2021年度分の学校や学習塾などの費用を合わせた子供1人当たりの1年間の「学習費」が、公立・私立小中高でそれぞれ過去最高額となったことが、文部科学省の調査で分かりました。
公立と私立の学習費総額の差は小学校で4.7倍
文部科学省が2年に一度実施している「子どもの学習費調査」。
この調査は、子どもを全国の公立または私立の幼稚園から高等学校に通学させている保護者を対象に実施しており、子ども一人当たりにかける年間経費を年収の実態とともに調査しているそうです。
新型コロナウイルスの影響で2020年度は、中止されており、前回の2018年から約3年ぶりの調査となったようです。
公立 | 私立 | |
---|---|---|
幼稚園 | 16万5000円 (22万3000円) |
30万8000円 (52万7000円) |
小学校 | 35万2000円 (32万1000円) |
166万6000円 (159万8000円) |
中学校 | 53万8000円 (48万8000円) |
143万6000円 (140万6000円) |
高校 | 51万2000円 (45万7000円) |
105万4000円 (96万9000円) |
文部科学省の調査によると、学校や塾、習い事などの学習費の総額は、公立の小学校でおよそ35万円、私立の小学校でおよそ167万円と公立・私立の小中学校で過去最高となったそうです。なかでも公立の小学生の年間の塾の費用は平均約8万1000円、私立の小学生は約27万4000円でどちらも過去最高となり、文部科学省は「新型コロナウイルス感染症の拡大で学校の授業が制限された分を補うため、塾の費用が増えたことが学習費総額が増えた要因の1つ」としています。
2018年度に行われた前回の調査の後に、消費税増税などの影響もあり、塾への支出が膨らんだことも一因とみています。一方で、公立・私立幼稚園の学習費は2019年から始まった幼児教育の無償化もあり過去最少額となっています。
また、学習費の総額については、幼稚園から高校までの15年間すべて私立に通った場合の平均額はおよそ1838万円で、すべて公立に通った場合のおよそ574万円と比べると私立の方がおよそ3.2倍高くなっているとしています。