政府は、2024年4月1日以降、新型コロナウイルス(以後、新型コロナ)を対象に、特定の病気に対して国が医療費を負担する「公費支援」を全面的に撤廃する方針を固めると発表しました。
公費支援が撤廃されることで、2024年4月1日から新型コロナの治療薬や入院費の個人負担が増加します。
新型コロナ治療薬負担額が変化!2023年10月以降の公費支援縮小
新型コロナの公費支援は2021年10月に開始され、治療薬は全額公費負担、入院費は高額療養費制度適用後に最大2万円などの補助が適用されていました。しかし、2023年5月8日に新型コロナが5類に引き下げられたこともあり、2023年10月に公費支援は縮小しています。
現在は、治療薬を処方された場合、年齢や収入に応じて3,000~9,000円の自己負担、入院医療費は最大で月1万円などの補助が適用されています。
2024年4月1日以降は、新型コロナにおける治療薬の公費負担をなくし、患者の保険診療の負担割合に応じて1~3割の窓口負担を求めるとのことです。また、入院医療費の公費支援や、コロナ患者用病床を確保した医療機関に支払われる「病床確保料(空床補償)」も打ち切り、通常の診療体制に移行するとしています。
そのため、一部治療薬における患者への負担が数万円に上るケースもでてきます。
例えば、重症化予防に用いる「ラゲブリオ」の場合、1日2回、5日分を処方された場合の治療薬はおよそ9万円であるため、3割負担であればおよそ2万8,000円を自己負担することになります。
他にも、抗ウイルス薬である「ゾコーバ」の場合、5日分の治療薬が現在5万2,000円ほどであることから、3割負担で1万5,000円超の支払いが求められる見通しです。
政府は、新たな感染症が蔓延した際の備えとして、公的医療機関に入院受け入れを義務づけるなどの改正感染症法を4月から施行することもあり、新型コロナの通常診療体制への移行を判断したとしています。