米企業Open AIが開発した生成AI「ChatGPT」が世間を賑わせていますが、2024年は日本企業が開発したAIサービスが続々とリリースされる予定です。
政府は、2024年に予想される国産AIサービスの普及に向けて、事業者向けのガイドラインを2024年3月までに正式決定し、AIを安全に利用するための規則を確立するとしています。
「NTT」「NEC」「ソフトバンク」の生成AIに注目が集まる
生成AIとは、これまで学習したデータを基に、会話やストーリー、画像、動画、音楽など、さまざまなコンテンツやアイデアを生成できるAIのことです。
そんな豊富なコンテンツを生成してくれる「生成AI」ですが、日本の大手企業各社もサービスのリリースに力を入れています。
2024年にリリースが予定されている主な国産AIサービスは、以下のとおりです。
●日本電信電話株式会社(NTT):「tsuzumi」
∟軽量でありながら世界トップレベルの日本語処理性能を持つ大規模言語モデルで、視覚や聴覚、音声にも対応しており、特定の業界や企業組織に特化したカスタマイズが可能
●日本電気株式会社(NEC):「cotomi」
∟NECが持つ業種・業務ノウハウをもとにした特化モデルを中核とし、各業界に対応した最適な生成AI。日本語対話能力の比較評価(日本語性能の評価方法)では、国内外トップクラスのモデルを上回り、長文処理能力は他社比最大150倍の30万字まで対応可能
●ソフトバンク株式会社:「未発表」
∟日本語に特化した国産大規模言語モデルであり、3,500億パラメーター*の国産大規模言語モデルを目指して開発中。この生成AIは、国内最大級の計算基盤となることが予想されており、サービス開始後は、大学や研究機関、企業などに提供する見通し
また、NTTの「tsuzumi」は2024年3月ごろ、NECの「cotomi」は2024年春ごろに企業向けにサービスを提供しているとし、ソフトバンクについては2024年中にAIシステムを構築する見通しです。
このように、日本の大手企業各社が生成AIの提供を開始する中、政府はAIサービスに関して、「公平性」や「透明性」などのガイドライン10原則を、2023年12月21日に最終案として示しました。
●安全性
●公平性
●プライバシー保護
●セキュリティー確保
●透明性
●アカウンタビリティ(会社説明責任)
●教育・リテラシー
●公正競争確保
●イノベーション
海外ではすでに、生成AIの公開前に厳密なテストを実施するなど、さまざまな基準を設けており、日本においても2024年3月の正式決定までに安全性が担保される仕組み作りを模索していくことが求められています。