ライドシェアとは?日本ではなぜ禁止?問題点や海外との違いを説明 | MONEYIZM
 

ライドシェアとは?日本ではなぜ禁止?問題点や海外との違いを説明

米国をはじめ、世界各国で浸透してきているライドシェア。日本政府も制度の解禁を検討し始めていることをご存知でしょうか。
 

本記事では、ライドシェアとはどのようなサービスか詳しく解説いたします。また、日本でライドシェアが禁止されている理由なども説明するので、ぜひ参考にしてください。

ライドシェアとは

ライドシェアとは、ドライバーと同じ目的地に行きたい人をマッチングできる「相乗り」サービスです。
 

交通費を相乗りした人と分けられるため、安い値段で移動できます。また、個人が自由なタイミングでドライバーになれるので、スキマ時間を活用してお金を稼ぐことも可能です。

ライドシェアとカーシェアリングの違い

ライドシェアとカーシェアリングの主な違いは、以下のとおりです。
 

項目 ライドシェア カーシェアリング
サービス ドライバーと同乗者をマッチングさせるサービス 事業者もしくは個人が持つ車両とドライバーをマッチングさせるサービス
使う車両 ドライバーが用意した車 事業者が用意した車

 

ライドシェアは、いわゆる「相乗り」をインターネットで便利にしたサービスといえます。一見、レンタカーと似たようなサービスですが、ドライバーも車も個人が提供するので、安価に利用できるのです。
 

一方、カーシェアリングは、車を共有のものとして捉え、みんなで使えるようにしたサービスとなっています。あくまで貸し出されているものは車のみで、ドライバーは自分たちが担わなければいけません。

ライドシェアのメリット

ライドシェアのメリットは、主に以下の3つです。
 

  • 安い費用で移動できる
  • 料金トラブルが少ない
  • 自家用車を使って効率よく稼げる

 

同乗者だけでなく、ドライバーにもメリットがあります。

安い費用で移動できる

ライドシェアを利用すると、相乗り者と高速代やガソリン代などを分けられるため、安価に車両移動ができます。
タクシーやレンタカーよりも、安く移動が可能です。

料金トラブルが少ない

ライドシェアの利用料金は、事前にアプリでキャッシュレス決済するので、料金トラブルが発生しにくいです。乗車後に決済が行われないので、相場より高い料金を請求されるような状況が起こりません。
 

特に海外旅行の際、旅行先のタクシーに乗ったら、法外な料金を請求されたというトラブルを聞いた経験がある方は少なくないのではないでしょうか。しかし、ライドシェアを使って車移動すれば、事前に決済されるため、決済金額以上に支払いを求められることはありません。
 

ライドシェアが広がれば、安心して車移動ができるようになります。

自家用車を使って効率よく稼げる

ライドシェアのドライバー側は、都合のいい時間帯に自家用車を使って利用者を乗せてあげれば、費用をかけずにスキマ時間で稼ぐことができます。
 

副業をしたい方やドライブが趣味の方には、自家用車の有効活用もできて、一石二鳥の嬉しいサービスです。

ライドシェアのデメリット・注意点

ライドシェアのデメリットは、主に以下の2つです。
 

  • 安全面に不安がある
  • いつでも必ずドライバーとマッチングできるわけではない

 

便利で安価な分、デメリットは存在するのでそれぞれ説明します。

安全面に不安がある

ライドシェアは個人がドライバーをすることから、安全面やマナー面の質は人によります。場合によっては、荒い運転だったり、横柄な態度だったりして、気持ちよく利用できない可能性があるので注意してください。
 

また、実際にドライバーによる暴行や強盗、性犯罪などの事件が発生しています。実際に2019年にはUberを利用したアメリカの女子大生が殺害されてしまいました。他にも、中国で大手ライドシェアサービスの滴滴出行(ディディ)を使った女性客が、強姦・殺害されてしまっています。
 

対策として、車載レコーダーを搭載させたり、運転手と乗客の性別を互いに選べるようなサービスが始まりました。このような対策は取られつつあるものの、タクシーと比べると多少のリスクはあります。

いつでも必ずドライバーとマッチングできるわけではない

ライドシェアを利用しても、いつでもどこでも必ずドライバーとマッチングして、目的地に行けるわけではありません。時間帯や移動したい目的地によっては、希望に合うドライバーとマッチングできないことがあります。
 

地方や遠方への移動となると、好きなタイミングにライドシェアは使えないかもしれません。

海外と日本のライドシェアの普及状況

ライドシェアは海外では広く普及しているが、日本ではほとんど普及していません。
 

実際にライドシェアサービスの大手のUberは、すでに世界で800以上の都市に進出しています。しかし、日本の場合、Uberを利用できるものの、Uberと契約しているタクシーを呼べるだけで、個人の車を利用できません。現状、日本でのライドシェアは、一部地域を除いて禁止されています。
 

とはいえ、日本でもライドシェアの実証実験は行われているのです。例えば、マツダは広島県と三次市と連携し、2018年からコネクティビティ技術を活用した移動サービス実証実験を開始しました。山間地域で問題となっている公共交通の空白化を解決するために、ライドシェアを導入し、地域の活性化を狙っています。
 

さらに、2023年になって政府がライドシェアの導入の本格的な検討を発表したため、今後広がっていく可能性は十分あるでしょう。

日本ではライドシェアが禁止されている理由

日本でライドシェアが禁止されている理由は、道路運送法の第78条に違反してしまうためです。
 

第七十八条 自家用自動車(事業用自動車以外の自動車をいう。以下同じ。)は、次に掲げる場合を除き、有償で運送の用に供してはならない。
一 災害のため緊急を要するとき。
二 市町村、特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人その他国土交通省令で定める者が、次条の規定により地域住民又は観光旅客その他の当該地域を来訪する者の運送その他の国土交通省令で定める旅客の運送(以下「自家用有償旅客運送」という。)を行うとき。
三 公共の福祉を確保するためやむを得ない場合において、国土交通大臣の許可を受けて地域又は期間を限定して運送の用に供するとき。

 

なお、上記にも記載のとおり、災害のために緊急を要する場合と、市町村や特定非営利活動法人などが公共の福祉を確保するためにやむを得ない場合は除きます。
 

このため国土交通大臣の許可のない自家用自動車は、有償での運送はできません。

まとめ

ライドシェアは日本ではまだ普及が進んでいないものの、導入を希望する声が多くあがるほど便利なサービスとして知られています。導入されれば、安価に車移動ができるようになり、より快適な暮らしができるようになるでしょう。とはいえ、安全面にはまだまだ課題があるのも事実です。
 

現在、ライドシェアの実証実験が日本で行われているうえ、政府も導入を本格的に検討しています。実際に日本で使えるようになった際は、ぜひ試しに使ってみてはいかがでしょうか。
 

増田賢人
青山学院大学教育人間科学部卒。在学時からFP2級を取得し、お金に関わるジャンルを得意とするライターとして活動。その後、上場企業へ入社し、Webマーケティング担当として従事。現在はお金ジャンルを得意とする専業ライターに転身。「お金の知識は知ってるだけで得する」という経験を幾度もしており、多くの人にお金の基本を身につけてもらいたいと思い執筆を続けている。
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