政府は5月16日に「物価問題に関する関係閣僚会議」を開き、東京電力など電力大手7社が燃料費高騰を背景に2022年11月頃から申請していた家庭向け規制料金の値上げを正式に了承したことが分かりました。
これにより、6月1日より電気料金の値上げが確定したことになります。
6月から14~42%の値上げ
電気料金の値上げを政府に申請していたのは、中部電力・関西電力・九州電力を除く大手電力会社10社のうち7社で、東北電力・北陸電力・中国電力・四国電力・沖縄電力の5社は4月からの値上げ、東京電力と北海道電力の2社は6月からの値上げを申請していました。
しかし2月に行われた「物価・賃金・生活総合対策本部」の会合で、岸田首相が「4月という日程ありきではなく、厳格かつ丁寧な査定による審査を行ってほしい」という発言をしたことを受け、経済産業省は「厳格・丁寧な審査」をすると表明。その影響もあり、家庭向け電気料金の値上げ審査が長引いていました。
政府の了承を得たことで、経済産業省は各社が再申請する引き上げ幅を認可し、6月1日に値上げを実施する見通しです。
電力7社の標準家庭の値上げ率 | |
北海道 | 21% |
東北 | 24% |
東京 | 14% |
北陸 | 42% |
中国 | 29% |
四国 | 25% |
沖縄 | 38% |
経済産業省が16日に示した標準的な家庭における電気料金の値上げ幅は北陸が最大で、東京電力が最小となっています。
大手7電力が当初申請した値上げ幅は、平均26.8~43.4%からさらに圧縮した形となりました。
値上げの実施には経済産業省と消費者庁の協議が必要とされていましたが、大手電力会社でカルテルや顧客情報の不正閲覧といった不祥事が電気料金に与えた影響について明らかにするよう消費者庁が求めて両省庁が対立。経済産業省が影響について一定の検証結果を示したことや、値上げ後の各社の経営効率化の取り組みについても調べる方針を示したことなどから、両者が折り合い電気料金の値上げが進捗したようです。