11月18日に総務省が発表した10月の消費者物価指数は、40年8カ月ぶりの大幅な上昇となりました。1982年2月以来の歴史的な上昇幅となり、今年4月に2%を突破してからわずか半年で3.6%を超えました。
2021年から続く光熱費・食料品の値上がり
家庭で消費するモノやサービスの値動きをみる「消費者物価指数」。
値上げラッシュとなった10月は、天候による変動が大きい生鮮食品を除き、去年10月と比較して3.6%上回りました。原油価格高騰に伴い、ガス代が26.8%、電気代が20.9%とエネルギー価格の上昇が続き、また原材料や急速な円安の影響で食用油や食パン、からあげなど生鮮食品を除く食料が5.9%、エアコンなどの家庭用耐久財が11.8%上昇しました。
エネルギー | 15.2% |
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都市ガス代 | 26.8% |
電気代 | 20.9% |
ガソリン代 | 2.9% |
生鮮除く食料 | 5.9% |
食用油 | 35.6% |
スパゲッティ | 19.5% |
酒類 | 5.0% |
家庭用耐久財 | 11.8% |
エアコン | 13.3% |
2021年の値上げはコロナ禍で物資の需給バランスが崩れたことが要因とされていますが、2022年に入ってからはロシアのウクライナ侵攻による資源高に加え、円安進行が輸入物価の上昇に拍車をかけたことにより、さらなる値上げに繋がったと推測されています。
こうした値上げが続くなか、従業員の生活を支援しようと「インフレ手当」を支給する企業が増えているそうです。
「インフレ手当」は、急激な物価上昇を背景に、今年に入って一部の企業が導入を決めた新しい制度です。従業員の不安を取り除き、仕事へのモチベーションを高めるなどの狙いがあるものとみられます。
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まとめ
物価高とエネルギー価格の高騰が家計を直撃しています。
10月末に発表された総合経済対策の目玉のひとつ「電気代をはじめ、ガス代、ガソリン代など標準的な家庭で年間4万5千円の負担を軽減させる」という策が今後どう絡んでくるのか、注視しましょう。