今日は社会保険労務士の仕事内容について尾花先生にお話を伺います。よろしくお願いします!社会保険労務士は人事労務の専門家ですが、実際はどんなことをやっていただけるのかイメージしづらい士業ですね。
そうですね。社労士の仕事について多少ご存知の方でも、「社会保険の手続代行や年金相談だけだろう」と思っている方も多く、結構誤解されているなぁと感じています。
具体的にはどんな仕事をされていらっしゃるのですか?
私の事務所の業務内容を例に挙げますと、社会保険の手続や給与計算、労働法に関する相談は当然の業務として、就業規則の作成や運用アドバイス・人事教育・メンタルヘルスチェックに至るまで幅広く行っています。
例えば入社前の採用や雇用契約書についてもアドバイスいただけるのですか?
はい、もちろんです。採用時の雇用契約書や誓約書面の整備だけでなく、退職、解雇、懲戒処分についてもご相談に乗りますし、サービス残業や管理監督者対策、賃金相場のアドバイスや賃金・退職金制度作りもお手伝いしています。
本当に何から何までという感じですね。
そうなんです。労務士の仕事は人に関わること全てといっても過言でありません。また当事務所では特に助成金や教育研修の企画、従業員のメンタルヘルス対応などに力を入れています。クライアント様からのご要望が高いためです。場合によっては外部の人事部としての機能を求められることもあります。
なるほど。クライアントの社長様からすごく信頼されていらっしゃるのですね。
そうありたいと願っています。
就業規則の作成に特化している社労士事務所などもありますが、労務顧問として経営者をサポートするためには、やはり様々な事案に取り組む必要があると思うんです。当事務所では6名体制でそれぞれの強みを活かした総合的なサービスを提供するように取り組んでいます。
就業規則の作成に特化している社労士事務所などもありますが、労務顧問として経営者をサポートするためには、やはり様々な事案に取り組む必要があると思うんです。当事務所では6名体制でそれぞれの強みを活かした総合的なサービスを提供するように取り組んでいます。
私も人事労務で苦労したことがありますが、経営者の皆さんにとって労務管理は共通の課題だと思います。
私はこの仕事をしていて労務管理は後回しにされやすいなと感じています。私も経営者の一人として、まずは売上・利益ありきという考えは理解していますが、経営者が社内組織に少し違和感を持ったときには、現場は何らかの問題を抱え混乱していることが少なくありません。トラブルに発展してからでは、解決までにかなりの時間と労力とお金が必要になります。
少しでも社内で気になることがあればすぐに相談した方がいいですね。
はい。すぐに労務管理の整備に着手されるべきだと思います。
そういう場合、何から手をつけたらいいでしょう?
一番失敗が少なく、やりやすいのが就業規則の作成・見直しです。法律で義務づけられているから作るのではなく、労使トラブルの予防、労務支出の削減、さらに社内のベクトル合わせまでを考え、作成してこそ社内規程の価値が生まれます。
最後に、尾花先生は社労士に必要な資質はどんなことだと思われますか?
社労士は、クライアントの会社の現状をしっかり把握し、その会社にあった労務管理を提案できなければなりません。そのためには、必要最低限の能力として経営者、人事責任者の方とのコミュニケーション能力が求められます。人事労務に関する専門家である社労士が、人の話しを聞けない、上手く伝えられない、またはクライアントが遠慮して聞きづらいなんてことがあれば、企業の人事労務に関するアドバイスなんてできるはずがありませんからね。
これからはもっと気軽に相談してみようと思います。ありがとうございました。