少子化対策の財源確保に向けた支援金制度の国民負担額について、岸田総理は医療保険加入者1人あたり月500円弱になるとの見通しを発表しました。
また、徴収開始の時期は、2026年4月から段階的に行うとしています。
これに対して、実質的な増税ではないかという指摘が多く寄せられている状況です。
※記事の内容は2024年2月7日時点の情報を元に作成したものであり、現在の内容と異なる場合があります。
少子化対策のために医療保険加入者は1人あたり月500円弱の追加徴収の見通し!人によってはさらなる負担増も
政府は少子化対策に向けて、2028年までに3兆6000億円の財源確保を目指しており、そのうち1兆円程度を「支援金制度」でまかなうとしています。この支援金制度とは、公的医療保険の保険料に一定額を上乗せするというものです。これまで具体的な上乗せ金額を示していませんでしたが、今回、その見通しが医療保険加入者1人あたり月500円弱になると政府から発表されました。
つまり、1人あたり年6,000円程度、共働き世帯なら年12,000円程度の負担増になるため、事実上の子育て増税ではないかと批判が相次いでいます。
これに対して岸田総理は、賃上げによって実質的に負担は生じないため増税ではないとしています。
しかし、2023年の実質賃金は前年比ー2.5%となっており、2年連続で減少している状況です。
さらに、賃上げが実施されない企業に勤めている人にとっては、実質的な負担が生じる可能性は十分に考えられます。
また、実際の負担額は、加入する組合や年収などによって差が生まれる可能性が高いとされています。
会社員などが加入している健康保険組合では、定率で保険料を上乗せして支援金を集める見通しとなっているためです。
日本総研の西沢和彦理事の試算によると、1人あたりの負担額は協会けんぽで月638円、健保組合は月851円、後期高齢者医療制度で月253円とのことです。健保組合に加入している人の場合、政府が発表した月500円弱より大きな負担が生じてしまいます。さらに、所得が上がれば、それに応じて負担額は増加します。