ミニ株・単元未満株とは、日本株において1単元(100株)に満たない株でも取引できるサービスです。「S株」「まめ株」など証券会社によって呼び方が異なります。
ミニ株・単元未満株には手数料が割高で「手数料負け」してしまう・注文方法や取引時間が限られるなどのデメリットがある一方で、少額で株式投資ができるなどメリットも存在します。
ミニ株・単元未満株の概要とメリット・デメリット、知っておきたいポイントや体験談を解説していきます。
ミニ株・単元未満株とは
新NISAで注目を集めるミニ株・単元未満株
単元未満株とは、1株から株式を売買できるサービスです。
SBI証券・楽天証券・マネックス証券などネット証券会社を中心に展開されています。
日本では2001年から単元株制度が導入され、企業が定めた「1単元」の株式数で取引されることになりました。
2018年10月から売買単位が100株に統一され、1単元=100株となりました。
例えば1株5,000円の場合、最低購入金額は500,000円です。
単元株制度は「投資に回せるお金が少ないから購入できない」「少額を分散して投資したいから買う気になれない」など投資家にとってデメリットが存在します。
しかし単元未満株は1株から購入できますので、上記の場合5,000円で株式を買うことが可能です。
「ミニ株」は、単元未満株と同じ意味合いで使われていることが多いです。しかし「株式ミニ投資」という10株から購入できるサービスを指すこともありますので注意しましょう。
証券会社別のミニ株・単元未満株の呼び方は以下のとおりです。
証券会社 | 呼び方 |
---|---|
SBI証券 | S株 |
楽天証券 | かぶミニ™ |
マネックス証券 | ワン株 |
野村證券 | まめ株 |
auカブコム証券 | プチ株® |
新NISA制度が始まるにあたって、ミニ株や単元未満株に興味をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
メリット・デメリットを知っておきましょう。
ミニ株・単元未満株にはメリット・デメリットがある
ミニ株・単元未満株には以下のメリット・デメリットがあります。
● 少額で株式投資ができる
● 分散投資がしやすい
● 実際に株式投資を体験できる
● 配当金がもらえる
デメリット
● 手数料が割高で「手数料負け」してしまうことも
● ミニ株・単元未満株に対応している証券会社を選ぶ必要がある
● 取引時間・注文方法などが限定される
● 株主優待が受けられないことがある
● 議決権の行使ができない
詳しく見ていきましょう。
ミニ株・単元未満株のデメリット、始める前に知っておきたいこと
ミニ株・単元未満株のデメリット
ミニ株・単元未満株は、手数料が割高ですので投資による利益が手数料を下回る「手数料負け」状態となり結果的に損をしてしまう可能性があります。
また1単元(100株)の取引と比べリターンが低い傾向にあります。ただし、リスクとリターンは密接な関係にありますのでリターンが低い分リスクもおさえることが可能です。
証券会社・銘柄・注文方法が限定されるといったデメリットもあります。口座を開設している証券会社でミニ株・単元未満株を取り扱っていない場合、対応している証券会社で口座開設をしなくてはいけません。
「欲しい株式がミニ株・単元未満株に対応していない」ということもあるでしょう。
楽天証券ではリアルタイムで取引が可能ですが、多くの証券会社ではリアルタイム取引が不可能です。売買時間が決まっており、指値注文もできません。
多くの場合、株主優待は1単元からとなっていますので株主優待が受けられない点にも注意しましょう。議決権の行使も不可能です。
短期の取引や優待目当ての投資としては不向きといえるでしょう。
ミニ株・単元未満株を始める前に知っておきたいポイント
ミニ株・単元未満株を始める前には以下のポイントをおさえておきましょう。
2. 口座を持つ証券会社が対応していない場合、対応している証券会社の口座を開設する必要がある
3. 指し値注文ができないので短期の投資は難しい
4. 株主優待が受けられない企業が多い
5. 配当金はもらえる
あらかじめ現在口座を開設している証券会社で取り扱っているか、希望する銘柄はミニ株・単元未満株で購入できるかを調べておきましょう。
ミニ株・単元未満株には、少額から購入できるなどのメリットがある
ミニ株・単元未満株は上記のようなデメリットや注意点がありますが、少額から購入できる、分散投資しやすいなどのメリットもあります。
ミニ株・単元未満株のメリット
ミニ株・単元未満株は通常の100分の1の資金で取引ができます。
よって少額から株式を売買できます。デモトレードとは異なり、実際に株式投資を体験でき資産も増減します。
分散投資がしやすい点もメリットです。
例えば100株を食品メーカーのA株式会社に投資するよりも、A株式会社の株式を50株・自動車メーカーのB株式会社を50株購入する方がリスクを軽減できます。
その分リターンも低くなりますが、低リスク・低リターンの投資を希望する方には適しているでしょう。
特に株式投資は投資信託・債券などと比べリスクが高めの傾向にありますので、リスクの軽減は重要です。
保有する株数に応じて、配当金をもらうことも可能です。
買い付け手数料が無料のネット証券会社が増えている
ミニ株・単元未満株は、1単元の取引に比べて手数料が割高の傾向にあります。
ただし最近はネット証券会社を中心に、ミニ株・単元未満株の買い付け手数料を無料にする証券会社が増えています。
買い付け | 売却 | |
---|---|---|
SBI証券 | 0円 | 手数料率:0.55% 最低手数料55円 |
楽天証券 | 0円 | 1回11円 |
マネックス証券 | 0円 | 手数料率:0.55% 最低手数料55円 |
売却には手数料がかかりますが「手数料負け」のリスクが軽減されます。
ミニ株・単元未満株の体験談
ミニ株・単元未満株の取引を行った筆者の体験談をお伝えしていきます。
筆者は米国株・ETF・投資信託などを中心に投資をしてきました。米国株は日本株とは異なり、単元株制度を設けていないため1株から購入が可能というメリットがあります。
しかし、為替レートの変動が気になり日本株が上昇傾向にあるため単元未満株を購入しました。
長期の利益を期待し、購入する銘柄はトヨタ自動車にしました。
上の図では赤丸で示した2023年1月26日に1,893円で買い付けました。長期で保有するつもりでしたが、2月22日に元本割れをしてから怖くなり3月9日に1,919.5円で売却しました。
マネックス証券にて無料で買い付け、利益は26.5円ですが売却に55円かかり「手数料負け」になってしまいました。
2023年7月14日の終値は2,218円ですので「予定通り長期で保有すれば良かった」と思っています。売買のタイミングによってはリターンを得られるでしょう。
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まとめ
ミニ株・単元未満株には手数料が割高、注文方法・取引時間が限定されるなどのデメリットがありますが少額から株式投資ができる点は大きなメリットといえます。新NISAが始まる前に、ミニ株・単元未満株のメリット・デメリット・おさえておきたいポイントを把握しておきましょう。