クリエイター支援!フォートナイト最新プログラム大解剖 | MONEYIZM
 

クリエイター支援!フォートナイト最新プログラム大解剖

フォートナイト公式サイト より(https://www.fortnite.com/)

フォートナイトでクリエイターを支援するための新しいプログラムが発表されました。この取り組みにより、一部のクリエイターは大幅な収益アップが望めます。ではなぜフォートナイトで新しいクリエイター支援プログラムが実施されたのでしょうか。
 

この記事ではフォートナイトのクリエイター支援プログラムの目的と、フォートナイトの将来について解説します。
 

※記事の内容は2023年8月末時点の情報を元に作成したものであり、現在の内容と異なる場合があります。

フォートナイトの現状と取り組み

フォートナイトは世界的に人気のゲームであり、子どもから大人まで多くのプレイヤーが参加しています。ここではそのフォートナイトの現状と取り組みについて解説します。

世界での人気と成長

フォートナイトは、世界中で人気を集めているオンラインゲームです。このゲームは、プレイヤーが他のプレイヤーと対戦しながら生き残ることを目指すもので、その独特なゲームプレイとバトルロイヤル形式が多くの人々を魅了しています。
 

フォートナイトの人気は、その成長とともにますます高まっています。ゲームは定期的にアップデートされ、新しい要素やイベントが実施されているのが現状です。また、有名なスポーツ選手や芸能人がフォートナイトをプレイする動画を配信するなど、メディアでも注目を浴びています。
 

このゲームの人気の理由の一つは、誰でも手軽に楽しめる点です。フォートナイトは無料でプレイできるため、多くの人が気軽に始められます。またゲーム内で使用するアイテムやスキン(キャラクターの見た目一式)などを購入することもでき、プレイヤーは自分自身を個性的にカスタマイズ可能です。
 

さらにフォートナイトはクロスプラットフォームに対応しているため、異なるゲーム機やスマートフォンでプレイしている友達と一緒に遊べるのが特徴です。これにより、さまざまなプレイヤーがつながり、コミュニティが形成されています。
 

実際、フォートナイトの月間のアクティブユーザー数は7,000万人を超えており、ユーザー数は5億人と言われています(2023年3月時点)。

日本人選手の活躍

フォートナイトは世界的に人気のゲームであり、日本も例外ではありません。日本ではeスポーツプレイヤーを育成する専門学校を開設して、プレイヤーの育成をしています。
 

また大規模国際大会「全豪オープン サマースマッシュ2020」で日本人選手がはじめて優勝しました。今後も日本人選手が活躍する可能性はあります。

日本企業とのコラボレーション

フォートナイトは企業とのコラボも盛んに行っています。日本企業もその例外ではありません。たとえばホンダとコラボしてクリエイティブモードでアクションゲームを作成したり、週刊少年ジャンプの人気作品である「呪術廻戦」とコラボして人気キャラクターが登場したりしています。
 

またシンガーソングライターの星野源がフォートナイトの「サウンドウェーブシリーズ」で音楽を披露するなど、日本での人気を活用して、企業とのコラボを実現させているのが現状です。

クリエイター収益の40%を還元する新プログラム

フォートナイトを運営するEpic Gamesは、2023年3月22日、クリエイター収益の40%を還元する新プログラムを発表しました。ここではその概要とEpic Gamesが得る利益について解説します。

Creator Economy 2.0の概要と目的

Creator Economy 2.0では、ワールドを公開したクリエイターの貢献度に応じて、フォートナイトの純利益の40%を配分することになりました。
 

フォートナイトの純利益とは、フォートナイトがアイテム販売やリアルマネーで得た粗利益から「サードパーティの支払い処理による利幅・手数料」を差し引いたものです。
 

このプログラムは、クリエイターにとって大きなチャンスとなっています。彼らは自分の才能やアイデアを活かして収益を得られます。
 

評価基準としてのエンゲージメントと貢献度

ではどのように評価して収益を割り当てるのでしょうか。そこで用いられるのがエンゲージメント配当です。エンゲージメント配当とは、島の制作に関して行われるプレイヤーに対する報酬制度です。
 

エンゲージメント配当の計算は、プレイヤー数とプレイヤーの定着度に分けられます。
 

  • プレイヤー数: 新規プレイヤーを引き寄せ、離れてしまったプレイヤーの復帰を促す島は、フォートナイトのプレイヤーに愛されている体験であることを示しています。そのため、フォートナイトの新規プレイヤー数と、フォートナイトに復帰したプレイヤー数が計算上の要素となります。
  • プレイヤーの定着率: プレイヤーが毎日・毎週戻ってくるということは、その島がプレイヤーを引き込むゲーム体験であることを示しています。そのため、プレイの継続率および再度プレイするプレイヤーの数が計算上の要素となります。

 
出典:クリエイターエコノミー2.0のご紹介 ❘ Fortnite Creator Portal
 

この変更により、年間配当が10万ドル(1ドル140円換算で約1,400万円)以上となるクリエイターは、200人を超えると言われています。また2023年5月31日は新たにプレイ時間も指標として追加されています(フォートナイト エンゲージメント配当に関する最新情報)。

Epic Gamesが得る利益とメリット

クリエイターに利益が配分されることにより、フォートナイトに参加するクリエイターが増えます。クリエイターに配分される報酬はプレイヤー数と定着度が関係しているため、プレイヤーが増えるような島の制作をしてくれるようになるはずです。
 

プレイヤー数が増えれば、結果としてEpic Gamesの利益は増えることにつながります。これが新しいクリエイター支援プログラムに対するEpic Gamesの利益となります。

フォートナイトの将来

世界的に人気のフォートナイトですが、将来に対する不安や懸念材料もあります。ここでは2つのポイントについて解説します。

フォートナイトのユーザー数は増えていくか

以前問題になったのはAppleとの問題です。アップルストア経由での手数料が高いことに不満を持ったEpic Games側が、フォートナイト内に独自の決済システムを設置しました。
 

そのためApple側はフォートナイトを削除。その結果、ユーザー数が激減したと言われていましたが、現在は増えています。
 

今後は18歳未満へのクリエイターへの配当も検討しており、クリエイターが増えることもあるかもしれません。
 

しかし新しいゲームが登場するたびに、プレイヤーたちは次々と移り変わっていく傾向があります。それに加えて、フォートナイト自体も新しい要素やアップデートを追加しているものの、一部のプレイヤーには飽きが来ているようです。
 

またフォートナイトは他のゲームと比べて競争が激しいとも言われています。プレイヤー同士が戦い、上位にランクインするためには、相当なスキルと熟練を必要とします。これにより、初心者や上級者にとってはハードルが高いと感じる人もいるかもしれません。
 

フォートナイトの将来については、楽観視できないというのが現状であり、そのための新プログラムの発表だと考えられます。

子どもに対する影響の懸念

フォートナイトは子どもにも人気のゲームのため、やりすぎてしまう子どももいます。実際にコロナ化で学校に行かないことをいいことに、夜中までフォートナイトをしていた子どもがいました。
 

お金が稼げるとなれば、学校に行かずにゲームをやり続ける子どもが出てしまう可能性は十分あるでしょう。また確定申告が必要な子どもが増える可能性もあります。バイトをしている高校生が所得48万円を超えることも考えられるため、保護者のチェックが必要になるかもしれません。

まとめ

ここまでフォートナイトの新しいクリエイター支援プログラムについて解説してきました。フォートナイトはまだ世界的に人気なゲームですが、今後もその地位を維持できるかはわかりません。
 

そうした中での新しいクリエイター支援プログラムは、Epic Gamesにとってチャレンジになるでしょう。今後も人気を維持できるのか、注視していく必要があるでしょう。

福井俊保
渋谷区で一から立ち上げたプログラミング教室スモールトレインで代表として、小学生に対するプログラミングと中学受験の指導に従事。またフリーランスのライターとしても活躍。教育関係から副業までさまざまな分野の記事を執筆している。
著書に『AI時代に幸せになる子のすごいプログラミング教育』(自由国民社)、共著で『#学校ってなんだろう』(学事出版)がある。
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