政府は脱炭素政策の資金を集めるため、新しい種類の国債を発行する方向で調整に入っていることを明らかにしました。2023年度から2032年度まで発行して20兆円規模を調達する予定で、集めた資金の使い道を脱炭素事業に絞った国債にするとしています。
そもそも国債とは
国債とは、国が発行する債券のことを指します。国は、予算の資金を集めるためなどの理由で国債を発行します。出資者が国債を購入することで、国にお金が入ってきます。ただし、満期になると額面金額を返済しなければならないため、国債はいわば国の借金といえます。
国債は、国の発行する債券ですが、実は購入できる人が限定されているものがあるなど、いくつかの種類に分かれます。
詳しくは、「国債投資とは?メリット・デメリットやリスクまで徹底解説」の記事をご覧ください。
今秋にも移行債が発行予定
国債には、道路や橋などに使われる「建設国債」や歳入の不足を補う「赤字国債」、東日本大震災対応の「復興債」などと種類がありますが、市場では同じ商品の「国債」として発行されており、買い手には区別がないとされています。
一方で「移行債」は、国際機関での認証を得て、投資家が通常の「国債」と区別できるようにする。脱炭素社会への段階的な移行を後押しすることを投資家にアピールし、通常の国債より低い金利で出す狙いがあるとしています。
また欧州を中心に多くの国で国債として発行されているのは、集めたお金を太陽光や風力発電など再生可能エネルギーへの投資に限る「環境債」であるのに対し、現在日本政府が検討しているのは「移行債」とされています。
その理由として、日本は火力発電への依存度が他の主要国と比べて高く、それを一気に再生可能エネルギーによる発電に切り替えるのは不可能とされていることもあり、多様な投資にも利用でき、脱炭素社会への移行を助ける目的で資金を集める移行債として国債を発行することを目指しているようです。
移行債の発行に当たっては、経済産業省や金融庁と連携し、早ければ今秋にも発行するとみられています。
発行するのは10年債や20年債など比較的長期の国債とし、来年度は1.6兆円、今後10年で計20兆円を発行する方針としています。
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