出産育児一時金の財源に確定?後期高齢者医療制度の保険料が引き上げへ | MONEYIZM
 

出産育児一時金の財源に確定?後期高齢者医療制度の保険料が引き上げへ

75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度の保険料の上限額引き上げなどを盛り込んだ健康保険法の改正案が、4月13日に行われた衆議院本会議で賛成多数で可決されました。政府は、6月21日までの今国会会期中に改正案を成立するとしています。

後期高齢者医療制度の仕組みとは

後期高齢者医療制度は、平成20年(2008年)に高齢化による医療費増加を社会全体で支える仕組みとして75歳以上を対象に創設されました。以来、74歳以下の現役世代が負担する後期高齢者支援金は大きく増加し、現役世代は制度創設時に比べ、負担が1.7倍になりました。
加えて、令和7年(2025年)までに、戦後の昭和22年〜24年(1947年〜1949年)に生まれた世代である「団塊の世代」が後期高齢者となります。ますます74歳以下の現役世代の負担が大きくなることは避けられないと言われています。
令和4年(2022年)10月には、現役並みに一定以上の所得がある後期高齢者に限り、医療費の窓口負担が1割から2割へと引き上げられました。
 

後期高齢者医療制度については、「75歳以上は2割に!?後期高齢者の医療費自己負担はどう変わる?」をご覧ください。

保険料引き上げは2024年度から2年かけて段階的に実施

2023年4月1日より50万円に増額された出産育児一時金の財源に充てるため、政府は後期高齢者医療制度の保険料の上限額引き上げなどを盛り込んだ健康保険法の改正を検討しているようです。
 

仮に改正案が成立した場合は、現在の上限66万円から2024年度までに6万円増の73万円、2025年度には14万円増の80万円に引き上げる方針で、75歳以上のうち、年金収入が年間で153万円を超える約4割の人の保険料が増えるとされています。
 

今回の改正案は、これまで74歳以下の現役世代が負担していた出産育児一時金の財源を、後期高齢者医療制度からも捻出するため、所得などに応じて支払う保険料の上限額を段階的に引き上げるとしています。
少子高齢化が進むなか、高齢者の医療費財源の半分弱を賄っている現役世代の負担を軽減する狙いがあるとしています。
 

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