10月から導入される消費税のインボイス(適格請求書)制度に反対する声が高まっています。9月25日、東京・永田町の首相官邸前で、フリーランスや個人事業主を中心とした大規模な抗議集会が行われました。
インボイス制度は弱い者いじめの増税?フリーランスらが声を上げる
集会は「インボイス制度を考えるフリーランスの会」が主催。会のメンバーから「岸田文雄首相の耳に『ストップインボイス』の声を届ける」という熱意を持った挨拶があり、参加者からは拍手が巻き起こりました。漫画家の由高れおんさんをはじめ役者、英会話教師、食事宅配サービスの配達員など多数のフリーランスがマイクを握り、制度導入による減収や夢を追い求める人たちの窮状を訴えました。
インボイス制度は、事業者間取引時に商品の売り手が消費税の適用税率や税額を記載した請求書を買い手に発行する制度です。これには税務署への登録が必要となるため、売上高が年1千万円以下の「免税事業者」がこの制度に登録した場合、新たな税負担が発生する懸念が指摘されています。フリーランスらは「インボイスは弱い者いじめの増税だ」「死活問題」「働く者のための税制を考えて」と声を上げ、約1000人が集まり連帯を示しました。制度の概要ついては「インボイスに登録すると手取りが減るの?制度を正しく知って備えよう」をご覧ください。
日頃、フリーランスの方たちと仕事をしているある経営者は「会社員の人も関係ないわけじゃない。漫画、アニメ、生活を彩るさまざまなカルチャーが奪われてしまうかもしれない制度に反対!」と強く訴えました。
この制度に反対する声はインターネット上でも高まっています。オンライン署名サイト「Change.org」で「《#STOPインボイス》多様な働き方とカルチャーを衰退させるインボイス制度に抗議します」という署名が開始され、9月27日午後5時時点で53万筆を突破。Change.org日本版開始以来、過去最多の賛同数となっており、コロナ禍に東京五輪開催に反対する署名数46万5481筆を超え、これまでの最多賛同数を更新しています。
インボイス制度の導入による影響は深刻であり、多くのフリーランスや個人事業主、小規模事業者がその対象になります。制度導入の前に、すでに国民から懸念や抗議の声が多数上がっており、今後の政府の対応が注目されます。