9月12日、デジタル庁は、政府と地方自治体が共同で利用する政府クラウド「ガバメントクラウド」における2023年度サービス提供事業者の公募を開始しました。
今回の公募では選定方式が見直され、昨年度までは米IT大手だけが選ばれていたサービス提供事業者への国内企業の参入が期待されています。
デジタル庁が推進する情報システム「ガバメントクラウド」とは?
ガバメントクラウドとは、2021年9月に発足したデジタル庁によって設置された情報システムのことで、マイナンバーカードの普及などによる行政サービスのオンライン手続きで必要とされています。
現在、ガバメントクラウドはさまざまな場所で活用されており、スマートフォンなどを用いてで行政手続きをオンラインで行えたり、データを連携させることで関連手続きをまとめて行えたりなどの役割を果たしています。
そんなガバメントクラウドのサービス提供事業者に応募する場合、2022年度の公募までは、300以上の技術要件やデータ分析やAI活用など24の必須機能を、1社ですべて満たす必要がありました。
そのため、日本企業がサービス提供事業者として参入できず、これまで応募資格を満たして採用された4社は、すべて「メガクラウド」と呼ばれる米IT大手なのです。
2022年度までにガバメントクラウドのサービス提供事業者として選ばれた企業は、以下のとおりです。
- Microsoft(マイクロソフト)
- Oracle(オラクル)
- Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス)
- Google(グーグル)
しかし、2023年度から公募の選定方式を見直し、これまで1社ですべての要件を満たす必要があった技術要件や必須機能などについて、複数企業での共同提供を可能としました。
このことから、クラウドサービス大手であるさくらインターネットや、IT大手のインターネットイニシアティブ(IIJ)は、「前向きに応募を検討している」「登録を目指したい」などと回答しており、国内企業も公募に対する前向きな姿勢を示しています。
また、今回ガバメントクラウドの公募における要件を緩和した背景には、与党内で経済安全保障上の観点からクラウドの国産化を求める声が挙がったことや、デジタル庁が5~6月に実施した意見募集で、事業者から「複数のクラウドサービス事業者が連携提供をする形態」を求める声が出たことにあります。
ガバメントクラウドの2023年度におけるサービス提供事業者の公募は、9月12日から10月12日まで募集され、10月下旬に提供事業者を決定する方針です。
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