会社を引き継いだ新社長には、経営者としてこなすべき実務が山積しています。そんな中でも。忘れてならないのが「会社の数字」のこと。「経験がないから」と経理任せにしたりするのは、考えものです。経営サポートや事業承継に実績を持つ藤間元彰先生(藤間元彰税理士事務所)は「経営者としては、試算表を一読して、ポイントを理解できるレベルが必要です」と話します。
試算表を見て、「あれ、おかしいな?」
経営者には、この感覚が大事です
2020/4/1
決裁権を持つのは社長です
しかし、中小企業の場合、支払いなどの決裁権を持つのは、代表取締役である社長です。トップになれば、否応なしに今までやってこなかった決断をしなくてはなりません。
後継者が、事業承継前に私たちと話をする機会というのは、実は少ないんですね。「税理士と話をするから、同席しなさい」と連れてくるような先代も、あまり多くありません。
さらに欲を言えば、われわれが作成する試算表の数字は、早くても1ヵ月前のもので、リアルタイムというわけにはいきません。常に売上や資金繰りの状況などがざっくり頭に入っていて、例えば預金通帳の残高が思ったよりも少なかったら、「どうして?」と反応できるくらいになれば、理想的です。
税理士を「社外監査役」にする
お客さまに、従業員15人ほどの建設業の社長がいます。事業を引き継がれて数年後からのお付き合いなのですが、私が行っても、逆に数字の話は私に質問をほとんどしません。原価管理をはじめ、大事なところは社内でシステム化されているから、あらためて聞かなくても把握している感じです。(笑)。その代わり、「こんなことを考えているのだけれど、どう思う?」と、経営に関する客観的な意見を求められたり、他社の動向を聞かれたり。その方にとっては、たぶん私は、顧問税理士というより、おおげさにいうと「社外監査役」、もっとわかりやすく言うと「いろいろな会社の数字や内情を知っている人」という感じなのかもしれません。
2015年の国連サミットで採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す、という国際目標。
【この記事は実話を基に作成してますが、情報保護の観点より、内容を一部加工させていただいています。個人情報の適切な保護に取り組んでいますので、どうぞご了承ください。】
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- 試算表を見て、「あれ、おかしいな?」 経営者には、この感覚が大事です
藤間元彰(税理士)
藤間元彰税理士事務所 所長
経営者の悩みを聞くことを大切な使命と考え、税務会計はもちろん、資金繰り、損益分析や労務問題等、親身に対応している。会社を存続させるためのオーダーメイドの経営支援は、お客様への誓いであり、社会に果たす役割のかたち、と掲げる。医療法人やクリニックなど医業のお客様も多い。
URL:http://www.cpa-fujima.jp/
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