ビットコインなどの仮想通貨取引を行う人は年々、増えています。仮想通貨取引は取引所を通じて行いますが、日本だけでなく、海外取引所で行うこともできます。
しかし、海外取引所を使う場合は、注意すべきことがあります。ここでは、海外取引所で仮想通貨取引を行う場合のメリット・デメリットや注意点を解説します。
海外取引所で仮想通貨取引を行う場合のメリット・デメリット
海外取引所での仮想通貨取引を検討している場合、そのメリットとデメリットのどちらも把握しておく必要があります。そこで、まずは海外取引所で仮想通貨取引を行う場合のメリットとデメリットを見ていきましょう。
海外取引所で仮想通貨取引を行う場合のメリット
海外取引所で仮想通貨取引を行う場合の主なメリットには、次のものがあります。
・高いレバレッジ
海外取引所で仮想通貨取引を行う場合のメリットのひとつが、高いレバレッジです。海外取引所では、日本ではできない数十倍や100倍程度の高いレバレッジで取引をすることができます。
例えば、1万円の取引でも100倍のレバレッジであれば、100万円の取引をして利益を出すことができます。
・通貨の種類の豊富さ
通貨の種類の豊富さも、海外取引所の魅力のひとつです。日本では扱っていない、あまり知られていない仮想通貨も、海外取引所では取り扱っています。
あまり知られていない仮想通貨は、まだ値が安定していないため、今後急騰して、短期間で大きな利益を生み出す可能性もあります。
・登録がスピーディー
海外取引所では、ユーザー登録をしてアカウントが簡単に開設できます。Eメールアドレスなどの登録だけで取引を開始できる取引所も多く、すぐに仮想通貨の取引を始めたい人には便利です。
一方、日本の取引所は本人確認を行う必要があるので、海外取引所に比べて登録までに時間がかかります。
海外取引所で仮想通貨取引を行う場合のデメリット
海外取引所で仮想通貨取引を行う場合の主なデメリットには、次のものがあります。
・詐欺やハッキングの被害に遭うリスク
海外取引所で取引する場合、詐欺やハッキングの被害に注意が必要です。日本の取引所に比べて、海外取引所の方がセキュリティに問題があるケースも少なくありません。そのため、詐欺やハッキングに遭う可能性も、日本よりは高くなります。
・日本円での購入ができない
海外の取引所で仮想通貨の取引をする場合は、日本円での購入ができません。いったん、日本でビットコインなどを購入し、それを海外取引所に送付する手間が発生します。
・サイトが日本語に未対応の場合がある
大手の海外取引所では、日本語に対応しているところもありますが、中小の海外取引所の場合は、サイトが日本語に未対応の場合も多いです。
サイトが日本語に未対応の場合は、外国語に通じていないと、登録や取引、各種情報の取得などがわかりにくいこともあります。
海外取引所で仮想通貨取引を行う一般的な手順
海外取引所で仮想通貨取引を行うことのメリットとデメリットを把握し、海外取引所で仮想通貨取引を行うことを決めたら、海外取引所で取引を開始します。
海外で、仮想通貨を行う場合の手順は、取引所によって異なることがあります。ここでは、海外取引所で仮想通貨取引を行う、一般的な手順を見ていきましょう。海外取引所で仮想通貨取引を行う一般的な手順は、次の通りです。
(1)登録する海外取引所の決定
まずは、登録する海外取引所の決定を行います。海外取引所のサイトを確認したり、ネットや雑誌などで海外取引所の評判を確認し、登録する海外取引所を決めます。
(2)メールでの登録
登録する海外取引所が決まったら、登録をしてアカウントを作成します。海外取引所では、本人確認が不要で、メールだけで登録できることが多いです。
(3)国内取引所で仮想通貨を購入
海外取引所では日本円が使えないため、まずは国内取引所でビットコインなどの仮想通貨を購入する必要があります。そのため、国内取引所に登録がない場合は、国内取引所への登録も必要です。
(4)購入した仮想通貨を海外取引所に送金
購入した仮想通貨を海外取引所に送金します。
(5)海外取引所で仮想通貨の購入
国内の取引所で購入した仮想通貨が海外取引所に届いたら、その仮想通貨を使って取引を開始します。
海外取引所で仮想通貨取引を行う場合の注意点
海外取引所で仮想通貨取引を行う場合には、あらかじめ注意しておくべきことがあります。主な注意点として次のようなものがあります。
高いレバレッジのデメリットにも注意する
海外取引所で仮想通貨取引を行うメリットに、高いレバレッジがあります。高いレバレッジで取引をすれば、少ない元手で大きな利益が得られるのです。ただし、高いレバレッジは、大きな損失を生む可能性がある点にも注意する必要があります。
例えば、レバレッジ1倍で1万円の損失が出ると、20倍のレバレッジで取引をしていた場合は20万円の損失が出てしまいます。大きな損失が出た場合は、元手がすぐになくなることもあるので注意が必要です。
補償がない場合がある
海外取引所では、日本に比べてセキュリティがあまいこともあります。そのため、不正流出などが起こる可能性はゼロではありません。
ここで問題になるのが補償のことです。日本では、法規制がしっかりしているため、不正流出などが起こったら、補償を行う必要があります。しかし、海外取引所では、日本と異なる法規制であったり、そもそも補償がないこともあります。
そのため、海外取引所で仮想通貨取引を行う場合は、事前に補償があるかどうか、また、補償範囲などをしっかりと確認しておくことが重要です。
海外取引所を通じた取引であっても税金はかかる
日本では、個人で1年間に収入があれば、所得税の対象となります。これは、仮想通貨でも同じで、仮想通貨の取引で利益が出れば、所得税などの税金が課されます。
では、海外取引所を通じて仮想通貨の取引を行い、利益が出た場合は、税金の対象になるのでしょうか。結論からいうと、海外取引所を通じた取引であっても、所得税などの税金はかかります。
所得税法では、日本に住所がある場合、国内、国外を問わず生じた所得(利益)すべてが税金の対象になることが規定されています。そのため、海外取引所を通じた取引であっても、税金はかかります。
海外取引所で得た所得には、所得税がかかるので、もちろん確定申告が必要です。税務署は、海外取引所への送金について追跡をしています。そのため、確定申告をしなくてもいずれはバレます。
確定申告をしていないことがバレたら、延滞税や無申告加算税などのペナルティが課されます。海外取引所での仮想通貨取引で利益が出ている場合は、忘れずに確定申告を行いましょう。
また、利益が大きく納める税金も大きくなる場合は、法人の設立などの節税対策を行うこともできます 確定申告近くになって節税を初めても、効果はあまり出ません。できるだけ早くから節税対策を行う必要があります。節税を考える場合は、税理士などの専門家に相談するようにしましょう。
まとめ
海外取引所で仮想通貨取引を検討している場合は、そのメリットとデメリットのどちらも把握しておく必要があります。海外取引所で仮想通貨取引を行う場合の主なメリットには、高いレバレッジや通貨の種類の豊富さ、登録作業の簡易さなどがあります。
一方、デメリットには詐欺やハッキングの被害のリスク、日本円での購入ができない、サイトが日本語未対応の場合があるといった点が挙げられます。
海外取引所を通じて仮想通貨の取引を行い、利益が出た場合は、税金の対象になります。
確定申告や節税対策などを忘れないようにしましょう。
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