3月4日午前、日経平均株価は取引時間中に初めて4万円の大台を突破しました。
日経平均のこの上昇は、前週末の米国ハイテク株の強さを受け、東京市場でも半導体関連株が上昇したとみられています。
日本経済デフレ脱却へ期待高まる!外国人投資家からの評価も上昇か
生成AIの将来需要に対する期待は、半導体関連株の価格を押し上げる大きな要因となっており、東京エレクトロン・アドバンテスト・ソフトバンクグループなどの銘柄が商いを伴って上昇しました。
日経平均株価は、1月9日に約33年11カ月ぶりにバブル崩壊後の最高値を更新し、その後もハイペースで上昇し続けています。
株価上昇の一因として、企業業績の好調さが挙げられます。東証プライム市場に上場する企業の2024年3月期の純利益は、3期連続で過去最高を更新する見通しとなっています。加えて、日本企業のガバナンス改革が進展しており、資本効率の改善に取り組む企業が増えています。これらの改革は、特に外国人投資家からの日本株に対する信頼を高めることに貢献しているようです。
また日本経済のデフレからの脱却に向けた期待も、株価上昇に寄与しています。特に、今春闘での高水準の賃上げが打ち出されたことにより、物価と賃金がそろって上がる好循環が現実味を帯びてきました。このような経済環境の改善は、外国人投資家による日本株の評価見直しにつながっています。
さらに新NISA(少額投資非課税制度)のスタートも、市場に大きな影響を与えている重要な要素の一つです。新NISAは、投資を促進し、個人の資産形成を支援することを目的とした制度であり、特に若年層や投資初心者に対して、株式投資への参入障壁を低減しています。この制度により、非課税での投資が可能になり、特に中長期的な視点での資産運用が促進されています。新NISAの導入は、国内の投資マネーの流入を促し、日経平均株価の上昇に寄与していると考えられます。新NISAについては「旧NISAと新NISAを併用するメリット・デメリットとは?切り替えやロールオーバーもあわせて解説」をご覧ください。
日経平均株価の4万円超えは、日本経済にとって明るい兆しとなりますが、一部では指数の上昇の速さを懸念する声もあります。節目の4万円をつけた後、利益確定の売りが出ていることや、米雇用統計や日米中央銀行の政策決定を控えた市場の不確実性が、今後株価に影響を与える可能性があるようです。
この先の動向に注目が集まります。