9月24日、大阪・関西万博の建設費が1,850億円から2,300億円と、450億円ほど増える見通しであることが明らかとなりました。万博会場の当初の建設費は、1,250億円を想定していたことから、当初の計画よりもおよそ1.8倍増加したと言えます。会場建設費の上振れは、今回で2度目です。
大阪・関西万博の建設費はさらに増える可能性がある
大阪・関西万博の会場建設費は、2018年当初は1250億円だったが、設備の設計変更や暑さ対策が必要になるとして、2020年12月に政府が約1.5倍の1850億円に引き上げた経緯があります。そして今回、450億円ほど上振れて2,300億円となりました。
大阪・関西万博は、2025年に開催される予定で、今回の建設費増額においても、従来どおり国や大阪府・大阪市、経済界の三者で等分して負担する予定です。しかし、国や市の負担が増えることは、国民の負担が増えることにつながります。
さらに、経済界では、各企業に対して追加で寄付を募ることが考えられており、寄付が十分に集まらなかった場合は、1970年の大阪万博の収益金で積み立てた「日本万国博覧会記念基金」の一部を利用することも考えられています。
また、大阪・関西万博の建設費が当初から1.8倍に膨らんだ原因は、以下のとおりです。
- 急激な円安を背景に資材価格が上がったこと
- 人材難による人件費の高騰
- 設備の設計変更や暑さ対策
今回の大阪・関西万博の建設費増額について、西村経済産業相は「建設費は博覧会協会によって精査されている状態。必要であれば国・自治体・経済界で対応を協議していく」と述べています。
一方、大阪市議会の横山市長は、建設費がさらに増額となった場合に国が責任を持った対応をするとした意見書について、「重要な意見書として認識しないといけない。ですが、資材の高騰は2〜3年前には想定できないほど値上がりしている。費用負担についてはこのような議論を尊重しつつ、精査の結果をしっかりと待ちたい。」と述べました。
なお、意見書とは、住民の代表機関としての議会の意見をまとめたもので、国会や行政庁などに提出される文書のことです。
また、安倍元首相の銃撃事件などを受け、警備費も数百億円規模で上振れする可能性も考えられています。したがって、運営費や会場建設費とは別枠での費用が必要となり、国民の負担がさらに増える可能性もあるでしょう。
しかし、大阪・関西万博の経済効果には期待が高まっており、アジア太平洋研究所の「アジア太平洋と関西~関西経済白書2022」によると、経済効果は2兆9,182億円に及ぶとされているため、これから議論を進めるうえで、建設費にかかる具体的な説明や、国や大阪府・大阪市、経済界の負担割合、建設後の経済効果を考慮する必要があると言われています。
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【3分でわかるニュース】国民の負担は1600億円?!大阪万博の建設費がまた増加!
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- 大阪万博の会場建設費が450億円上振れ!当初からは1.8倍増加