任天堂が8月3日に2024年3月期第1四半期の連結決算を発表しました。
2023年4月1日から6月30日までの期間において、売上高は前年同期比50%増の4613億4100万円となりました。営業利益は前年同期比82.4%増の1854億4100万円、経常利益は前年同期比52.2%増の2537億6600万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比52.1%増の1810億1900万円となりました。
また1株当たり四半期純利益は155円48銭となり、前年同期比で101円85銭増加しています。
新作ゲームと映画が大ヒット
この期間に、世界中で大ヒットしたゲーム「ゼルダの伝説」と映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」により、営業利益と純利益が過去最高に達するとの見通しです。特に、ゼルダの新作は発売からわずか3日間で1000万本を売り上げ、これは任天堂のゲーム機向けで発売3日間では歴代最高記録の「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」と同じ水準の好調なスタートです。
またマリオの映画も世界興行収入が約1900億円(7月末時点)を突破するなど、驚異的な成功を収めました。
ゼルダの新作の価格についても注目されましたが、米国での直販価格は69.99ドルと前作より10.99ドル値上げしました。これにより利益率の向上が期待されています。
専門家の予想では、ゼルダの新作だけで世界で1500万〜2000万本の販売が見込まれ、営業利益に1000億円近くの貢献があると評価されています。さらに、マリオの映画の成功によって営業利益に100億〜300億円程度がプラスされる見込みとされています。
為替差益や資産の評価益も純利益に寄与しており、円安の進行によってドル建てユーロ建ての資産の評価益が数百億円規模に上る可能性が指摘されています。
一方で、家庭用ゲーム機は「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」の後継機へのバトンタッチが課題となっています。
スイッチの後継機の価格が高騰する見通しであり、価格へのユーザーの反応には慎重な姿勢が必要とされています。スイッチは発売から7年目を迎え、後継機に対する市場の期待が高まっています。
このように、任天堂はゼルダの新作とマリオの映画のヒットによって業績が大幅に向上していますが、一方でスイッチの後継機についての発表や価格設定などが、今後の同社の成長に大きな影響を与えることが予想されます。
今後の見通しとして2024年3月期の連結業績予想(2023年4月1日~2024年3月31日)では、売上高が前期比で9.5%減の1兆4500億円、営業利益が前期比で10.8%減の4500億円、経常利益が前期比で20.1%減の4800億円、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比で21.4%減の3400億円と予測されています。また、1株当たり当期純利益は292円4銭となる見込みです。
これらの数字から、2024年3月期においては売上高や利益が前期よりも減少する見通しとなっており、今後の経営に対して慎重な姿勢が求められるでしょう。
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