トヨタ自動車は1月29日、グループ会社である「豊田自動織機」でトヨタ向けに生産しているディーゼルエンジンの認証取得に不正があったことを発表しました。
これを受けトヨタ自動車は、国内向け6車種を含む、合わせて10車種の出荷を停止することを決めました。
不正が発覚した車種は「型式指定」の取り消しになる可能性も
認証取得の不正では、自家用車のディーゼルエンジン3機種に対して、認証手続きに必要な出力試験に違反行為が見つかったとされています。
今回、認証手続きに違反行為があったとされる10車種は、以下のとおりです。
- ランドクルーザープラド(生産終了)
- ハイエース
- グランエース
- ダイナ
- ハイラックス(1GDエンジン)
- ハイラックス(2GDエンジン)
- フォーチュナー
- イノーバ
- ランドクルーザー300
- LX500d
他にも、豊田自動織機からエンジンの供給を受けている「ボンゴブローニイバン(マツダ)」や、「デュトロ(日野自動車)」も認証取得に不正があったとされ、出荷停止の対象となっています。
また、トヨタ自動車は、これらの車種を生産している「トヨタ車体株式会社」などが運営する4つの工場の6つの生産ラインを29日の夕方から2月1日まで停止することを決めました。
生産が停止される4つの工場は、以下のとおりです。
- 富士松工場(愛知県刈谷市)
- いなべ工場(三重県いなべ市)
- 吉原工場(愛知県豊田市)
- 岐阜車体工業の工場(岐阜県各務原市)
なお、日野自動車も「羽村工場(東京都羽村市)」の生産ラインを同じ期間停止するとしています。
これを受けて、国土交通省は1月30日午前に、愛知県にある豊田自動織機の「碧南(へきなん)工場」に立ち入り検査に入りました。国土交通省は、豊田自動織機での不正事実を確認した上で、「型式指定」の取り消しや、再発防止に向けた組織改善を求めるなどの行政処分を検討しています。
「型式指定」が取り消されると、生産した車両を1台ずつ陸運局へ持ち込んで検査することになるため、事実上、特定の車両を量産・量販できないことになります。
今回の不正発覚で、対象となる車両を保有しているユーザーの不安が募る結果となったことから、原因の追究などユーザーが納得できる対応が求められることになるでしょう。