお返しは、会社の経費になる場合と経費にならない場合があります。処理方法を間違ってしまうと、会社が納める税額も間違ってしまうので、処理を間違えないように注意する必要があります。
バレンタインデーのチョコやホワイトデーのお返しの処理をしっかりと理解し、正しい処理を行いましょう。