みなさんが税理士に求めるものは、何でしょうか? 会計に関わる実務を正確にこなし、間違いのない税務申告をして、1円でも多く節税してほしい――。それは“基本中の基本”ですが、「数字のプロ」にできるのは、それだけではありません。Pision合同会計事務所の濱慎一先生(代表税理士)、押味成広先生は、「会社の未来についても相談してほしいのです」と話します。
「今期はこうなりました」よりも
「将来どうしたいか」が大事
2019/10/23
「事業の拡大を止めてほしい」という依頼
その会社の顧問税理士をしていたのですが、ある日、奥さんから「主人を説得してほしい」と相談を受けたんですよ。「2店舗目を出したいと言っているので、止めてもらいたい」と。
ところが、ご主人の考えを聞いてみると、「とにかく会社を大きくしたい」というような、いいかげんなプランではないことがわかりました。店を出す場所なども、しっかり目星をつけていたんですよ。実際に調べてみると、確かにターゲットになるお客さまはたくさんいるのにあまりいい美容室はない、という立地でした。これならいけるんじゃないか、と私も思ったわけです。
そこで、今度は奥さんのほうを「説得」することにしました。とはいえ、ただ「やりましょう」では納得されないだろうと考えて、「3つの約束」をすることにしたのです。今の店の売上を目標の売上まで上げる、事前に新しい店の従業員を確保する、そのめどが立ったら、私が責任をもって設備投資などの融資を銀行からとりつける、の3つ。
「未来」が相談できる税理士に
是が非でも上場させたいのなら、当事務所では今のところIPO支援はやっていないので、折を見て他の事務所を紹介することになるかもしれませんが、そうなってもよいようなサポートをします。M&Aを模索するのなら、最初からあれこれ手を出したりせずに、とにかくクリーンな経営を心掛けるように、アドバイスするかもしれません。事業の拡大第一で行くのなら、3年後とか5年後とかの利益目標を決めて、そこから逆算して来期の数字を出し、それを達成するためには何をなすべきか、と話を具体的にしていくわけです。
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- 「今期はこうなりました」よりも 「将来どうしたいか」が大事
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