「児童手当」18歳まで月1万円支給へ!新たな財源として「こども特例公債」の発行方針を固める | MONEYIZM
 

「児童手当」18歳まで月1万円支給へ!新たな財源として「こども特例公債」の発行方針を固める

政府は、5月23日に岸田文雄首相が掲げる「異次元の少子化対策」の目玉政策のひとつでもある児童手当について、新たに18歳まで月1万円を支給する方向で調整に入ったことを明らかにしました。
また、少子化対策の財源として、国債の一種である「こども特例公債」(仮称)を約2年間に渡り発行することもわかりました。

児童手当「18歳まで引き上げで月1万円支給・所得制限撤廃」の方向で調整

児童手当は子育て世帯への経済的支援のひとつで、子どもが生まれてから中学校卒業まで(0〜15歳)の間、年齢に応じた金額を世帯ごとに受け取れます。給付額は、第1子と第2子は1人当たり月額1万円(0〜2歳は一律1万5千円)、第3子以降は月額1万5千円、中学生以降は月額1万円が支給されています。
同手当には、所得制限が設けられており、世帯主の年収が960万円程度(子ども2人と専業主婦(夫)世帯の場合)を上回る場合は特例給付の対象となり、支給額は子ども1人につき月額一律5,000円となります。
また、2022年10月には、世帯主の年収が1,200万円程度を上回る世帯は特例給付から外れ、児童手当が支給されなくなっていました。
 

政府が3月末に発表した「異次元の少子化対策」のたたき台では、所得制限を撤廃し、対象をすべての子どもに拡大するとの明記がされました。手当がもらえる年齢も高校生(18歳)まで引き上げ、月1万円を支給する方向で調整に入ったとしています。
 

児童手当の支給対象となる子どもは全国で約1,600万人(2021年度)とされ、給付総額は約2兆円に上るようです。少子化対策の財源について、政府内では、企業と従業員が折半する社会保険料に上乗せして徴収する案や、別の企業拠出金を増額する案などが検討されていました。しかし世論から厳しい声が挙がっていたこともあり、政府は、国債の一種である「こども特例公債」(仮称)を少子化対策の財源確保までの約2年間にわたって発行する方針を固めたことを明らかにしました。
あわせて社会全体で子育て世帯を支えるため、社会保険料を引き上げて財源とする「支援金制度」(仮称)も創設するとしています。6月に閣議決定する「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に盛り込まれる見通しのようです。
 

こども特例公債は、将来、社会保険料を引き上げることなどで確保する財源で償還する「つなぎ国債」とする方針で、子ども関連予算を一元的に管理する目的で創設する特別会計「こども金庫」(仮称)で発行、管理されるそうです。
 

マネーイズム編集部
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