「NFTとはNon Fungible Tokenの略で、唯一無二のデジタル資産です。」などという説明を聞いてもピンとこない人は多いのではないでしょうか?
この記事では初心者向けに、まずはどんな業界でどんな風にNFTが使われているのかを解説します。
NFTへの理解への手がかりとなれば幸いです。
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NFT周辺の用語のおさらい
用語のおさらい1 ブロックチェーン(Blockchain)
まずは、NFTとともによく使われる用語である「ブロックチェーン」、「メタバース」、「イーサリアム」などについて簡単におさらいをしましょう。
ブロックチェーンとは、NFTや仮想通貨などにおけるもっとも基礎となる技術を指し、「取引履歴を暗号技術によって過去から1本の鎖のようにつなげ、正確な取引履歴を維持しようとする技術 」などと説明されます。
ブロックチェーンはインターネット以来の技術革新とされ、「管理者が存在しない台帳 」を持つため、一部が故障しても全体に影響を及ぼしにくい強いシステムであるとされます。
ここでの重要ポイントとしては、NFTにしろ、仮想通貨にしろ、このブロックチェーンという技術が基礎になっているということです。
用語のおさらい2 メタバース(Metaverse)
2021年10月Facebook社が社名をMeta(メタ)に変えた ことでも話題になった「メタバース」についても見ておきましょう。
メタバースとは、「インターネット上に構築された仮装の三次元空間でアバターなどを用いて接する環境 」とされます。
メタバースは、もともとは1992年に出されたSF小説の中にでてきた 造語であり、メタ(=高次元)とバース(=世界を意味するユニバースの語尾)に由来しています。
アバター(Avatar)とは自分自身の分身を表すキャラクターのことです。ゲームやSNSなどで使われる操作者などと紐づいた画像や3Dモデルであり、メタバース空間ではアバターを通じて情感豊かに自分を表現することができます。たとえばアバターを介して友人と一緒に仮想世界を体験することができるようになります。
メタバース内では、ゲームなどの遊びだけでなく、仕事(取引)をすることも可能で、デジタル資産を保有することができます。スムーズな取引をするには仮想通貨が必要とされます。
用語のおさらい3 イーサリアム(Ethereum)
イーサリアムはビットコインと同じ、仮想通貨の仲間ですが、イーサリアムがビットコインと異なるのは「スマートコントラクト」という技術が使える点です。
スマートコントラクトとは、取引データに基づいて自動的に実行されるプログラムのことで、スマートコントラクトの実行により、改ざんなどの心配はなく、実行された取引はブロックチェーン上で公開されます。
スマートコントラクト技術を実装したイーサリアム上ではイーサ(ETH) という暗号通貨が使われ、取引した内容(NFTの情報など)が保持されます。
メタバーズ空間では、参加者がアバターを通じて取引ができ、その取引とはイーサリアム上で仮想通貨を使って、NFTというデジタル資産を取得することを言います。
NFTについての詳細は「NFTとは?NFTの買い方と売り方を徹底解説します」の記事をご覧ください。
業界別のNFT活用法
どのような業界においてNFTが活用されるのか
NFTの活用例としては、既にゲーム、アート(音楽、美術など)、スポーツ、ファッションなどさまざまな事例があり、企業が動き出しています。
まずは、ゲーム業界がメタバース空間において先導していると言えます。
それまででも、ドラゴンクエストXにおいては、土地を購入し、家を建てたり、釣りをしたりすることもできましたし、ファイナルファンタジーXIVなどでも参加者同士が結婚式を挙げることすらできました。
今後NFTが発展し、ビジネス取引や日常生活などへの波及効果は図りしれないかもしれません。
ファッション業界、スポーツ業界などにおけるNFT
次にゲーム業界以外での企業のNFTの取り組みの例をいくつか見ていきましょう。
【ファッション業界】
3Dアバター用の帽子、スニーカー、服、アクセサリーといったファッション用品などが販売されます。
たとえば、2022年2月、イタリアのブランドGUCCIは「SUPERPLASTIC」という会社とのコラボ によるNFTの限定コレクション「SUPERGUCCI 」をリリースしました。クマの形をした白いセラミックにデザインが施されたフィギュアにはNFTコードが埋め込まれ、その価値を高めています。
【プロスポーツ業界】
サッカーやバスケットをはじめとするスポーツ業界に、仮想通貨やブロックチェーン企業が乗り出しています。
サッカーのリオネル・メッシ選手に移籍にあたっての契約金の一部がNFTで支払われました。
日本でもパリーグの動画をNFTとして販売 し、試合の名場面などの動画を「自分だけのコレクション」として保有できるサービスがあります。
【音楽業界】
大手音楽レーベルであるエイベックスの傘下にあるエイベックス・テクノロジーズは、エイベックスランド(仮称)というメタバースの拠点内にNFTアイテム付きの土地を売り出しました。
所属アーティストのピコ太郎や浜崎あゆみなどをアイコン化したNFTアイテムということで、110組が1時間で完売する人気だったようです。
【エンターテイメント業界】
バンダイナムコホールディングス は、2022年3月「ガンダムメタバース」というプロジェクトを発表しました。
ガンダムのプラモやアニメ、音楽などのジャンルごとにコロニーと呼ばれる仮想空間を展開するとしています。
ユーザーはアバターになって世界中のガンダムファンと交流ができたり、メタバース内の店舗でNFTのガンプラを買って対戦させることもできるようです。
今までより臨場感たっぷりにガンダムと触れ合えるのでファンにはたまらない魅力となるでしょう。
【シューズ業界】
スポーツブランドのナイキはNFTに力を入れている企業の一つです。
2021年12月、ナイキはスニーカーのNFTアートを手掛ける「RTFKT」を買収し、NFTの電子市場であるOpenseaにおいてバーチャルスニーカーの販売を開始しました。
メタバース内ではアバターにこのシューズの着用が可能となるようです。
NFTの可能性と待たれる今後の整備
NFTによる取引とクリエイターへの影響
仮想通貨もNFTもどちらもデジタルデータです。
しかし、仮想通貨が肉眼で見ても意味のないデータであるのに対し、NFTは「人間が目で見て認識できる画像に変換できる 」データです。NFTは他人に対して「これは私のモノです」という主張を裏付けることができます。
また、NFTの取引の中には、配信する人の熱烈なファンなどが「価値がある」と認めた時点で値段が決まることがあるところは、一般の市場取引においてプレミアがついたモノの値段が高騰するのと同じです。
NFTは当初から「鑑定書」付きというわけです。
そしてNFTの取引では、スマートコントラクト技術によりプログラムが自動的に実行されますので、予めプログラムに、「転売の際はクリエイターに売価の5%を送金する」としておけばクリエイターは転売の都度利益が得られます。
したがって、NFTはクリエイティブな商品を扱う業界において歓迎されます。
ゲーム、アート(音楽や美術など)、スポーツ、ファッションなどとNFTの相性がよい理由とも言えます。
アフターコロナへの期待
NFTの技術はまだ完成途上であり、法的な整備などは今後の課題でもあります。
メタバースの世界では、国籍や年齢、社会的地位など現実世界のしがらみを超えて、趣味においても、仕事においても新たなチャンスを得ることも可能となるかもしれません。
しかしながら、可能性とともに、現在NFTが異常な金額で取引されている背景にはまだ「もの珍しさ」もあるかと思います。
今後、NFT市場がアフターコロナの時代の経済活性化にどれだけ寄与するかは未知数ですが、これだけ多くの業界が動いている今、眺めているだけではなくて乗り出したくなる気持ちにさせるのは確かです。
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まとめ
私たちは、インターネットの仕組みを説明できなくても、ネットショッピングを楽しむことはできます。
同じように、NFTの仕組みがわからなくても仮想空間でアバターを介して、NFTを手に入れることができたりするでしょう。現テクノロジーのその先にはさらに新たな楽しみが広がっているのかもしれません。