米アップルは、2024年2月2日に初のゴーグル型ヘッドマウントディスプレー(HMD)「Vision Pro」を米国で発売することを発表しました。
アップルは、この製品を通じて100万種類以上のアプリを提供し、仮想現実(VR)の普及を促進し、アップル経済圏のさらなる拡大を狙っています。
VR・AR端末の革新、アップルの新製品がテクノロジー体験を一新
Vison Proの予約は、1月19日午前5時(米国西海岸時間)から開始され、2月2日に店頭およびオンラインで販売が始まります。
販売価格は日本円で約50万円となるハイエンド製品であり、日本を含む他の地域では年内に発売される予定です。
このデバイスを装着すると、現実の世界に重ねて巨大なスクリーンが浮かび上がり、3次元(3D)のコンテンツが遅延なく表示され、コントローラーが不要で、目や手の動き、声だけでシームレスな操作が可能になるようです。
Vision Proは、専用の基本ソフト(OS)「visionOS」を搭載しており、iPhoneなどのアプリとの互換性を確保しています。これにより、Vision Proを使用する際にも既存のアプリが利用可能となります。
容量は256GBのストレージを搭載し、視力矯正が必要なユーザー向けに、オプションとして「ZEISSオプティカルインサート」が提供され、価格は99ドル(約1.4万円)、処方箋付きの場合は149ドル(約2.1万円)となるようです。また2つの異なるヘッドストラップが付属しており、Solo Knit BandとDual Loop Bandの2つの選択肢からユーザーが最適なフィット感を選ぶことができます。
アップルの最高経営責任者(CEO)であるティム・クック氏は、「空間コンピューティングの時代が到来した」とコメントし、Vision Proの登場によって新しい時代が訪れたことを強調しました。
そもそもVison Proは、2023年6月の年次開発者会議「WWDC」で初めて披露され、遠隔会議をしながら自動車の設計図を共有したり、高画質の動画を没入感たっぷりに楽しむなど、さまざまな使い方が紹介されました。
またアップルは、コンテンツ供給において米ウォルト・ディズニーと提携しており、さらなるエンターテイメント体験を提供することが期待されています。
Vison Proの登場により、さまざまな場所で巨大ディスプレイを活用できることになり、新たなテクノロジー体験がライフスタイルそのものに大きな変化を与えるかもしれません。
その一方、市場動向に関してはVR・AR端末の2022年の世界販売台数が約880万台と2021年比で21%減少しており、最大手の米メタも販売で苦戦しているという報告があります。
アップルの独自性が市場にどのような変化をもたらすか注目していく必要があるでしょう。