政府は、新しい様式のマイナンバーカードを2026年に導入する方向で考えていることを明らかにしました。2016年から交付が始まったマイナンバーカードは、交付当初に取得した人たちが2026年に更新時期を迎えることから、セキュリティを高めた新しいカードの導入を目指すとしています。
暗号技術の採用が焦点
新マイナンバーカードの導入案については、6月上旬にも公表する「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の原案に盛り込む方向のようです。
原案には、マイナンバーカードについて「暗号アルゴリズム、偽装防止技術を含めた券面デザインについて必要な見直しを行う」と明記し、偽造を難しくする暗号技術の採用などの検討を進めるとみられています。
また安心してカードを持ち歩けるようにするために、氏名や性別、12桁のマイナンバー(個人番号)など現行のカードに記載されている情報についても、本人であることを証明する機能(電子証明書等)を残しながら、今後記載する情報を精査していくという。
重点計画にはマイナンバーカードの利用促進策も盛り込む見込みで、コンサートなどのチケットの転売防止や図書館の利用者カードとしての活用を検討事項として記載するそうです。
さらに、2024年度末までに導入するとしているマイナンバーカードと運転免許証の一体化では、スマートフォンに運転免許証の情報を記録する「モバイル運転免許証」の実現に向けて検討を進めるとしています。
マイナンバーカードを巡っては、コンビニでの証明書の誤交付やマイナ保険証に別人の情報が紐づけられる、関連サービスでトラブルが相次いでいます。混乱が続くなか、6月2日には来秋に現行の健康保険証を原則廃止することなどを盛り込んだマイナンバー法など関連の改正法が成立したばかり。引き続き、今後の動向を注視しましょう。