車のサブスクには税金がかかる?車のサブスクの税金や経費計上について解説 | MONEYIZM
 

車のサブスクには税金がかかる?車のサブスクの税金や経費計上について解説

今、車を購入するのではなく、サブスクを利用する人や会社が増えています。車のサブスクでは、毎月の利用料などはかかりますが、車にかかるさまざまな経費を削減できるなどの効果があります。
 

では、車にかかる税金や経費計上はどうなるのでしょうか。ここでは、車のサブスクの税金や経費計上について解説します。

そもそも車のサブスクとは

はじめに、そもそも車のサブスクとはどのようなものかを見ていきましょう。
 

サブスクとは、サブスクリプション(方式)の略で、定額の料金を支払うことで毎月、そのサービスを利用し放題になるものです。音楽や動画、料理などさまざまな分野でサブスクのサービスが取り入れられています。

この方式を車にも導入したのが「車のサブスク」です。つまり、毎月、定額料金を支払えば、リース会社が所有する車が乗り放題になるというサービスです。実は車のサブスクには、車を維持するために必要な経費一式を含んだプランのものと、含まれていないプランがあります。
 

一般的に、車のサブスクを利用する場合は、一式を含んでいるプランの方が有利です。「一式」とは、税金などの維持費がサブスク料金に含まれているものです。そのため、税金などの維持費が別途かからない、もしくは負担が少なくなります。
 

ただし、税金などの維持費がかからない分、利用料金が高くなっているケースもあります。車のサブスクを利用する場合は、どのようなプランがお得なのか考える必要がでてきます。

自動車にかかる税金とは

車のサブスクを利用する場合は、諸経費一式を含むプランを利用する場合とそうでない場合のどちらのほうが得なのか、考える必要があります。そこで、自動車を所有した場合にかかる税金について見ていきましょう。
 

自動車にかかる代表的な税金には「自動車税」「環境性能割」「重量税」「消費税」「印紙代」があります。それぞれの内容は、次のようになります。

・自動車税

自動車税とは、所有している自動車に対して課される税金です。自動車を所有していると年1回、自動車税が課されます。軽自動車税には軽自動車税が課されます。
 

自動車税は、自動車の種別などによって税額が異なります。例えば、自家用車(令和元年10月1日以後に初回新規登録したもの)で総排気量が1リットル超〜1.5リットル以下の場合は30,500円、総排気量が1.5リットル超〜2リットル以下の場合は36,000円となっています。

・環境性能割

環境性能割とは、自動車を取得するときに課される税金です。税額の計算式は、次のようになります。
 

環境性能割額=課税標準額(自動車の通常の取得価額)×税率

ただし、自動車の燃費性能などに応じて、税率が異なります。例えば、自家用車の場合は、燃費基準の達成度合に応じて1〜3%の税率になります。
※取得価額が50万円以下の場合は、環境性能割は課税されません。

・重量税

重量税とは、自動車の重量に応じて課される税金のことです。重量税は、新規登録時や車検時に納めます。
 

また、税金はエコカーとエコカー以外で重量ごとに異なります。例えば、エコカーで車両重量1トンの場合は、1年自家用の重量税は5,000円になります。

・消費税

自動車を購入した場合は、本体価格に対して10%の消費税が課されます。

・印紙代

車庫証明書を取得する際や車検の手数料などは、印紙で納めます。車庫証明書の印紙代は、地域によって異なりますが、3,000円弱、車検の手数料は、1,100円(保安基準適合証の提出の場合)です。
 

このように、自動車の所有には、多くの税金がかかります。
車の購入とサブスクの経費計上はどう違う?
 

車の購入と車のサブスクで異なるのは、税金などの支出面だけではありません。個人事業主や法人の場合は、経費計上の方法も異なります。
 

ここでは、車の購入とサブスクの経費計上について見ていきましょう。

車の購入における経費計上

まずは、車を購入した場合の経費計上について見ていきましょう。車は、購入金額の全額を経費にできません。いったん固定資産(車両運搬具)に計上し、数年にわたって経費にします。
 

このような処理をする理由は、自動車は1年だけで使えなくなるのではなく、数年にわたって使用ができるためです。したがって使用期間で少しずつ経費にしていく必要があります。このように、使用期間で少しずつ経費にしていくことを「減価償却」といい、計上した費用部分を「減価償却費」といいます。
 

本来、車の使用期間は業種や使い方によって差がありますが、使用期間をそのまま減価償却費の計算に適用すると、会社ごとに減価償却費の計算方法が異なってしまいます。そこで、法律では大きさや種類によって、計算時に用いる使用期間の年数を決めています。これを「耐用年数」といいます。例えば、一般の自動車(小型車)は耐用年数が4年です。
 

100万円の車を耐用年数4年で減価償却した場合であれば、単純計算(定額法の場合)で100万円÷4年=毎年25万円の減価償却費が計上できます。
 

では、一連の流れを具体的に仕訳で見てみましょう。

・自動車購入時

事業用で使う車を期首に100万円で、普通預金から購入した。
 

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
車両運搬具 1,000,000円 普通預金 1,000,000円 自動車購入

自動車の購入価格は、「車両運搬具」という固定資産の科目で処理します。この時点では、まだ、経費の計上はありません。
※今回は分かりやすいように、本体価格のみとして仕訳しましたが、実際にはリサイクル料や自賠責保険、重量税などその他の支出もあります。これらは、預り金や保険料、車両費などの科目で処理します。

・期末の仕訳

期末に、減価償却の計算を行った。今年経費になるのは25万円だった。
 

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
減価償却費 250,000円 車両運搬具 250,000円 当期償却額

減価償却費を計上することで、初めて経費計上をすることができます。
 

減価償却には、資産の帳簿価額を直接減らす「直接法」と帳簿価額を減らさない「間接法」の2つがあります。この仕訳は、直接法の場合です。間接法では、貸方勘定科目が車両運搬具ではなく、「減価償却累計額」になります。
 

直接法と間接法はどちらを選択しても問題ありません。会社によって、管理しやすい方法で処理します。

車のサブスクにおける経費計上

次に、車のサブスクを利用した場合の経費計上について見ていきましょう。
 

車のサブスクを利用した場合、利用者は車の所有者になるわけではありません。あくまで、車の所有者はリース会社です。利用者は、サービスの利用料を支払っているにすぎないので、毎月の支払額の全額を経費にすることができます。
 

では、一連の流れを具体的に仕訳で見てみましょう。

・利用料支払時

車のサブスクを利用し、利用料10万円を普通預金から支払った。
 

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
リース料 100,000円 普通預金 100,000円 利用料の支払

借方勘定科目は「リース料」や「賃貸料」などの経費の科目で処理をします。車のサブスクを利用した際の仕訳は、車を購入した場合の仕訳に比べて、簡単になります。

まとめ

車のサブスクとは毎月、定額料金を支払えば、リース会社が所有する車が乗り放題になるというサービスです。

車のサブスクには、諸経費一式が含まれているプランとそうでないものがあります。「諸経費一式」とは、税金などの維持費がサブスク料金に含まれているものです。そのため、税金などの維持費がかからない、もしくは負担が少なくなります。ただし、税金などの維持費がかからない分、利用料金が高くなっているケースもあるので、注意しましょう。

車を所有する場合には、「自動車税」「環境性能割」「重量税」「消費税」「印紙代」などの税金がかかります。また、経費面から見ても、車のサブスクが利用料の全額が支払時に経費になるのに対して、車の購入代金は、全額が購入時に経費になりません。

車の購入かサブスクの利用かで迷っている場合は、経費計上についても考慮する必要があるでしょう。

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