「人間は何歳になっても、いくらでも成長し続けられる」 大前研一さんの言葉を事業として実践しています | MONEYIZM
 
株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長の柴田巌氏(左)とビスカス代表取締役社長の八木美代子(右)

「人間は何歳になっても、いくらでも成長し続けられる」 大前研一さんの言葉を事業として実践しています

株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長 柴田巌氏
公開日:
2023/03/15

世界的に有名な経営コンサルタントの大前研一さん(会長)が創業した「株式会社ビジネス・ブレークスルー」は、日本初の100%オンラインで経営学士・修士が取得できる「ビジネス・ブレークスルー大学・大学院」が有名。柴田巌社長が手がけた新規事業が、18歳以下の子どもたちをグローバル人材に育てるためのインターナショナルスクール事業だった。大前さんの「人間は何歳になっても、いくらでも成長し続けられる」ことを実践するため、幼児からシニアまでの総合教育機関を構築した。「資源のない日本は人材投資で世界のリーダー国に復権できる」と柴田社長は力説する。

八木美代子(以下、八木)「ビジネス・ブレークスルー大学・大学院(以下、BBT大学・大学院)」を中心に総合的な学びの場を提供している、「株式会社ビジネス・ブレークスルー(以下、BBT)」は、創業者の大前研一さんの学校というイメージが強くあります。柴田社長は大前さんの一番の魅力は何だと思いますか。

 

柴田巌(以下、柴田)大前さんは非常にエネルギーにあふれた方です。制約にとらわれない。大前さんの根底には、「人間は何歳になっても、いくらでも成長し続けられる」という信念をお持ちです。2月で80歳になりましたが、今でも「人間が成長する」ことを自ら実践しています。

 

八木不躾な質問で恐縮ですが、いつごろ大前さんと出会って、どうしてBBTに入られたのですか。

 

柴田1990年代の初期にイギリスに留学していたときに日本から来たクラスメイトがいました。この方がイギリスの大学を卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入りました。そこで彼が大前さんと出会い、1990年代の半ばにその方の紹介で大前さんとお会いしたのが最初でした。

株式会社ビジネス・ブレークスルーの創業者であり、現在は会長を務める大前研一さん「撮影/太田真三(小学館)」
株式会社ビジネス・ブレークスルーの創業者であり、現在は会長を務める大前研一さん[撮影/太田真三(小学館)]

 

その当時、日本ではまだインターネットが普及していませんでした。大前さんは「アメリカの様子を見ていると、日本でも今後、BtoC領域のインターネットが爆発的に普及するだろう」と考えた。そのチャンスをつかむために主婦をターゲットとしたECプラットフォーム(ネットスーパー)事業を立ち上げるのだが、「お前は興味ないか」と言われたのがきっかけです。
 
当時私は、あるコンサルティング会社で大企業などの経営者に経営の助言をするという仕事をしていました。大前さんから誘われた仕事はどうなるかわからないビジネスかもしれないが、まだ誰も取組んでいない仕事のほうが血液型B型の自分には向いているんじゃないか(笑)と思い、お受けしました。2011年の東北大震災の直後までその会社を経営していました。

その後、大前さんが当時の民主党政府から依頼された福島第一原子力発電所の事故調査のプロジェクトをお手伝いしましたが、あるとき、私も誘われてBBTにお世話になるようになりました。2012年の6月です。

グローバル人材を育てるなら、1~2歳から育てたほうがいいと考えた

八木BBT大学・大学院は有名です。しかしながら、親御さんは別として、一般のビジネスパーソンからすれば、幼児から高校までのインターナショナルスクールを運営されているイメージがありません。後から、インターナショナルスクール事業に参入されたのですね。

 

柴田大前さんから「今、BBTが行っている事業の外側の領域で、新規事業をやってくれ」と言われたのです。既に大学・大学院など18歳以上の年齢層はカバーしていましたので、18歳から下の年齢層向けの教育を始めようと考えました。
 
私の気持ちの中にグローバルに活躍する人材を育てるのなら、1歳、2歳から教育したほうがいいという考えがあり、幼少期から教える国際的な学校を構想しました。それが今の「アオバジャパン・インターナショナルスクール(以下、アオバ)」へと結びついていった原点です。
 
事業分野で分けると、幼少期から高等部までの学校を「プラットフォームサービス」事業と呼んでいます。BBT大学・大学院、企業研修など法人向け人材育成事業などをまとめて「リカレント教育」事業と呼びます。この2つの事業を通して幼児からスタートして一生涯学べる教育システムを築き上げました。
 
インターナショナルスクールは現在、東京都内4校、合計10カ所のキャンパスを持っています。国際バカロレア(IB)の教育カリキュラムを採用している、初等部から高等部まで学べるのがアオバと、東京・港区にある1歳から6歳向けの「サマーヒルインターナショナルスクール」、そしてケンブリッジ国際教育機構の認定したカリキュラムを採用している、東京・三鷹市にある「ムサシインターナショナルスクール・トウキョウ」などがあります。世界の2大国際カリキュラムを同じグループに保持しているインターナショナルスクールは日本国内には他にないことを付け加えておきましょう。

株式会社ビジネス・ブレークスルーの事業は、18歳以下の年齢を対象にする「プラットフォーム」事業と、大学生以上の年齢を対象にする「リカレント教育」事業が2本柱。

株式会社ビジネス・ブレークスルーの事業は、18歳以下の年齢を対象にする「プラットフォーム」事業と、
大学生以上の年齢を対象にする「リカレント教育」事業が2本柱。

問題解決能力など「5つのコアバリュー」を身に着けて社会に出したい

八木社長として会社を引っ張る立場ですが、どのようなスタンスで臨んでいるのですか。

 

柴田私どものミッションは「世界で活躍するリーダーの育成」で、ビジョンが「ライフタイム・エンパワーメント」です。つまり、「一生涯学び続けて成長し続ける学び舎になりたい」です。
 
今ではなくて20年後、30年後のリーダーを輩出することを目的に学校をつくりましたが、その学校で、私が考える「5つのコアバリュー」を身に着けてもらうことを目標にしています。

 

八木5つのコアバリューは何ですか。

 

柴田5つのコアバリューは、グローバルリーダーシップ、コミュニケーション能力、問題解決能力、リスクテイキング、アントレプレナーシップです。
 
5つのコアバリューは大学や大学院では当然身に着ける素養ですが、我々としては、そうした素養を身につけた高校3年生を輩出したい。その上で、自分の興味のある国内外の大学に行って、全世界でいろんな経験をしたり友だちを作ったりしてほしい。地球人として、この地球をより良い未来に導いてほしいのです。

 

八木率直な質問ですが、インターナショナルスクールを卒業する学生さんは、国内の大学に進む方がいいのか、海外の大学に進んいいだほうがいいのか。御社としてどういうふうに考えておられますか。

 

「20年後、30年後のグローバル人材を育てるためにインターナショナルスクールを手がけました」
「20年後、30年後のグローバル人材を育てるためにインターナショナルスクールを手がけました」

柴田有り体の答えをしますと、人それぞれだと思います。その年頃の子供たちがこれから何をすべきか、実社会に出てやりたいことを見つけるために、背中を押してあげることが大事です。
 
アオバの高等部が提供するカリキュラムは複数の種類があります。一つが、国際バカロレア(IB)の中で16歳から19歳を対象としたプログラムが「ディプロマ・プログラム」です。ほかには、このディプロマ・プログラムを志向しない生徒の為に「グローバルリーダーシップディプロマ」があります。

卒業から5年後に何になりたいかをまず決めて、そこから逆算して、今何を学ぶべきかを自分で考えてみようというプログラムです。
 
高校1年生の段階で友だちや親に相談ながら、自分は何になりたいのかを、今まで経験してきたことを踏まえて考えてみるのです。自分の興味だけでなくて、自分のスキルやバックグラウンドを確認し、将来のキャリアのあり方を探究します。そこからさかのぼって、アオバでの「学習手順」を作成するのです。

自分の未来を自分で設計すると、今学ぶべきことが見えてくる

八木将来のことはなかなか見通せませんよね。

 

柴田このプログラムは、自分の将来はこうあるべきという正解を求めるわけではありません。高校生の考えはすぐに変わります。大事なことは、自分の未来を自分で設計してつかみ取っていく作業を1回やっておくことです。最初に立てた目標が自分が本当にやりたいと思うことでなくなったときにも「次はどうしようか」と考える癖がつくと思います。
 
先に挙げた「5つのコアバリュー」を身に着けていれば、先が見えない世の中でも、世の中に明るい兆しを生み出せる人として、活躍できると思っています。

 

八木国際研究機関の分析などを見ると、日本の競争力がどんどん下がっていて、今では韓国、タイ、マレーシアにも追い抜かれています。衰退する日本にこのままいて大丈夫だろうか、自分の子どもは海外で仕事をさせたほうがいいのでは、という気分が日本の中にあります。実際、海外に出てしまう若者が増えているという記事も目にします。
 
ビスカスは、中小企業のオーナーがお客様ですから、日本が成長して元気な中小企業がどんどん増えてほしいと願っています。中小企業をもっと元気にするお手伝いをさせていただくのがビスカスの目的です。
 
一方で親の立場になると、成功確率が少なくなっている日本で働くよりも海外で活躍したほうがいいとお考えになる中小企業のオーナーもいるわけです。柴田社長は、こうした日本の衰退についてどうお考えですか。

日本がリーダーシップを期待される国になるには、人材に対する投資が重要

柴田日本はアジアの辺境にある小さな島国です。石油が出るわけでもないですし、シェールガスが出るわけでもない。レアメタルが取れるわけでもない。天然資源を武器にして世界と闘っていくのは難しいと思います。人口も戦後のように増え続ける訳ではありません。また、移民の受け入れも未知数です。
 
そうなってくると、日本が世界の中でリーダーシップを期待される国になるには、「人」を磨くしかありません。人材に投資することが非常に大事になります。人材力でリーダーになっている国は結構あって、シンガポール、スイス、北欧の国々がそうです。そして、デジタル時代で変革のスピードが加速するいまだからこそ、日本は人材への再投資、つまり「リスキリング」が重要になると考えています。

 

八木日本人は英語が苦手です。特に英語で流暢に話せない劣等感を持っている日本人は多い。だから、自分は苦手だけど、子供には英語が上手になってほしいということで塾に通わせたりインターナショナルスクールに通わせたりする親御さんは多い。英語に投資することをどうお考えですか。

 

柴田インターナショナルスクールに通ったり、英語のアフタースクールに通ったりする早期の英語教育はとても大事だと私は考えています。
 
インターネットに溢れる情報の中で、日本語で流通している量は3%に過ぎません。圧倒的に英語の情報量が多い。ですから英語が理解できるかどうかによって、その方が得られる情報の量がまったく違ってきます。
 
情報のインプットだけではなくて、就職活動もインターンシップも、友だちをつくるのも、英語ができれば有利です。例えば、世界のビジネスパーソンが登録しているLinkedin(リンクトイン)で人的ネットワークを増やすにしても、日本語だけでなく、英語でやりとりできれば、人脈は飛躍的に増えますよね。
 
2つ目として、第2言語として英語を習得すれば、グローバル人材として理解しておくべきダイバーシティ(多様性)とかインクルージョン(多様な個性、特性を認め合うこと)に対する理解が深まります。複数の言語でコミュニケーションをするようになれば、まったく違う文化の方と理解し合おうと努力をしますので、異文化体験が当たり前になっていきます。これこそ、国際人だと思います。

 

八木英語の場合、何歳ぐらいから学び始めるのが理想でしょうか。

 

柴田私の答えは2歳からです。小さいお子さんは覚えるのも早いですけど忘れるのも早い。だけれども、思い出すのもまた早い。ですので、2歳、3歳、4歳、5歳ぐらいで学び始めれば、日本語と英語、どちらの言葉もある程度わかるようになる。
 
但し、“ある程度”では国際社会では通用する英語にはならないので、日本の学校に通いながらも、オンラインで継続的に英語学習環境を整えることができる、子ども向けにバイリンガル育成スクール「Hatchlink(ハッチリンク)」「GO School(ゴー・スクール)」などを新しく立ち上げ上げました。
これで、ひとりでも多くのバイリンガル国際人を育てたいと考えています。

「英語、IT、ファイナンスが三種の神器」が大前さんの口癖

八木話題を変えますが、企業は今、デジタル化、DX化が大きな課題になっています。それは、企業人材も同じです。デジタル化、IT化についてはどのような取り組みをされていますか。

 

柴田大前はよく「英語とITとファイナンスが、三種の神器である」と言っています。最近言い出したことではなくて、私が彼と出会った初日ぐらいから言っていました。経営者であろうとビジネスパーソンであろうと、英語、IT、ファイナンス、この3つができることがすごく重要です。
 
英語とファイナンスはBBT大学・大学院でしっかり身に着けてもらうプログラムができていました。私は、ITをもっと強化したいと考え、2019年にITマネジメント領域における人材育成・組織開発をするITプレナーズジャパン・アジアパシフィックをグループにお招きしました。
 
「DXをビジョンに掲げ、DX推進部門を立ちあげているが現場がついてこない」という事例が国内に散見されますが、こうした課題をテクノロジーと経営の両方をある程度理解し橋渡しできるITマネジメント人材の育成を通じて解決しています。
 
コロナウイルスが世界で猛威を振るい、自宅などでのリモートワークが始まり、zoomなどでのオンラインミーティングも当たり前になりました。
 
多くの経営者、ビジネスパーソンがITを学ぶことがとても大事だと実感したのではないでしょうか。40代以上のことを考える場合でも、IT、DXを学び、リチャージしてもらうことで、さらに30年ぐらいバリバリい働てもらうことができます。
 
人生100年時代といいますから、50代で仕事人としては終わりではなく、リカレント教育、リスキリングによって自分を磨いてほしいと思います。

アオバで学ぶ「国際バカロレア(IB)」は、探求力を養うオールラウンド型の教育

「デジタルだけではなく、リアルとデジタルの融合が大事です」と八木社長
「デジタルだけではなく、リアルとデジタルの融合が大事です」と八木社長

八木デジタルの重要性はもちろんですが、アナログとデジタルの融合も大事になっています。学校教育をみると、文系、理系という分け方をします。大学受験のために文系、理系に分かれていくのですが、本来は文系と理系は融合すべきと思います。理系の分野に文系のセンスみたいなものが必要なのではないでしょうか。
 
柴田おっしゃる通りです。文系、理系と分けて考える必要は元々ないのに分けてしまったのだと思います。

今、幼児教育の分野ではSTEAM教育の重要性が言われています。科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)。アート(Art)、数学(Mathematics)の5つの頭文字を採ったものですが、アートが入っているところが注目ポイントです。
 
要は創造性を育てる教育には、文系的な発想と理系的な発想が必要です。別の言い方をすれば、五感を司る右脳、論理思考を司る左脳の両方の脳を行ったり来たりすることが大事だと思います。

 

八木アオバは文系、理系と分けないのですか。

 

柴田先に触れましたが、BBTが導入している世界標準のカリキュラムの一つに「国際バカロレア(IB)」があります。
 
そのディプロマ・プログラムを2年間履修した後、最終試験を受けます。その試験で45点満点中24点以上を取らないと卒業できません。また、その試験のスコアは、欧米の主な大学が入試のスコアとして活用します。
 
この国際バカロレア(IB)は、日本的に言うと「国語、算数、理科、社会、第二言語、美術」を全て網羅しますので、オールラウンド型です。第1言語、第2言語、数学、自然科学、社会科学、芸術は絶対取らないといけません。それに加えてボランティアなどの活動を卒業までに150時間以上やらないといけませんし、小論文や知の理論(Theory of Knowledge)などの統合科目も必修です。
 
国際バカロレア(IB)のカリキュラムは、このようにオールラウンド型なので、グローバルに活躍できる力を養うのに最適です。グループディスカッションは全ての授業で徹底的に行われます。今時代が求められている探究スキル、課題発見と解決能力を磨くことができます。

グローバルに通用する「国際バカロレア(IB)」のカリキュラムを学ぶアオバジャパン・インターナショナルスクールの生徒たち「提供/株式会社ビジネス・ブレークスルー」

グローバルに通用する「国際バカロレア(IB)」のカリキュラムを学ぶアオバジャパン・インターナショナルスクールの生徒たち
[提供/株式会社ビジネス・ブレークスルー]

企業向けのカスタム研修は、幹部候補生の選抜研修のニーズが高い

八木御社の「中期経営計画策定2022-2024」を拝見しますと、2021年から2024年までに、領域別にBBTの事業は、大学生以上の年齢を対象にする「リカレント教育」事業が140%の伸び、18歳以下の年齢を対象にする「プラットフォーム」事業の、インターナショナルスクール部門が135%の伸び、英語教育部門が260%と、とても高い成長率を計画しているのですね。英語教育部門の伸びがひときわ目立っていますが、それだけ英語に対するニーズが高いということでしょうか。

 

柴田英語教育系部門は、とても実践的な学びになっています。特徴的なのは、ビジネスの実際の場面を想定して英語でレッスンを受けるところです。フィリピンに長年日本人を教えてきた70名ぐらいのインストラクターの方がいます。インターネットベースで30分1回の授業を受けます。
 
例えば私がある会社の採用担当役員とします。英語で採用面接を行うとしたら、英語でどう話すのか。パフォーマンスの悪い管理職の契約を切るときは英語でどんな面談をするのか。何百の場面を設定して、一つひとつやっていきます。

 

八木先にあげた事業計画では、法人向け人材育成事業も190%と伸びています。各企業にカスタマイズした研修事業でしょうが、どんな研修ニーズが一番多いですか。

 

柴田一番多いのは将来の幹部候補を育成していくための選抜研修です。以前だと、幹部候補生を欧米のビジネススクールに派遣するのが主流でしたが、授業料が年間1000万円を超えるわけです。とてもコストがかかるわけです。
 
であれば、自分たちの会社のニーズに沿ったカリキュラムをつくって、それに沿って幹部研修を受けたほうがいいとなったのです。
 
2つ目に人気が高いのは、人材のリチャージ、つまりリカレント教育です。例えば自動車の製造といっても、ガソリンで駆動するエンジン(内燃機関)から、今後は地球温暖化の問題も関連し電気自動車が主流となるでしょう。そうすると、必要とするコア技術がまるっきり変わってしまっている。新しい技術を学ぶわけです。

 

八木中小企業の経営者にお薦めのコースはありますか。

 

柴田ほとんど全ておすすめですけれども、「デジタルファーストキャンプ」というプログラムは、DX化に取り組む方にお薦めです。3カ月間の短期集中プログラムで、デジタルの基礎的理解力を向上させることから始まり、デジタルビジネスを構想する力まで養います。
 
あるクリニックの医師は、この「デジタルファーストキャンプ」の学生さんです。60代のこの医師はクリニックの経営者でもいらっしゃいます。医療機関にもITの波が押し寄せていることもあり、患者へのホスピタリティを保持しながらIT化による経営効率の向上も進める病院経営をしていくために受講されたようです。
 
大前さんが主宰している企業経営者のネットワーク勉強会である「向研会」もお薦めです。東京、大阪、名古屋、福岡に月に1回、540社ぐらいの会社の経営者の方が集まって、大前さんと一緒に勉強していきます。入会の審査がありますが、経営者同士が学び合う場ですので、いろいろなヒントを得られます。

 

八木今日は幼児教育、英語教育、経営者教育、リカレント教育と多方面にわたって教えていただきました。まさに、一生涯、勉強して成長する、その大事さを痛感しました。ありがとうございました。

株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長 柴田巌氏
株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長 柴田巌氏
京都大学工学部を卒業後、京都大学大学院(工学修士)、英国London School of Economics & Political Science (MSc)、米国Northwestern大学Kellogg Graduate School of Management (MBA)にて修士号を取得。外資コンサルティング会社を経て、1997年に「大前・アンド・アソシエーツ」に入社。1998年インターネット事業を手がける「株式会社エブリデイ・ドット・コム」を設立。その後、2012年株式会社ビジネス・ブレークスルー取締役、2018年から代表取締役社長。ビジネス・ブレークスルー大学大学院教授も務める。

取材・文責:酒井綱一郎、柴田氏&八木氏の撮影:世良武史
※肩書き等は掲載日時点でのものになります。

各業界のトップとの対談を通して”企業経営を強くし、時代を勝ち抜くヒント”をお伝えする連載「ビジネスリーダーに会いに行く!」。第6回は、株式会社ビジネス・ブレークスルーの柴田巌代表取締役社長にお話を伺いました。創業者の大前研一さんとの出会いのエピソード、大前さんの魅力、幼児教育から社会人教育までを手がける熱意を、静かな語り口で紹介いただきました。