2024年4月25日、自民党は株主配当などの金融所得を、国民健康保険や介護保険、後期高齢者医療制度などの社会保険の保険料算定に反映するための検討をはじめました。
金融所得の社会保険料算定については、現在は検討段階ではあるものの、2028年度までに可否についての議論を進めるとしています。
なお、サラリーマンなどが加入する被用者保険に関しては、給与所得に基づいて社会保険料を労使折半しているため、現段階では金融所得の算定をする議論はされていません。
社会保障の見直しについては公平性を保つ目的もある
社会保障の見直しについては、政府が2024年1月に発表した「新経済・財政再生計画 改革工程表2023」にも記載されています。
たとえば、「医療・介護保険における負担への金融資産等の保有状況の反映の在り方について検討を行う」「国民健康保険制度、後期高齢者医療制度、介護保険制度における負担への金融所得の反映の在り方について」などです。
現状、上場株式の配当など金融所得については、確定申告をした場合のみ金融所得が社会保険料に反映される仕組みとなっています。
このことから、確定申告をしている国民からは不公平であるとの声が挙がっており、確定申告の有無にかかわらず保険料に反映させることで公平性を保つとしています。
また、高齢化に伴う医療費や介護費の負担増加を背景に、日本の社会保障制度を持続させる目的もあるとのことです。
しかし、確定申告の有無にかかわらず金融所得を社会保険料の算定に影響させる場合、これまで未申告だった人の保険料が増える可能性があるため、保険料額を算定している自治体の負担が増えるなどの課題があることも事実です。
ほかにも、金融所得を社会保険料の算定に反映することが議論されたことでSNSでは、「投資してる時点でリスクを背負っているのに、投資を頑張った結果保険料負担が増えるなんて」などと不満の声も挙がっています。